症例は37歳の男性. 19歳時, 交通事故による膵臓破裂にて膵2/3切除. 27歳時高血糖を指摘されたが放置. 平成9年3月, 上腹部痛で近医受診し血糖値360mg/d
l, HbA1c 10.8%, HOV抗体陽性, GPT781U/
lを指摘され入院. 一時的なインスリン療法後に良好な血糖コントロールが得られ, 4月24日からα型インターフエロン (IFN) 投与開始. 投与開始後4ヵ月目に精神症状等が出現したため投与中止. IFN投与前は, 甲状腺機能は正常であり抗GAD (glutamio acld deoarboxylase) 抗体は陰性であったのが, 投与後はTSH 0.03U/m
l未満, F-T36.75pg/m
l, TSHレセプター抗体24.6%, 抗GA口抗体22.9U/m
lを示した. HLA検索では, 甲状腺関連としてA2, B46が, IDDM関連としてA24, DR9が認められた. インスリン依存型糖尿病とバセドウ病合併例の病因を考える上で興味ある症例と考えられた.
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