糖尿病
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42 巻 , 12 号
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  • 佐藤 明子, 内潟 安子, 横山 宏樹, 勝盛 弘三, 三浦 順之助, 植田 太郎, 大森 安恵, 岩本 安彦
    1999 年 42 巻 12 号 p. 977-981
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    月経周期によって耐糖能が変化するという報告と不変であるという報告がある.青年期インスリン依存型糖尿病女性を対象に, 卵胞期および黄体期に人工膵臓を用いた正常血糖クランプ法にてglucose infusion rate (GIR) の定量, 月経前後のtumor neGrosis factor-α (TNF-α) の測定を行って, 月経前後のインスリン感受性の変化を検討した.対象は当センターに通院中で正常な月経周期を有しているインスリン依存型糖尿病女性8例である.検査時平均年齢24.6歳, 糖尿病平均罹病期間5.1年, 検査時平均HbA1cは7.7%であった.8例のうち4例は黄体期にインスリン注射量を増加させていた.基礎体温表により月経周期を確認し, 卵胞期 (月経開始2~7日後) および黄体期 (月経開始1~7日前) にGlRを測定した.黄体期は全例エストラジオール, プロゲステロンの有意な上昇を示した.8例の平均GIR値は黄体期が3.79±0.66mg/kg/min (以下mean±SD), 卵胞期が4.93±1.44mg/kg/minと, 統計学的には両周期間に有意な差はなかった (p=0.08).このうち3例のGlRは卵胞期に20%以上の改善を認め, 黄体期にインスリン注射量を増加させていた4例のうち2例が該当した.残り5例のGlRの変動は20%以下もしくは不変であった.月経前後で測定した血清TNF-αは全例5pg/ml以下で正常範囲内であった.月経周期に伴うインスリン感受性の変化には個体差があり, 必ずしもGlRの変化とはー致しなかった.
  • 幸原 伸夫, 梶 龍兒, 木村 淳, 後藤 由夫, 石井 淳, 瀧口 宗男, 中井 美幸
    1999 年 42 巻 12 号 p. 983-989
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性ポリニューロパチー(DPN)の病態評価や薬効判定において, 神経伝導検査は有力な客観的評価手段であるが, 前提として検査値の再現性が高いことが重要である.われわれは多施設の参加協力のもとに健常人132人 (32施設)およびDPN患者172人(65施設)の上下肢での神経伝導検査の各パラメーターの再現性を, RRIV (range of relative inter-trial variation) とICC (intraolass correlation coeffioient) の2種類の統計学的指標を用いて健常人とDPN患者について検討した.その結果, 健常人, DPN患者とも正中神経および脛骨神経のF波潜時の再現性が最もよく, いずれもICCが0.9以上でかつRRIVは-10%から+10%の範囲であった.振幅やMCV, SCVは変動がより大きかった.したがってDPNの経時的観察にはF波潜時が最も有用である.
  • 西牧 謙吾, 川村 智行, 新平 鎮博, 木村 佳代, 今井 龍也, 稲田 浩, 一色 玄
    1999 年 42 巻 12 号 p. 991-996
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    15歳未満発症日本人IDDM患者90例のHLAクラス1抗原, HLAクラスII遺伝子を検索した.主要な疾患感受性HLAクラスII遺伝子はDRB1*0405, DRB1*0901で, HLAクラスI抗原はA24であった.A24はDRB1*0405, DRB1*0901とは独立してIDDMと相関し, おのおのの疾患感受性に影響を及ぼしていた.HLAクラスI抗原は, IDDM発症過程, 特にβ細胞傷害過程に何らかの関係があり, その違いが発症様式などの臨床的多様性に関係する可能性が示唆された.
  • 汐見 幹夫, 川端 起久子, 川端 一史, 青木 矩彦
    1999 年 42 巻 12 号 p. 997-1003
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の上部消化管内視鏡検査前処置に, 血糖上昇作用を有するグルカゴンを用いることの内分泌・代謝面での安全性を検討した. 抗コリン剤前処置健常者および糖尿病患者, グルカゴン前処置健常者および糖尿病患者の4群で血糖値, IRI, GH, ACTHを経時的に比較検討した. 抗コリン剤 (臭化ブチルスコポラミン20mg) 前処置では無変動であった血糖値は, グルカゴン (1U. S. P. 単位) 前処置では健常者, 糖尿病患者いずれも前値に比しおのおの平均54.7, 95.9mg/dl上昇したが, 120分後にはおのおの-2.1, 39.0mg/dlの上昇に復した. IRIは血糖値に応じて変動し, GHはグルカゴン群120分後で有意の増力口をみた. AGTHには有意の変動は認めなかった. グルカゴン群健常者10例中1例で60分後に反応性低血糖 (41mg/dl) をみたが無症状で, 120分後には無処置で前値に回復した. 他に副作用は認めなかった. 血糖値は有意に上昇したが-過性で臨床的に問題となるものではなく, グルカゴン前処置は糖尿病患者においても安全に行い得ると判断した.
