糖尿病
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41 巻 , 10 号
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  • 渡辺 伸明, 飯田 正人, 川村 修司, 関 孝一
    1998 年 41 巻 10 号 p. 863-868
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    NIDDMの発症様式を示した糖尿病患者280例に対し抗glutamic acid decarboxylase (GAD) 抗体をRIA法にて測定し10例が陽性であった. 陽性例の平均年齢は59歳.Body massindexの平均は20.8kg/m2とやせ形であった. Islet cell antibodyは検索し得た8例について陰性であったが4例に甲状腺自己抗体を認めた. 4例が内因性インスリン分泌能の著明な低下を示し頻回インスリン療法を要した. HLA解析において6例に疾患感受性ハプロタイプを認めた. 分泌能が良好に保たれていた1例はHLAにおいてIDDM疾患抵抗性のハプロタイプを有していた. 8例につき抗体価の経時的変化を観察した. 観察開始時抗体価高値の5症例では, 全例で数カ月の時間経過に伴い抗体価の直線的な低下を示した.低値陽性であった3症例では1年以内に全症例で陰性化した. 抗体価の低下の過程で血清C-peptideに有意な変動は認められなかった. 抗GAD抗体はスクリーニング検査として有用であるが, Slowly Progressive IDDMを診断するためには受診後極力早期に測定する必要があることが示唆された.
  • 早川 明子, 大久保 実, 大須賀 淳一, 小林 哲郎, 中西 幸二, 村勢 敏郎
    1998 年 41 巻 10 号 p. 869-876
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    日本人IDDMの大血管合併症の頻度と危険因子を調べるために, 102例 (男54, 女48) のIDDM患者を検討した. 17例 (16.7%) に大血管合併症があり, 内訳は虚血性心疾患 (IHD) 10例, 脳血管障害5例, 閉塞性動脈硬化症5例であった. IHDの3例は別の合併症を併発していた. 合併症の頻度は年齢とともに増加したが, 性差は認めなかった. 合併症 (+) の患者では (-) の患者に比べて, 空腹時中性脂肪とHbA1cが高値で, 糖尿病罹病期間は長くHDLコレステロールは低値であった. IHD (+) の患者でも (-) の患者に比べて, 罹病期間は長くHDLコレステロールは低値であったが, 中性脂肪とHbA1cには差がなかった. 以上より, 日本人IDDMの大血管合併症は, (1) 欧米と同じ頻度で, 年齢と罹病期間とともに増加し, (2) 性差がなく, (3) 合併症のない患者に比較してHDLコレステロールが低値であることが示唆された.
  • 平尾 紘一, 木之下 徹, 浦田 伸一, 平尾 節子, 前田 一
    1998 年 41 巻 10 号 p. 877-883
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    sulfonylurea剤 (SU剤) 投与を対照群として, ボグリボースのインスリン抵抗性改善作用をa euglycemic hyperinsulinemic clamp (インスリンクランプ) を用い検討した. 対象はNIDDM患者18人でその治療内容はSU剤投与群6人, SU剤とボグリボース投与群9人, ボグリボース投与群3人である. 研究方法はこれらの薬剤を投薬し, HbA1cが8%以下に安定化した段階で第1回目のインスリンクランプを試行し, さらに約6カ月後に第2回目のインスリンクランプを試行した. この間, HbA1cを一定に保つように投薬量を増減し, Body Mass Index (BMI) と運動量が変化しないように診察ごとに担当医が確認した. M-値の変化量を外的基準にし, ボグリボースとSU剤の投薬の有無にそれぞれダミー変数を割り当てそれらを説明変数とし, 重回帰分析で分析した. その結果SU剤の影響を調整したボグリボースのM-値に対する寄与は有意 (p=0.0060) であり, ボグリボースの投薬によりインスリン抵抗性が改善していることが示された.
