糖尿病
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43 巻 , 5 号
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  • 高山 美智代, 新村 健, 長谷川 浩, 谷 正人, 若林 俊子, 篠田 啓, 石田 晋, 山田 昌和
    2000 年 43 巻 5 号 p. 347-354
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病 (DM) における血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) と肝細胞増殖因子 (HGF) の臨床的意義を明らかにする目的で, 1) 2型DM患者74例と健常者44例の血清VEGF, HGFをELISA法で測定し, 血糖指標, 脂質, 肝機能, 血圧, 喫煙, および糖尿病性血管合併症との関係, 2) 眼手術施行の2型DM患者33例と非DM患者12例における血清と前房水のVEGF, HGFと糖尿病性網膜症 (DR) との関係, について検討した.
    結果は, 次のようであった, 1) 血清VEGFはDMの有無で差はないが, 血管合併症のあるDM群で高値だった. 血清HGFはDM群, 喫煙で高値を示し, HDL-コレステロール, 血糖と逆相関した. 2) 血清VEGF, HGFはDRの病期と関連はなかったが, 前房水VEGF, HGFは前増殖性網膜症期で著明高値, 高値の傾向であった. 血清中のVEGFとHGFの相関はなかったが, 前房水中では両因子に正相関を認めた, 両因子は, 局所においてDRに関与する可能性が示唆されたが, 全身におけるDM性血管合併症との関与は証明し得なかった.
  • 森本 真由美, 土居 通寿, 堤 誠二郎, 横田 一郎, 島 健二
    2000 年 43 巻 5 号 p. 355-360
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    検出感度が0.01ng/mlと市販キットに比し10倍高感度なC-ペプチド (以下CPRと略す) 測定法を開発した. インスリン依存型糖尿病患者血清52例中27例が検出感度以下と測定され, インスリン依存型糖尿病患者はインスリン分泌不全であるという臨床的特徴と良く符合した. C-ペプチドリアシオノギII (以下対照法と略す) との比較では, CPRプリ-血清と膵全摘出患者血清2検体は本法で何れも検出感度以下であったが, 対照法では0.17~0.23ng/mlに測定された. 本法はCPRフリー血清と膵全摘出患者血清を用いた検体希釈試験で原点を通る直線であったが, 対照法では原点を通らなかったことから, 低濃度域での本法測定値の信頼性が高い事が確かめられた. ブドウ糖負荷試験時のCPR値の増減は対照法, 本法共に血糖値の増減と相関したが, 本法は対照法に比し低値であった. 1型小児糖尿病患者の経過観察では, CPR増減動態は対照法と相関したが, 本法測定値は対照法に比し低値であった.
  • 田中 清宜, 高田 泰治, 松中 豪
    2000 年 43 巻 5 号 p. 363-366
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は47歳男性.糖尿病の家族歴なし. 18歳頃より毎日1~25lの清涼飲料水を飲用. 20歳の体重は55kgで27歳頃より徐々に肥満. 45歳より高血圧にて近医に通院し, 随時血糖値102-137mg/dl, HbA1c4.8-5.6% であった. 1998年8月19日, 食後2時間の血糖値212mg/dl, HbA1c5.6%, 体重87kgであったが, 同年10月1日頃より急速に口渇と全身倦怠感が出現. 近医にて食後3時間の血糖値792mg/dl, HbA1c8.5% が判明したため, 10月5日, 当院に紹介され糖尿病性ケトアシドーシスとして入院した. 身長168cm, 体重82kg. HLAはA24, DRB1*0405, *0901, DQB1*0303, *0401であった. 輸液と強化インスリン療法で軽快し最終的に食事療法のみで良好な血糖コントロールが得られた. 本症例はいわゆる清涼飲料水ケトーシスであったが, その発症に1型糖尿病に感受性のHLAが関与する可能性の示唆された貴重な症例と考えられた.