  • 小野 利夫, 志賀 伯弘, 種田 嘉信, 梅村 周香
    1999 年 42 巻 12 号 p. 1005-1011
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    月経周期によって耐糖能が変化するという報告と不変であるという報告がある.青年期インスリン依存型糖尿病女性を対象に, 卵胞期および黄体期に人工膵臓を用いた正常血糖クランプ法にてglucose infusion rate (GIR) の定量, 月経前後のtumor neGrosis factor-α(TNF-Homeostasis model assessment (HOMA) でインスリン抵抗性を予測することができる血糖値の範囲については未だ十分に検討されていない. われわれは空腹時血糖値と肥満の程度に注目してHOMAの適用範囲を検討した. 2型糖尿病42例に正常血糖クランプ試験を行い, 肥満群 (BMI≧25kg/m2) と非肥満群 (BMI<25kg/m2) に分けて, ブドウ糖注入率 (GIR) の逆数とHOMAで予測したインスリン抵抗性 (HOMA-IR) の相関を空腹時血糖の範囲を変えながら調べた. 肥満群では1/GIRとHOMA-IRは, 空腹時血糖80~170mg/dlの範囲でr=0.82 (p<0.001) と良く相関した. この相関には空腹時インスリンが関与していた. 一方非肥満群では, この範囲で1/GIRとHOMA-IRの間に相関は認められなかった. 肥満を有する2型糖尿病では空腹時血糖80~170mg/dlの範囲でHOMA-Rが末梢糖利用でみたインスリン抵抗性のよい指標になる.) の測定を行って, 月経前後のインスリン感受性の変化を検討した.対象は当センターに通院中で正常な月経周期を有しているインスリン依存型糖尿病女性8例である.検査時平均年齢24.6歳, 糖尿病平均罹病期間5.1年, 検査時平均HbA1cは7.7%であった.8例のうち4例は黄体期にインスリン注射量を増加させていた.基礎体温表により月経周期を確認し, 卵胞期 (月経開始2~7日後) および黄体期 (月経開始1~7日前) にGIRを測定した.黄体期は全例エストラジオール, プロゲステロンの有意な上昇を示した.8例の平均GIR値は黄体期が3.79±0.66mg/kg/min (以下mean±SD), 卵胞期が4.93±1.44mg/kg/minと, 統計学的には両周期間に有意な差はなかった (p=0.08).このうち3例のGIRは卵胞期に20%以上の改善を認め, 黄体期にインスリン注射量を増加させていた4例のうち2例が該当した.残り5例のGIRの変動は20%以下もしくは不変であった.月経前後で測定した血清TNF-αは全例5pg/ml以下で正常範囲内であった.月経周期に伴うインスリン感受性の変化には個体差があり, 必ずしもGIRの変化とはー致しなかった.
  • 割田 悦子, 清水 弘行, 生方 正, 森 昌朋
    1999 年 42 巻 12 号 p. 1013-1015
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    52歳, 女性. 1990年にインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) と診断され, 1997年6月より近医にてインスリン療法を開始された. ペンフィル (R) N朝20単位, 夕10単位で血糖コントロールは良好となったが, 9月頃より注射部位の掻痒感, 発赤が出現し抗ヒスタミン剤外用では改善せず, 10月頃には注射部位の径約5cmの腫張, 嘔気も出現するようになった. 10月21日注射直後に嘔気, 嘔吐, 全身掻痒感, 散在性発疹が出現, インスリンによるアナフィラキシーショックが疑われ, 当科紹介となった. RASTヒトインスリン特異IgE抗体価は高値を示し, インスリンの皮膚反応等よりヒトインスリンアレルギーと判定した. 急速減感作療法, また抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬併用も試みたが無効であり, ステロイド混注にても症状の改善を認めず, 経口血糖降下薬にて経過観察中である.