  • 宮下 洋, 伊藤 嘉晃, 橋口 正一郎, 戸塚 光哉, 村野 武義, 有賀 喜代子, 植竹 孝子, 永井 千代子, 冨岡 玖夫, 白井 厚治
    1998 年 41 巻 10 号 p. 885-890
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肥満インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) に対する低エネルギー食の適正糖質脂肪配分比を明らかにする目的で, NIDDM患者26名 (男性8名, 女性18名) を対象とし, 低エネルギー食 (1000kcal/日) を低糖質食 (蛋白質: 脂肪: 炭水化物=25: 35: 39) と高糖質食 (蛋白質: 脂肪: 炭水化物= 26: 10: 62) に分け, 2週間ずつ交互に施行し, 糖, 脂質代謝に及ぼす作用を比較検討した. なお, 前期をpreconditioning期とし, 後期にみられた変動を主に評価すると, 体重減少率は両食とも5%/2weeksで差を認めず, 体脂肪率の減少も両食ともほぼ同様であった. 空腹時血糖は, 低糖質食で30±3%/2weeksの低下を認めたのに比し, 高糖質食では低下傾向を示さなかった. 尿中C-ペプチドは, 低糖質食で50±23%の低下傾向を示したのに比し, 高糖質食では上昇傾向を認めた. 脂質代謝では, 中性脂肪は低糖質食で20±8%/2weeksの低下, 高糖質食で5±10%/2weeksの上昇を認め, HDL-コレステロールは低糖質食で10±3%/2weeksの上昇, 高糖質食で5±10%の低下傾向を認めた. なお, 総コレステロールは両食ともに変動は認めなかった. 以上より肥満NIDDMに対する低エネルギー食療法のエネルギー比は, 低糖質食の方が高糖質食に比し, より血糖低下, TG低下, HDL上昇が多くみられ, 有用性が高いことが示唆された.
  • 松本 一成, 矢野 まゆみ, 植木 幸孝, 三宅 清兵衛, 富永 雄幸
    1998 年 41 巻 10 号 p. 891-896
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    清涼飲料水の過飲を契機に, 著明な体重減少およびケトーシスを伴って発症し, 強化インスリン療法にてインスリン療法から離脱できたインスリン非依存型糖尿病患者7例を対象とした. ケトーシスの改善直後 (治療前) とインスリン療法の離脱後 (治療後) に, インスリン分泌とインスリン感受性を測定した. インスリン分泌は, 24時間尿中C-peptideで測定すると有意な変化を認めなかった. しかし, 空腹時血中C-peptideは治療前1.0 (SD0.7) ng/mlから治療後には1.6 (0.7) ng/mlへと有意に増加した (p=0.015). 朝食後2時間血中C-peptideも治療前1.7 (0.8) ng/ml から治療後には7.1 (4.6) ng/mlへと有意に増加した (p=0.018). インスリン感受性はインスリン負荷試験のKindex (KITT) で測定し, 治療前1.27 (0.99)%/minから治療後には3.80 (0.86)%/minへと有意な改善を認めた (p<0.01).血中脂質においては中性脂肪値が治療前166.1 (86.1) mg/dl から92.3 (48.7) mg/dlへと有意な低下 (P=0.014) を示したが, 総コレステロールとHDLコレステロールは有意な変化を示さなかった. 血中C-peptideで測定したインスリン分泌の治療後の増加と, KITTで測定したインスリン感受性の治療後の改善は, 程度の差はあるものの全症例において認められた. 以上のことから, ブドウ糖毒性による著明なインスリン分泌の低下と高度なインスリン抵抗性が清涼飲料水ケトーシスに共通した重要な病態生理であることが推測される.
  • 中神 朋子, 河原 玲子, 宮前 至博, 佐藤 敏彦, 岩崎 直子, 大森 安恵, 岩本 安彦
    1998 年 41 巻 10 号 p. 897-906
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    NIDDMの死因の年代的変遷を日本人一般と比較する目的で, 1976~95年に死亡確認された1, 256人 (70年代230人, 80年代676人, 90年代350人) の死因を調査した. 糖尿病腎症4.8%, 虚血性心疾患16.3%, 脳血管障害13.3%を含む全血管障害が34.4%で死因の第1位を占め, 次いで悪性新生物22.3%, その他の心疾患14.3%の順であった. 年代別死因構成比では虚血性心疾患が70年代10.9%から90年代19.0%に増加し脳血管障害は70年代14.4%から90年代12.1%へ糖尿病腎症は70年代6.5%から90年代2.9%へ減少した. 日本人一般に比しNIDDMの死因では糖尿病, 虚血性心疾患, その他の心疾患, 感染性が有意に多く (標準化比例死亡比=3.60, 2.65, 2.35, 1.37), 脳血管障害, 悪性新生物は有意に少なかった (標準化比例死亡比=0.78, 0.68). NIDDM患者の死因では虚血性心疾患が年代を経て増加する傾向にあった.
  • 荒井 ゆかり
    1998 年 41 巻 10 号 p. 907-913
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病状態における血圧上昇が腎糸球体基底膜 (GBM) のanionic sites (AS) の代謝に及ぼす影響を明らかにする目的で, ストレプトゾトシン (STZ) により糖尿病とした自然発症高血圧ラット (SHR) に早期よりジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤 (CCB) を4週間投与し, 血圧上昇を抑制したモデルを作成し実験を行った. SHR: contro1群, CCBを投与したCCB群, STZを投与したSTZ群, STZとCCBを投与したSTZ+CCB群につき, 血糖値, 体重, 収縮期血圧, クレアチニンクリアランス (Ccr), 尿アルブミン排泄率 (UAE) を測定し, 4週後にGBM外透明層1000nm当たりのAS数を求めた. その結果, Ccr, UAEはSTZ群に比し, STZ+CCB群でその増加は抑制された. さらにAS数は, STZ群に比し, STZ+CCB群でその減少は防止された. 以上より, 糖尿病状態によるAS数の減少は, 血圧上昇の影響も受けることが示唆され, 糖尿病性腎症の早期から血圧上昇を防止すれば, 腎保護的と思われる.
