糖尿病
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44 巻 , 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 日高 秀樹, 古澤 俊一, 辻中 克昌, 山崎 義光, 堀 正二
    2001 年 44 巻 12 号 p. 919-925
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病合併症の医療機関における評価の実態を職域の糖尿病患者へのアンケート調査と診療報酬明細書より調査した. 1997年度の定期健康診断にて, 「糖尿病」の判定が “治療中” または “要治療” であった498名を対象にアンケート調査を行った (回収率8896). また, 診療報酬明細書より糖尿病に関係する検査を確認した. 定期的通院患者は回答者の8196 (347名) であり, このうち散瞳眼底検査を受けたと回答したのは136名に過ぎなかった, 診療明細書では, 347名中1998年1年間に眼底検査は117名, 尿中微量アルブミン測定は74名に確認された. インスリン治療患者では約6096に眼底検査が行われ, この群では通院医療機関の眼科外来の有無による差は少なかった. 尿中アルブミンはインスリン治療患者でも約3096に検査されたのみであった. 学会認定 (専門) 医の存在で専門性を判定すると, 専門性の高い医療機関に通院している患者で合併症の評価がより多くなされていた. わが国の合併症の評価は現時点で十分とは考えられず, ガイドラインの周知と実行が今後の課題と考えられる.
  • 門脇 孝, 岩本 安彦, 関原 久彦, 武田 信彬, 片山 茂裕, 戸辺 一之, 岡田 光正, 木村 哲, 三浦 順之助, 内潟 安子, 向 ...
    2001 年 44 巻 12 号 p. 927-933
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    BNP検査の無症候性心筋虚血や潜在性心機能障害の診断における有用性を検討した. 573例の外来糖尿病患者の血漿BNP濃度 (以下BNPと略す) と血漿ANP濃度 (以下ANPと略す) を測定した. BNPは高血圧症, 心疾患・心機能障害, 糖尿病性神経障害, 糖尿病性腎症, 糖尿病性網膜症の合併により高値を示した, BNPはNYHAの心機能分類, 血圧, 心胸郭比, SV1+SV5, 6, 心室中隔厚, 心室後壁厚, 左室重量および左室重量係数と相関を示した.心疾患・心機能障害なしの群で, ANPは血糖と相関したが, BNPでは血糖との相関はみられなかった, BNPは受動者作動 (ROC) 分析で心疾患あるいは心機能障害を検出する感度は627%, 特異度は75.0%であった. ロジスティック回帰分析ではBNPは心疾患・心機能障害の有無の予測に関し最も優れた指標であることが示唆された, 以上BNP検査は糖尿病患者の心臓の異常を診断するうえで, 臨床的に有用なマーカーであることが明らかとなった.
  • 前畑 英介, 足立 哲夫, 井上 穣, 矢野 正生, 下村 弘治, 柴 輝男, 山門 実, 井上 健, 鈴木 晟時, 川口 健, 岡部 栄逸 ...
    2001 年 44 巻 12 号 p. 935-941
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病患者367名を対象に血清総SOD活性, extracellular (EC)-SOD量を測定した. 両者の相関はr=0.338と有意 (p<0.01) な関係であった, 高SOD血症 (総SOD>4.0U/ml) はEC-SOD量に依存する傾向があり, High EC-SOD (>500ng/ml) 群が26名 (7.196), Low ECSOD群 (<200ng/ml) 群が341名 (92.9%) であった.
    High EC-SOD群には腎症や微量アルブミン尿に増悪傾向はなかった. しかし, Low EC-SOD群ではEC-SODとalbumin excretion index (AEl) との相関はr=0.170 (p<0.01) となった. この時, Normo群 (N=214) は81.1±21.9, Micro群 (N=100) は83.2±19.8, Macro群 (N=27) は102.9±353ng/mlとなり, 健常群 (N=53) の73.1±167ng/mlに比して有意 (p<0.01) に高値であり, 腎症進展に伴いEC-SODは上昇していった.
    以上, 本研究において, 血清総SOD活性はEC-SOD量に大きく依存することが判明し, しかも腎症の発症や増悪に活性酸素が関連していることが示唆され, EC-SODは腎症マーカーとして有用であった.
