糖尿病
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41 巻 , 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 柴田 敏朗, 鈴木 英司, 安田 紀久子, 安田 圭吾
    1998 年 41 巻 6 号 p. 423-431
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型糖尿病患者92名と正常対照者19名を対象に, 磁気共鳴画像を用い, 腓腹神経の浮腫の指標としてスピン-格子緩和時間 (T1値) を, 神経内部構造変化の指標として信号強度の変動係数 (CV値) を測定した.T1値は血糖コントロールや神経機能と密接に関連した.また, 糖尿病群の各12名にaldose reductase inhibitor (Epalrestat 150mg/day, ARI群) またはprostaglandin I2analogue (Beraprostsodium120μg/day, PGI、群) の約7カ月間の投与前後で比較し, 神経伝導速度は両群とも改善した. ARI群のT1値は正常域まで低下したが, PGI2群のT1値は治療前後で差を認めず, しかし高値を示した症例では低下した.CV値は糖尿病群で増加し, 罹病期間および網膜症や腎症などの細小血管病変の進行とともに増加した.磁気共鳴画像によるT1値とCV値の測定は, 糖尿病性神経障害の診断と治療効果の評価に有用であると考えられた.
  • 細島 弘行, 内田 健三
    1998 年 41 巻 6 号 p. 433-441
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    インスリン抵抗性の指標化を試み, Basal Homeostasis Model Assessment (HOMA) 法による数式を利用して, 肥満を合併するIGT症例のインスリン抵抗性について検討した.対象は肥満IGT (OIGT) 群40例 (平均年齢50.2歳), 非肥満IGT (NIGT) 群46例 (54.8歳), と非肥満, 正常耐糖能のコントロール (C) 群18例 (56.2歳) とした. HOMA法の数式, インスリン抵抗指数: R=FIRI/22.5e-In (FPG) をR= [FIRI (mU/l) ×FPG (mmol/l)]/22.5として計算した.対象例のBMI値はOIGT群が28.4±0.4kg/m2と明らかに高値であったが, FPG, HbA1cはOIGT, NIGT群で差はなかった. しかし, FIRIはOIGT群で12.7±0.9mU/lと高く, 脂質値, 血圧値においても高値であった.一方, HOMAによるR値は, OIGT群で3.1±0.2 (mU・mmol/l2) と他の群に比し高値であり, R値はBMI, FPG, ΣPG, ΣIRI, ΣIRI/ΣPG, MaxPG, MaxIRI, MaxIRI/MaxPGと正の相関がみられたが, とくにFIRI, FIRI/FPGと高い正相関がみられた。インスリン抵抗性を表す指標として, クランプ法のGIR値をはじめ, いくつかの指標が使用されているが, 日常外来診療において使用することは極めて困難である.しかし, このHOMAの式によるインスリン抵抗性指数は幾つかの制限はあるが簡便で, 臨床的に有用なものと考えられる.
  • 河原 玲子, 吉野 正代, 田坂 仁正, 長瀬 紀子, 渡部 ちづる, 富樫 倫子, 岩本 安彦, 清水 悟
    1998 年 41 巻 6 号 p. 443-447
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肥満を有する糖代謝異常者における血漿レプチン濃度とインスリン抵抗性の関連を検討した.対象は年齢42.3±13.8歳 (Mean±SD), BMI33.0±5.4kg/m2の肥満者66名 (男23名, 女43名) で7590GTTを施行後WHO分類で糖尿病23名, IGT16名, 正常型27名の3群に分けた.コントロールには年齢をマッチさせた非肥満25名 (男5名, 女20名) を用いた.血漿レプンはLinco社製ヒトレプチンRIAキットで測定した.インスリン抵抗性 (IR) とβ細胞機能はHOMAモデルを用いて算出した. 肥満者の血漿レプチン濃度は非肥満対照より, 女性は男性より, それぞれ有意に高値であったが, 糖代謝には影響されなかった. 体脂肪率は血漿レプチン濃度と強く相関し, また空腹時血清インスリン値とIRは, 血中レプチン濃度を規定する独立した因子であった. 以上より肥満を有する糖代謝異常者における高レプチン血症は, インスリン抵抗性に関与することが示唆された.
  • 本多 さやか, 斎藤 孝子, 川上 昭雄, 中村 友厚, 六角 久美子, 林 廣子, 東山 みのり, 長坂 昌一郎, 坪井 靖, 藤沢 元郎 ...