  • 荻野 良郎, 茂久田 修, 生方 英一, 坂本 美一, 鳥海 正明, 田中 孝司, 木野内 喬, 菅野 勇, 石田 康生, 長尾 孝一, 清 ...
    1998 年 41 巻 10 号 p. 915-921
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は44歳, 男性. 1992年9月, 発汗過多, 意識障害, 低血糖にてインスリノーマを発症した. hypervascularityを伴う多発性肝転移と原発性副甲状腺機能亢進症が存在した. このため悪性インスリノーマを伴う多発性内分泌腺腫症1型と診断した. 肝動脈塞栓術, streptozocin, 5FUの化学療法にて転移性肝腫瘍の縮小をえたが, 血糖コントロールは不十分であった. このため, diazoxideとoctmeotideの投与を試み, ともに有効なためこれらの併用にて2年8カ月安定した血糖コントロールをえた. 症例は多発性肝腫瘍と巨大な肝嚢胞に伴う肝不全にて全経過4年1カ月にて死亡した.
  • 中村 典雄, 鳴河 宗聡, 朝日 寿実, 山崎 勝也, 佐藤 啓, 手丸 理恵, 浦風 雅春, 笹岡 利安, 大角 誠治, 小林 正
    1998 年 41 巻 10 号 p. 923-928
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は84歳の男性, 前立腺癌にてホルモン療法施行中であった. 来院時血糖値928mg/dl, 尿中ケトン体強陽性, 著明な代謝性アシドーシスを認め, また胸部X線上右上肺野に浸潤影も認め糖尿病性ケトアシドーシス (DKA) に肺炎を合併しているものと考えた. インスリン持続静注, 輸液, 抗生剤にて状態は改善した. DKAの誘因として, 肺炎に加えて, 入院までの経過から, 前立腺癌治療のため内服中の酢酸クロルマジノン (CMA) の関与が考えられた. 近年高齢化とともに前立腺疾患が増加しており, CMA服用の際は, 糖代謝の厳重な観察が必要と考えられた.
  • 今村 秀基, 富樫 満, 渡辺 信明, 森山 裕之, 関谷 政雄, 原武 譲二, 熊野 英典
    1998 年 41 巻 10 号 p. 929-932
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は56歳, 女性. 平成9年4月末よりトログリタゾン (400mg) にて加療, コントロール良好であった. 投与前後および投与4カ月後の肝機能検査は全て正常であった. 投与7カ月後GOT, GPTの上昇を認めた. 中止指示が遅れ, その後1カ月間内服が続いたが, 1カ月後のGOT, GPTは一旦低下した. しかし, 2週間後, 再上昇認めたため入院ウイルス性肝炎および自己免疫性肝炎は否定的であり, 肝生検にて, zonal necrosis型の急性肝細胞障害を示唆する所見を認め, またトログリタゾン以外の肝障害をおこす薬剤を内服していないことより, トログリタゾンによる薬剤性肝障害と診断した. 本例は, これまで報告されたトログリタゾンの肝障害と同様の経過であり, さらに肝障害のパターンや肝生検の結果より, 肝実質障害であることが示唆された. また, 肝機能正常の患者でもトログリタゾンで肝障害が起こり得ることが示され, 今後本剤の使用には, 肝機能の定期的な検査が必要であると考えられる.
  • 山田 祐也, 迫田 寛人, 井上 徹, 久保 正治, 伏見 尚子, 南 武志, 亀山 正邦
    1998 年 41 巻 10 号 p. 933-936
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    鉛中毒を合併したインスリン非依存型糖尿病を短期間に2例経験した. 2例とも腹痛, 強度の便秘, 不眠などの自覚症状と貧血, ポルフィリン尿症を呈し, 血中尿中鉛濃度は高値を示した. 内服中の漢方薬 (珍芹降糖) に高濃度の鉛を検出した. 同薬の鉛含量にばらつきを認め長期内服で未発症例もあることから, 鉛の混入が推定された. Dimercaprol筋注により治療し症状, 検査所見ともに改善中である.
  • 1998 年 41 巻 10 号 p. 937-951
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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