糖尿病
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44 巻, 10 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 清野 裕
    2001 年 44 巻 10 号 p. 785-789
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 高橋 ちづる, 河原 玲子, 清水 悟, 岩本 安彦
    2001 年 44 巻 10 号 p. 791-798
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    ブドウ糖負荷後30分の血清遊離脂肪酸 (FFA) 濃度の下降率 (%FA30') からインスリン抵抗性を評価するために, 93名 男性48名, 女性45名, 平均年齢47.1±13.2歳 (mean±SD) を対象に759OGTTを施行し, 血糖, インスリン, 脂質, %FFA301を測定した.また肥満者18名に正常血糖クランプを施行し, glucose infusion rate (GIR) を算出した.重回帰分析は赤池情報量基準で解析した.%FFA30'と諸因子との一次相関の検討では, %FFA30'は耐糖能異常の高度な群で少なく, かつその傾向は肥満により増強され, HOMAのインスリン抵抗性指数と有意な相関 (r=-0.24, p=0.023) を認めた.肥満者では%FFA30'は1/GIRと有意な相関 (r=-0.51, p=0.031) を示した.重回帰分析にて%FFA30'を説明する最適モデルは1/GIR, FFA120', HbA1c, TG, BMI, の組み合わせであった.以上より糖負荷後の血中FFA下降率の抑制が, インスリン抵抗性を反映していると考えられた.
  • 国内第III相臨床試験成績
    岩本 安彦, 赤沼 安夫, 新美 仁男, 佐々木 望, 田嶼 尚子, 河盛 隆造, 繁田 幸男
    2001 年 44 巻 10 号 p. 799-811
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    超速効型ヒトインスリンアナログであるインスリンアスパルト (IAsp) の臨床試験として, インスリンの頻回注射療法 (Basal-Bolus療法) を実施中の1型糖尿病 (IDDM) 患者を対象に, 速効型ヒトインスリン (HI) を対照薬として, IAspを24週間投与した際の有効性および安全性を検討した. 本治験においては, 食事前の追加インスリンとして, IAspまたはHIを各々毎食直前または食事30分前に必要量投与し, 基礎インスリンの1日1回または2回投与を併用する治療法を採用した.
    205例 (IAsp投与群: 143例, HI投与群: 62例) を対象として検討した結果, 有効性の主要評価項目であるHbA1cについて, 変化量の差および差の95%信頼区間は, それぞれ-0.18%および (-0.41, 0.05) であり, 信頼区間の上限は非劣性の許容限界 (06%) 未満であった, すなわち, 24週間の治療を行った場合, 血糖コントロールの指標であるHbA1cについて, IAspは従来の速効型ヒトインスリンと比較して劣っていないことが確認された. また, 副次的評価項目である食後90分血糖値については, 変化量の差および差の95%信頼区間は, それぞれ-38.9mg/dlおよび (-70.0, -7.8) であり, IAsp投与群で有意な低下が示された (Wiboxon検定: p=0.0092).
    安全性に関しては, 低血糖に代表される有害事象, 臨床検査項目, インスリン抗体, 血圧などを評価項目として検討した結果, いずれも既存の速効型ヒトインスリンと同様の成績が得られた.
    以上のように, IAspは糖尿病患者におけるインスリンの頻回注射療法において, 食直前投与により適用できる有用なインスリン製剤であると考えられる.
  • 徳山 薫平, 長坂 昌一郎, 草鹿 育代, 中村 友厚, 石川 三衛, 斉藤 寿一, 遠山 真佐美, 西田 裕一郎, 清永 明, 田中 宏曉
    2001 年 44 巻 10 号 p. 813-818
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健常人23名に標識糖を用いた経静脈糖負荷試験を施行し, 2-compartment minimal model (Am J Physio1277: E481-, 1999) で解析し, 内因性糖放出に対するインスリンの抑制作用の定量を試みた.まず, 標識糖の経時変化からインスリンの糖取り込み促進作用のみを反映するインスリン感受性指数 (SI2*)およびcompartment間の糖の交換と分布容積に関するパラメータ (k12, k21とV1) を求め, これらのパラメータと血糖の経時変化から糖取り込みを促進し内因性糖放出を抑制するインスリン作用の総和 (SI2) を計算した.血糖の経時変化の解析においては, 抗インスリンホルモンによる血糖上昇作用の影響を除去するために糖負荷試験後半のデータを計算から除外し, SI2とSI2*の差から内因性糖放出を抑制するインスリンの作用 (hSI2) を求めた.インスリン感受性指数はSI2≧Sl2*となり理論上の大小関係と一致し, またhSI2はSI2の約4096であった.