  • 中村 邦彦, 藤原 義朗, 三戸 森児, 白髭 明典, 西原 龍司, 五明 幸彦
    2001 年 44 巻 12 号 p. 943-947
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    2カ月違いで糖尿病を発症した発症時52歳と50歳の姉妹を経験した. 共に1型糖尿病であったが, 姉はいわゆる緩徐進行型と考えられる症例であり, 妹は発症時よりインスリン分泌が低下していた症例であった. HLAの検索にて両者は同-のHLA, すなわち細胞障害試験によるHLAの検索ではA24, A26, B61, B62, Cw3, DR9, DQ3を共に有し, PCR-RFLP法によるHLA対応遺伝子の検索でもDRB1*0901/*0901, DQB1*0303/*0303, DPB1*0201/*0201を共有していた, この内DRB1*0901とDQB1*0303は以前より1型糖尿病感受性遺伝子と考えられていたが, 最近になり本姉妹例が有していたDPB1*0201も疾患感受性遺伝子である可能性が示唆されている. 本姉妹例はこれらの疾患感受性HLA八ロタイプのhomozygoteであり, 姉妹は同-のHLAを共有していた. 姉妹の発症様式の違いにはHLA以外の遺伝因子, 環境因子が関与しているものと考えられため文献的考察を行った.
  • 梶川 麻里子, 大屋 道洋, 津浦 佳之, 武田 智美, 周 赫英, 山田 祐一郎, 清野 裕
    2001 年 44 巻 12 号 p. 949-953
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1型糖尿病に視神経萎縮, 尿路奇形, 感音性難聴を合併し, 高齢発症のWolfram症候群と診断した症例を経験した. 症例は54歳男性. 糖尿病の家族歴なし. 1999年9月視力低下を認め, 特発性視神経萎縮の診断を受けた. 2000年5月排尿困難を自覚し来院. 尿糖・尿ケトン陽性, 血糖値696mg/dl, pH7.25であったため緊急入院となる. HbA1c7.2%, glucagon負荷6分後の血中CPR0.3ng/ml. GAD抗体陰性, ICA陰性, HLAのDR抗原はDR4, DR9を認めた. 腹部CTにて右腎は多嚢胞性に腫大していた. 経過中尿路感染症を合併したため, 右腎摘出術を施行され先天性右腎盂尿管移行部狭窄症と診断された. 血糖管理後, glucagon負荷6分後血中CPR2.6ng/mlと-過性にインスリン分泌能の改善を認めたが, その後漸減しインスリン依存状態へ移行した, 糖尿病に視神経萎縮, 尿路異常を合併し, 高音域の聴力低下を認めたため, Wolfram症候群を考えWFS1遺伝子を検査したが変異は認めなかった.
  • 木村 琢磨, 小山 一憲, 青木 誠
    2001 年 44 巻 12 号 p. 955-958
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は29歳男性, 糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡, ショックのため他院より転院, 血糖1, 600mg/dl, pH7.05, 尿ケトン3+, HbA1c 12.896であった. インスリンおよび10Lの輸液にて救命. 第4病日より前額部の発汗過多および両側大腿部 (外側大腿皮神経領域) の知覚鈍麻, 異常感覚が出現1カ月後, 食事療法のみで血糖コントロール良好となり, 発汗過多および右大腿部の知覚異常は徐々に改善したが, 左大腿部の知覚異常は持続し, 電撃痛も自覚するようになり, 発症後1年以上を経過しても症状は持続している.
    Meralgia parestheticaとも呼ばれる外側大腿皮神経障害と発汗異常などの神経障害を合併した糖尿病性ケトアシドーシスの報告例は本邦においてはなく, 貴重な症例と思われ報告した.
  • 福島 有香, 渋田 直美, 中原 以智, 黒澤 寿子, 清川 宮子, 今村 冨美子, 三浦 順之助, 内潟 安子, 岩本 安彦
    2001 年 44 巻 12 号 p. 959-963
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    インスリン治療中の糖尿病患者210名を対象にアンケート調査を行い, SMBGの有効活用法および病型による活用法の相違を検討した. SMBG測定回数および経験年数は, 過去6カ月間の平均HbA1c値と相関しなかった. SMBGを有効活用していると答えた人はしていないと答えた人に比べHbA1c値が有意に低値であり (p<0.05), 特に1型では有効活用していると回答した人は, 測定値を解釈できるという回答が大多数あった.測定後の活用方法は, 1型は主にインスリン量調節, 2型は食事, 運動量の調節であり, 病型による認識の相違が認められた, SMBGの有効活用には, 病型による活用方法の相違を考慮した上, 個々の日常生活に合わせた測定値の解釈ができるよう指導することが大切と考えられた.
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