  • 武部 典子, 藤丸 潔, 松原 潔, 種市 春仁, 歳弘 真貴子, 吉成 仁, 石田 弥, 金子 能人, 澤田 哲伸, 佐々木 正孝, 佐藤 ...
    2000 年 43 巻 5 号 p. 367-371
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は69歳女性. 40歳頃から尿糖を指摘されていたが放置. 65歳時, 口渇, 全身倦怠感が出現し当科初診した際, 高血糖を指摘され75gOGTTにて糖尿病の診断となり経口血糖降下剤が開始されー時血糖良好となるが, 67歳頃から徐々にコントロール不良となり1995年 (平成7年) 2月よりインスリン療法が導入され経過観察されていた. 同年11月, 全身倦怠感, 頭痛を訴え外来受診した際, 大球性高色素性貧血の出現を指摘された. 骨髄穿刺にて巨赤芽球が認められ, 血中Vit. B12は著減し血清鉄, 血清葉酸値は正常であった. 抗内因子抗体, 抗胃壁細胞抗体が陽性で貧血はVit. B12製剤の筋肉内投与にて速やかに改善した. 血清CPRは0.2ng/mlと低値を示しグルカゴン負荷試験でも低反応であった. ICAは陰性で抗グルタミン酸脱炭酸酵素抗体は273.0U/mlと高値を示した. また抗サイログロブリン抗体, 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体が陽性であった. HLAではB54 (22) とDR4を有していた. 以上より本症例は悪性貧血および慢性甲状腺炎を合併し, 発症進展に自己免疫が関与した 糖尿病で, 経過からSPIDDMと考えられた. 本邦では悪性貧血を合併する糖尿病例は稀であり興味ある症例と考え報告した.
  • 岡田 雅美, 神谷 吉宣, 神野 靖也, 早野 順一郎, 石原 慎二, 岡田 暁宜, 竹内 聡, 川口 正展
    2000 年 43 巻 5 号 p. 373-377
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は神経性食欲不振症の16歳女性で経管栄養後に低血糖発作を認め精査となる. 空腹時の血糖, IRIは正常. エレンタール®注入 (750kcal/5h) 開始3時間後のIRIは1400μU/mlと著増し, 終了1時間後に低血糖 (31mg/dl) となった. 低曲糖時のGH, コルチゾール, グルカゴンなどインスリン拮抗ホルモンの分泌障害とプロインスリン/IRI比の上昇を認めた. 成分栄養から半消化態栄養経管投与への変更により本症例の低血糖は消失した, 本症例においては, エレンタール®の十二指腸への急速投与により, アルギニンなどが過剰にインスリン分泌を刺激し, かつ視床下部・下垂体系の機能障害なども有するため, 糖供給の中断により重篤な低血糖を起こしたと推測された. 神経性食欲不振症患者に対する成分栄養の経管投与に際しては, 低血糖の発症に十分な注意が必要であると考えられた.
  • 布目 英男, 武田 將伸, 佐藤 明子, 中神 朋子, 岩崎 直子, 宇治原 典子, 新城 孝道, 高橋 千恵子, 岩本 安彦
    2000 年 43 巻 5 号 p. 379-384
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    化膿性筋炎は骨格筋内に膿瘍を形成する筋炎で, 日本での報告は少ない. 今回, 下肢化膿性筋炎を合併した2型糖尿病の2症例を経験した.
    症例1は31歳発見の2型糖尿病男性 (45歳). 右膝関節腫脹に対する計3回の穿刺後, 下肢全体の疼痛・腫脹と発熱を生じ入院した, CTスキャンで大腿にガスを伴う低吸収域を認め, 穿刺・排膿より化膿性筋炎・膝関節炎と診断した. 抗生剤を投与, 入院17日後に切開排膿とドレーンを挿入し, 改善した.