  • 土屋 博久, 山口 宏, 五十嵐 雅彦, 平田 昭彦, 大門 真, 間中 英夫, 富永 真琴, 加藤 丈夫
    1999 年 42 巻 12 号 p. 1017-1020
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は73歳, 男性. 58歳より, 口渇, 多尿, 体重に減少があり糖尿病と診断され, 当科を紹介された. また, 59歳時に高血圧症, 61歳時には高脂血症を指摘された. 69歳よりSU剤の投与が開始されたが血糖コントロールが不良のため, 71歳よりインスリン療法に変更し血糖コントロールは良好となった. しかし, 薬剤投与にも拘わらず中性脂肪187mg/dl, 総コレステロール266mg/dl, HDL-C32mg/dlで, LDL-Cは197mg/dl, apoB179mg/dlと高値を示した. 腎機能も, 血清尿素窒素29mg/dl, 血清クレアチニン1.7mg/dlと軽度の障害が認められていた. 今回, この患者の血中AGE値を測定したところ, pentosideine 1.010μg/ml, carboxymethyllysine 80mU/mlと著しい高値を示した. 本症例は, 現在までに透析治療などは受けておらず, AGEに伴う糖尿病性合併症の発症機序や進展を考える上で貴重な症例と考えられたので報告した.
  • 渡辺 裕哉, 清野 弘明, 熱海 眞希子, 山崎 俊朗, 菊池 宏明, 阿部 隆三, 田村 みどり
    1999 年 42 巻 12 号 p. 1021-1026
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は37歳の女性. 1997年10月10日, 口渇出現. 10月14日, 妊娠27週の妊婦健診にて尿糖を初めて指摘され, 翌10月15日近医受診し血糖727mg/dlを指摘され, 当院紹介となった. 当院受診時, 血糖769mg/dl, 尿ケトン体 (3+), 動脈血pH7.271, BE-13.9mEq/l, HCO39.6mmol/lにて糖尿病性ケトアシドーシス (DKA) と診断した. 生理食塩水の大量投与と速効型インスリンの持続投与にて, 10月15日中にはケトアシドーシスが消失した. 入院中の尿中Cペプチドは2回測定し10.3μ9/day, 14.4μg/dayと低値であり, 分娩後3日目に行ったグルカゴン負荷試験にても血清Cペプチドは前値0.4ng/ml, 6分値0.6ng/mlと低値であり, インスリン依存型糖尿病が疑われた. なお, 1998年1月18日, 妊娠40週にて女児を正常分娩した. 本例は, 妊娠中にDKAを発症し, 胎児仮死徴候を認めたが, 正常分娩に至り, 出生児にも異常を認めなかった貴重な症例と思われる.
  • 山口 雅子, 土井 康文, 園木 一男, 中村 晋, 西山 公恵, 佐渡島 省三, 大久保 久美子, 岩瀬 正典, 吉成 元孝, 藤島 正敏
    1999 年 42 巻 12 号 p. 1027-1032
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は42歳女性. 24歳第1子妊娠中に糖尿病と診断, インスリン治療を開始され, 分娩後も継続していた. 母親も糖尿病であった. 今回, 頻回の嘔吐, 体重減少, 微熱のため, 当院に入院し, 精神不穏を伴う傾眠傾向, 頻脈, 低身長, 感音性難聴を認めた. free T3, free T4は著明高値, TSH低値, TSH binding inhibitory immunoglobulin陽性よりGraves病による甲状腺クリーゼと診断し, デキサメサゾンとプロプラノロールを投与した. その後は, チアマゾールにて, 甲状腺機能は正常化した. 入院時血糖437mg/dl, 血中Cペプチドは測定感度以下, 抗glutamic acid decarboxylase抗体やislet cell antibodiesは陰性であった. ミトコンドリア遺伝子検索で A3243G点変異を認め, ミトコンドリア糖尿病と診断した. ミトコンドリア糖尿病に甲状腺クリーゼを合併した症例は極めて稀であり, 若干の文献的考察を加えて報告した.
  • 厚田 幸一郎, 町田 充, 島田 慈彦, 金森 晃, 的場 清和, 矢島 義忠
    1999 年 42 巻 12 号 p. 1033-1037
    発行日: 1999/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    外来通院中の2型糖尿病患者に対して, 薬剤師による薬物療法についての個人教育を実施し, その有用性について検討した. HbA1Cが7%以上の経口血糖降下薬服用群 (OHA) 20例とインス1リン投与群 (INS) 20例に対して薬物療法について理解度調査を行い比較検討した. 次に, OHA群115例を対象に同様の理解度調査を行った後に, 各項目毎に個人教育を行った. 教育前後の血糖コントロール状態を比較し, 教育の有用性について検討した. 薬物療法の理解度はINS群に比しOHA群は有意に低かった. 空腹時血糖 (FPC), HbA1cはともに教育前に比して教育後2ヵ月目および4ヵ月目において有意に改善した. 経口血糖降下薬服用中の2型糖尿病に対して, 薬物療法について個人教育を行うことにより, 薬物療法の理解度を深め, 糖尿病治療に対する認識を向上させ, 糖尿病コントロール状態の改善をはかることができた.
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