    1998 年 41 巻 6 号 p. 449-454
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は55歳男性のNIDDM患者で, 7年前よりクロルプロパミド500mgを投与されていた.1996年8月血糖コントロール目的で入院.入院時血清ナトリウム131mEq/lと低下を認めた.尿中ナトリウム排泄88mEq/日, 尿浸透圧479mOsm/kgH20と高張であり, 水負荷試験で明らかな水利尿不全を認めた.クロルプロパミド中止後, 血清ナトリウムは速やかに正常化し, 水負荷試験でも尿排泄率 (35vs.65%) および最小尿浸透圧 (388vs.271mOsm/kgH20) ともに, 同薬中止前に比べて明らかに改善した.血漿ADH値の明らかな充進はみられず, クロルプロパミドが腎におけるADH作用を増強して, SIADH類似の病態を惹起したことが示唆された
  • 須賀 麻子, 平野 勉, 田島 博人, 辻 正富, 足立 満
    1998 年 41 巻 6 号 p. 455-459
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    63歳の女性で過去にごく短期間のインスリン治療歴はあるが現在は全くインスリン治療を行っていないインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) に, 高力価のインスリン抗体とグルタミン酸脱炭酸酵素 (GAD) 抗体が出現した症例を経験した.このインスリン抗体はScatchard解析によりインスリン自己免疫症候群とは異なる性質を有していた.高インスリン血症を認めるもsteady-state plasma glucose (SSPG) 法で測定したインスリン抵抗性は軽度で, インスリン受容体異常症は否定的であった.本例はGAD抗体が高値であり, 膵島破壊の過程でインスリン抗体が出現している可能性があり興味深い症例と思われた.
  • 諏佐 真治, 大門 真, 山谷 恵一, 富永 真琴, 佐々木 英夫, 加藤 丈夫
    1998 年 41 巻 6 号 p. 461-466
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    遺伝性セルロプラスミン欠損症 (HCD) は痴呆, 不随意運動等の神経症状を主症状とする常染色体劣性遺伝疾患であり, 糖尿病, 網膜色素変性症などを合併する. 我々は, HCDと診断された糖尿病の1剖検例を経験したので報告する。症例は58歳男性.45歳時に糖尿病と診断され, 以後経口血糖降下剤およびインスリン治療を受け良好な血糖コントロールを得ていた. 55歳時より健忘, 抑欝的になってきたため入院した. 入院時検査にて, 血清セルロプラスミンの低値, 特徴的な頭部MRI所見がみられ, HCDと診断された. 58歳時に突然死し剖検となった. 膵臓には, 外分泌腺中心に著しい鉄の沈着を認めたが, 膵島の大きさや数の変化はほとんど見られなかった. しかし, 膵島内のインスリン含有細胞の著明な減少が認められ, これがHCDにおける糖尿病発症の病態に関与していると考えられた.
  • 園木 一男, 西山 公恵, 佐藤 雄一, 鶴田 宏, 小野山 薫, 中村 晋, 吉成 元孝, 藤島 正敏
    1998 年 41 巻 6 号 p. 467-474
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は26歳の男性. 平成3年インスリン非依存性糖尿病と診断された. 平成4年腎機能はBUN12.2mg/dl, Cr0.7mg/dl, Ccr63.2ml/minであった.母親に糖尿病および難聴があり, 患者にも難聴を認め, 若年発症の糖尿病であったためミトコンドリア遺伝子異常を検索したところ, 3243変異が証明された. 平成6年ネフローゼ症候群 (BUN16.4mg/dl, Cr0.8mg/dl, Ccr39.6ml/min) を発症した際, 腎生検を施行. 光顕上メサンギウム領域の拡大など糖尿病性腎症に一致する所見の他に, 蛍光染色上IgMや補体の顆粒状沈着, 電顕上のelectron dense depositも認められ, 網膜症合併前に蛋白尿が出現するなど糖尿病以外に巣状糸球体硬化症 (FGS) の合併も示唆された既報1) の症例である. その後も本症例は外来受診が不定期で, 血糖コントロールは不良であった. 平成8年3月呼吸困難, 咳嗽, 浮腫にて6回目の入院となった. BUN49.1mg/dl, Cr5.3mg/dl, Ccr2.8~11.1ml/minと急激な腎機能の低下が認められた. 腎生検の再検では, 末期腎不全像を呈しており, 同年7月より血液透析となった. 本症例は糖尿病と診断されて5年で急激に腎機能が低下しており, その原因として, 血糖コントロール不良 (インスリンを使用してHbA1c 8.3~16.7%) や蛋白制限食の不徹底だけでなく, 腎組織におけるミトコンドリア遺伝子異常が腎機能悪化に関与したと考えられた.
  • 名和田 新
    1998 年 41 巻 6 号 p. 475-490
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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