    症例2は19歳発見の2型糖尿病男性 (31歳). 低温熱傷後に左膝外側に潰瘍を生じ, 左大腿・膝部に腫脹と熱感があり入院した, 下肢X線でガスがあり, 潰瘍より膿流出が続いた, 超音波検査で筋肉内膿瘍が疑われ, 入院47日後に切開排膿を施行し改善した.
    糖尿病に筋肉の腫脹・疼痛・熱感等を認めた場合, 本疾患を念頭に置き迅速な診断が必要である. 診断にはCTスキャンと超音波検査が有用であった.
  • 手納 信一, 馬場園 哲也, 勝盛 弘三, 岩崎 直子, 川島 員, 岩本 安彦
    2000 年 43 巻 5 号 p. 387-391
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    色素性痒疹は著しい瘋痒を伴う紅色丘疹が発作性に多発し, 後に粗大網目状の色素沈着を残す皮膚疾患である. その発症にケトーシスの関与も示唆され, 糖尿病領域でも注目されている. われわれは, 過去6年間に糖尿病に合併した色素性痒疹を3例経験したので, 文献的考察を含め報告する. 症例は20歳, 15歳および41歳の男性, いずれも糖尿病の発症時にケトーシスと癌痒を伴う紅色丘疹が出現し, インスリン治療開始後, 網状の色素沈着を残し軽快した. 糖尿病と色素痒疹の合併例の報告は本邦で11例と少なく, 偶然合併した可能性も否定できない. しかし, 両疾患においてHLAの交差が存在するので自己免疫機能が発症に関与している可能性も考えられる, 色素性痒疹の発症機序や, ケトーシスとの関連の解明のため, 今後さらなる症例の蓄積が必要である.
  • 二田 哲博, 野見 山理久, 浅野 喬
    2000 年 43 巻 5 号 p. 393-396
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は27歳男性. 16歳時, コーラの多飲を契機にケトアシドーシスで糖尿病発症. 初回入院時体重100.5kg, 身長176cm, 空腹時血糖516mg/dl, 血中総ケトン体13, 164μmol/l, 食事療法と15日間のインスリン使用により, 退院時体重84kgとなり, 75gOGTTにてインスリン分泌を含め血糖値は正常化した, 22歳より体重増力口を伴うインスリン抵抗性の増悪を認めたが, インスリン分泌の低下はなかった. 27歳時体重122kgで空腹時血糖347mg/dl, 尿中ケトン体 (3+) にて再入院, 食事療法による体重減量と13日間のインスリン使用後, 再びインスリン分泌を含め血糖値の正常化を認めた. 本症例はインスリン分泌が比較的保たれていたにもかかわらず, 高度肥満によるインスリン抵抗性と大量の清涼飲料水による過大な負荷により糖尿病性ケトアシドーシスが発症したと思われ, それらの負荷の軽減によりインスリン分泌が改善したものと考えられる.
  • 児玉 桂一, 島田 朗, 春日 明, 中下 学, 鈴木 竜司, 武井 泉, 猿田 享男
    2000 年 43 巻 5 号 p. 397-402
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は78歳, 男性, 1988年, 空腹時血糖119mg/dl, HbA1c7.9%にて糖尿病と診断され, 食事療法が開始された, また, 同時期に血小板数が4.6万/μlと低値であることが判明し, 特発性血小板減少性紫斑病 (LTP) と診断され, 1993年よりプレドニゾロン (PSL) 5mg/日が投与された・その後, 血糖コントロールは徐々に悪化し, 1994年からスルフォニルウレア剤が開始され, 1997年にはインスリン療法16単位/日が導入された (この時点での尿中CPRは227μg/日であった). この際, 抗GAD抗体, 抗IA-2抗体の両者が陽性であることが判明し, 1型糖尿病の可能性が考えられた, 以上より, 本症例はITPと1型糖尿病という二つの自己免疫疾患を合併した1例であり, 両疾患の成因を考える上で興味深い症例と思われた.
  • 2000 年 43 巻 5 号 p. 405-419
    発行日: 2000/05/30
    公開日: 2011/03/02
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