症例は27歳の女性. 1997年2月27日, 急激な口渇感を感じ, 水を2,000m
l程度飲んだ. 2月27日夜, 悪心, 嘔吐を認めたため, 2月28日外来を受診した. 食前血糖537mg/d
l, pH7.288, BE-11.3mEq/
l, HCO
3, 13.8mmol/
l, 尿ケトン体 (3+), 血中総ケトン体7, 145μmo1/lにて糖尿病性ケトアシド, シスと診断し緊急入院となった. 入院時のHbA1c5.5%, フルクトサミン303μmol/lであった. 入院中の尿中CPRは5回測定しすべて0.1μg/day以下, 血中CPRは入院中グルカゴン負荷試験を2回施行し, 負荷前, 負荷6分後とも0.1ng/ml以下であった. GAD抗体は, 6回測定するも陰性であり, ICAは3回とも陰性であった. HLAはA24, (B54-DR4), (B61-DR9), DQ3, DQ4を有していた. 退院後のインスリン治療は, 速効型インスリンを朝10単位, 昼10単位, 夕8単位, 就寝前に中間型インスリン18単位使用中で, HbA1cは6%台に維持されている. 入院時HbA1cとフルクトサミンが正常値であった急性発症IDDMの1例につき報告する.
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