糖尿病
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42 巻 , 5 号
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  • 運動神経伝導速度との比較検討
    早川 哲雄
    1999 年 42 巻 5 号 p. 335-340
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    微小神経電図法の最大伝導速度 (maximal nerve Gonduotlon veiocity: NCV) と振幅 (ampIitude: Amp) を用いて, 糖尿病性神経障害評価における臨床的有用性を運動神経伝導速度 (motor nerve conduotion velocity: MCV) と比較検討した. NCV, Ampの同時再現性は非常に高く, 日差再現性はNCV>MOV>Ampの順であった. NCVとAmpの相関は, NCVとMCVより弱く, NCVとAmpは別の角度から糖尿病性末梢神経障害を評価している可能性が考えられた. しびれ, 網膜症, 腎症の有無で, NCV, Amp, MCVは, 腎症のNCVを除き有意差を認めた. 罹病期間, HbA1cの検討で, AmpはNOV, MOVより鋭敏でなかった. しびれの有無で分けて検討すると, NCVはMCVより鋭敏であり, Ampと組み合わせることによりさらに高率に異常を検出できた. 以上より微小神経電図法は, しびれを認めながらMCVで異常を認めない糖尿病患者での神経障害の機能評価に特に有用と思われた.
  • 第1報
    大沢 功, 石田 妙美, 森 圭子, 佐藤 栄子, 加藤 公彦, 佐藤 寿一, 押田 芳治, 臼井 邦子, 山之内 国男, 佐藤 祐造
    1999 年 42 巻 5 号 p. 341-346
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    健康状態に対する主観的な価値観を示す指標である効用 (utility) の測定を行い, 糖尿病状態のQOL (quality of life) の評価を実施した. 対象は糖尿病患者12名 (糖尿病群), 非糖尿病者11名 (対照群) で, (1) 非薬物療法中の糖尿病, (2) 経口血糖降下剤服用中, (3) インスリン治療中, (4) 糖尿病網膜症合併時の4段階の糖尿病状態の効用を, 評点尺度法と時間得失法によって測定した. その結果評点尺度法では, 対照群の効用値は糖尿病状態の進行に伴い低下したが, 糖尿病群では低下しなかった. 時間得失法でも対照群の効用値は低下傾向を示したが, 糖尿病群では低下せず逆に1.0となる者が多かった. また時間得失法では, すべての糖尿病状態で糖尿病群の効用値は対照群より高値であった. 以上の結果は, 糖尿病患者と非糖尿病者では同じ糖尿病状態に対して主観的な価値評価が違う可能性を示唆している.
  • 木村 文昭, 福井 道明, 沢出 学, 藤井 光広, 河合 すみれ, 青地 脩, 北野 司久, 尾林 博, 繁田 浩史, 中村 直登, 近藤 ...
    1999 年 42 巻 5 号 p. 347-351
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は78歳, 女性. 1992年9月上旬頃 (78歳) より口渇, 多飲, 多尿が出現し, また, 3ヵ月間で15kgの体重減少を認めた. 10月3日近医受診し随時血糖794mg/dlにて糖尿病と診断され入院. 入院時現症, 臨床検査所見および発症様式より急性発症のインスリン依存型糖尿病 (IDDM) と診断, 入院後より強化インスリン療法施行し現在 (83歳) HbA1c7%台である. 本患者は抗GAD抗体がRIA法にて陽性であった. 若年発症IDDMではGAD65のconformational epitope (s) を認識する抗体が多いとされているが, 本症例ではWesternblot法でも陽性であった. また, 若年発症IDDMに特徴的な疾患感受性遺伝子を認め一ず, これらの免疫学的, 遺伝学的素因の違いが高齢にてIDDMを発症した要因である可能性が示唆された. 75歳以上の後期高齢にて急性発症したIDDMの報告は稀であるが高齢糖尿病患者が増加するなか, 今後このような症例の診断, 治療は重要であると思われた.
  • 加藤 秀一, 森 豊, 横山 淳一, 畑 章一, 村川 祐一, 田嶼 尚子
    1999 年 42 巻 5 号 p. 353-356
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は52歳男性. 1970年, 29歳時に近医で糖尿病と診断され経口血糖降下剤による治療を開始された. 1974年にはインスリン治療に変更され, 旧87年より当科にて治療継続した. すでに膵β細胞機能は著しく低下し, 血糖値の変動が大きかった. 1993年3月末, 感冒様症状のためインスリン注射を自己判断にて中止していた. 4月1日意識不明となっているところを発見され当院に搬送され, 治療を受けるも死亡した. 剖検膵の病理組織学的検索では小葉の顕著な萎縮と小葉間および腺房細胞間の著明な線維化を認めた. 導管周囲には好中球を主体とし, 一部リンパ球を含む炎症性細胞浸潤と, 腺房細胞の破壊が観察された. ラ氏島はその数が極めて少なく, 残存しているラ氏島も顕著な萎縮を認め, その構成細胞については, インスリン含有細胞がほぼ消失していた. 緩徐に膵β細胞機能が疲弊する糖尿病患者の剖検所見の報告は極めて少なく, 本剖検例は貴重と思われた.
