中間型インスリンの1日1-2回注射で一定期間観察し, それでもなお十分なコントロールの得られなかった入院治療NIDDM19症例を対象とした.α-グルコシダーゼ阻害剤 (アカルボース) を4週間併用投与し, 投与前後の血糖日内変動, 血中CPR (朝食前, 朝食後2時間), HbA
1c, 1, 5-AGを測定した.朝食後血糖は投与前210±45mg/d
lが投与後166±41mg/d
lに (P<0.01), 昼食後は219±48mg/d
lが168±61mg/d
lに (P<0.001), 夕食後は237±49mg/d
lが174±63mg/d
lに (P<0.001), それぞれ有意な低下を認めた.HbA
1cは投与前の8.6±1.7%から7.4±0.7%に (P<0.001), 1, 5-AGは投与前の4.8±3.5μg/m
lから6.1±2.4μg/m
lに (P<0.05) それぞれ有意な改善を示した.朝食前の血中CPRは投与前1.8±1.0ng/m
l, 後1.8±1.3ng/m
lと変化しなかったが, 朝食後2時間の血中CPRは投与前の3.8±2.1ng/m
lから投与後は3.2±1.9ng/m
lに有意な低下を示した (P<0.02).インスリン治療NIDDMにおけるα-グルコシダーゼ阻害剤の併用は食後の血糖上昇を小さくするとともに, 食事に対するインスリンの追加分泌を減少させることが示された.
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