  • 岸 勝彦, 早川 みち子, 池田 善紀, 高田 雅美, 谷崎 俊郎, 加藤 順一, 井上 正幸, 石原 健造, 鹿住 敏
    2001 年 44 巻 10 号 p. 819-823
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は4年の糖尿病罹病歴をもち, 28歳時に白内障の手術を受けた30歳男性. 6カ月前に両下肢の脱力感を自覚し, 左第5足趾の皮膚潰瘍に気づいたが放置. 4カ月後立位不能となり同時に尿閉も出現した. さらに壊疽のため左下腿切断を受けた. 入院時両下肢の筋萎縮は著明で, 腱反射は著明に減弱していた. 上肢の感覚神経では伝導速度の著明な低下, 運動神経では伝導速度の著明な低下のみならず遠位潜時の延長と神経伝導ブロックが認められた. 右下肢では, 感覚運動神経ともに活動電位は全く認められなかった. 尿流動態検査では重度の低緊張性膀胱であった. 入院時インスリンを使用していたが, 4カ月後には食事療法のみで血糖コントロールは良好で, CPR反応も認められた. 以上, 糖尿病性感覚, 自律, 運動神経障害のために30歳で壊疽による下腿切断, 尿閉, 弛緩性対麻痺を来した2型糖尿病の稀な1例を経験したので報告する.
  • 八子 徹, 三浦 順之助, 大岩 晶子, 武田 將伸, 尾形 真規子, 佐藤 麻子, 大和田 一博, 岩崎 直子, 岩本 安彦
    2001 年 44 巻 10 号 p. 825-830
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は57歳女性. 母, 兄, 妹に糖尿病。母は尿毒症で死亡し, 兄はMELASと診断され維持透析中, 32歳時糖尿病と診断. 翌年からインスリン治療を開始, 48歳頃から健忘, 55歳頃から難聴, 57歳頃から歩行障害が急激に進行した. るい痩, 嘔気増悪のため入院. 乳酸, ピルビン酸高値, 著明な筋萎縮, CT上大脳萎縮を認め, 末梢白血球DNA分析によりミトコンドリアDNA3243A→G変異を認めMELASと診断, Co-enzyme Q 150mg/日を開始した, 第37病日腹満感が急激に増悪し摂食不能となった. 腹部X線上著明な腸管ガス貯留を認めたが, 消化管検査では器質的病変を認めず慢性偽性腸閉塞 (CIP) と診断. 塩化べタネコール (BC), エリスロマイシンに加え, チトクロームCを順次併用投与したが改善せず. 第57病日よりBCをネオスチグミンに変更した後, 腸管ガスは著明に改善した. MELASを伴うミトコンドリア糖尿病による難治性CPに対し, 抗ChE阻害剤が奏効した貴重な症例と考えられた.
  • 森田 浩之, 山田 浩司, 和田 祐爾, 杉山 千世, 稲垣 栄次, 宇野 嘉弘, 宗 友厚, 石塚 達夫
    2001 年 44 巻 10 号 p. 831-836
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は83歳, 男性. 68歳時に脳梗塞, 70歳時に心筋梗塞の既往がある. 71歳時に萎縮性胃炎に伴うビタミンB12欠乏による悪性貧血を発症した. 73歳時に糖尿病と診断され, 当初食事療法単独で, 75歳からはグリベンクラミドの併用や教育入院等によって, HbA1cは81歳まで7%台に安定していた. それ以後, 血糖コントロールが悪化し, 83歳にインスリン治療に変更したが, この際, 抗グルタミン酸脱炭酸酵素抗体 (GADAb) が著明高値, 尿中CPRが正常低値であったことから, 高齢者発症緩徐進行型1型糖尿病と診断した.また, 白斑, 頭部全脱毛, 硬い甲状腺腫もみられ, 慢性甲状腺炎も合併していた. 1型糖尿病, 悪性貧血, 慢性甲状腺炎, 白斑・脱毛がみられ, 本症例はpolyg-andular autoimmune syndrome type IIIの典型例と考えられた. 文献的にも, 発症時肥満のない糖尿病患者では, GADAb, 抗甲状腺自己抗体に加え, これらが陽性の場合には萎縮性胃炎の検索も必要であると考えられた.
  • 2001 年 44 巻 10 号 p. 837-870
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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