  • 本邦報告例のまとめ
    百々 修司, 神谷 明江, 山本 英明, 綿引 元
    1999 年 42 巻 5 号 p. 357-361
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    AIström症候群の1例を5年間経過観察した. 症例は53歳・男性, 感音性聾・網膜色素変性症・インスリン非依存型糖尿病 (NIDDM)・hypergonadotrophic hypogonadismを伴い, 知的障害・hyperinsulmemia・多指症は見られなかった. ミトコンドリア遺伝子3243変異は見られず, 肥満の既往もなかった. 本例を含めて兄弟8人中5人に糖尿病があった. 患者の兄は基礎値のLH・FSHは高値だがtestosteroneは正常値であった. 5年の経過中, インスリンの分泌は保たれていた. 本邦文献例 (本症例を含めて23例) を検討したところ, 網膜色素変性症・聴力障害・肥満・糖尿病はほぼ全例で見られた. hyperinsulinemiaが見られたのは30歳以下で, 年齢的に発現時期が規定される可能性が推定された.
  • 松本 一成, 矢野 まゆみ, 植木 幸孝, 三宅 清兵衛, 富永 雄幸
    1999 年 42 巻 5 号 p. 363-366
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    インスリン非依存型 [尿病 (NIDDM) 患者27例のうち, 15例を [質吸収阻害剤であるボグリボースとスルフォニル尿素剤 (SU剤) の併用療法, 12例をSU剤単独療法にふりわけて4週間治療した. そして, 治療の前後で血糖値, インスリン分泌 (血中C-peptide), インスリン感受性, および血中脂質を測定した. 両群ともに治療後に有意な血糖値の改善を認めた. 血中C-peptideはSU剤単独群では治療後に有意に増加したのに対し, 併用療法群では治療前後で有意な変化を示さなかった. インスリン感受性は両群ともに同程度有意な改善を示した. また, 脂質代謝は併用療法において有意な改善が認められた. ボグリボースとSU剤の併用は, 膵β細胞の負担を軽減し, 高インスリン血症を回避できる可能性が示唆された.
  • 野木岐 実子, 池田 律子, 清水 陽子, 宮澤 幸久, 山内 俊一, 山岡 桂子
    1999 年 42 巻 5 号 p. 367-372
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    血糖自己測定は, 糖尿病の治療, 管理ならびに患者教育に重要であり, 現在多くの簡易血糖自己測定器が開発されている. われわれは, 酵素比色法3機種, 固定化酵素電極法6機種の基礎的検討を行い, 併せて操作性についても評価を行った. 基礎的検討の結果, 同時再現性, 直線性, 自動分析装置との相関は良好な成績が得られた. しかし, ヘマトクリット値の異常や共存物質の影響を受けた機種があり, 測定値の評価に配慮が必要な検体があると思われた. また, グルコースオキシダーゼを用いる酵素電極法では血中溶存酸素の影響がみられたため, 手術中等, 酸素分圧が上昇した検体には注意が必要と考えられた. 検体量は各機種で定められた量を遵守することが重要である. 操作性に関する調査では, 使いやすいとされた機種は画面表示の文字が大きく, 操作手順をアイコンで表示するものであった. 一方, 試験紙・電極チップの取り扱い易さ等が問題として挙げられた.
  • 1999 年 42 巻 5 号 p. 373-383
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 葛谷 健, 中川 昌一, 佐藤 譲, 金澤 康徳, 岩本 安彦, 小林 正, 南條 輝志男, 佐々木 陽, 清野 裕, 伊藤 千賀子, 島 ...
    1999 年 42 巻 5 号 p. 385-404
    発行日: 1999/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病は, インスリン作用の不足による慢性高血糖を主徴とし, 種々の特徴的な代謝異常を伴う疾患群である. その発症には遺伝因子と環境因子がともに関与する. 代謝異常の長期間にわたる持続は特有の合併症を来たしやすく, 動脈硬化症をも促進する. 代謝異常の程度によって, 無症状からケトアシドーシスや昏睡に至る幅広い病態を示
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