糖尿病
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44 巻 , 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 長谷 美智代, 横山 宏樹, 中神 朋子, 高橋 千恵子, 岩本 安彦
    2001 年 44 巻 11 号 p. 873-878
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    増加する糖尿病性腎症による透析導入は, 単に糖尿病患者数増加によるのか, あるいは腎症罹患率の増加が寄与しているのかは明らかでない. 東京女子医科大学糖尿病センターを初診した患者より5年間隔に期間を設定して抽出し, 444名 (1980年), 552名 (1985年), 752名 (1990年), 645名 (1995年) において, 初診時における糖尿病性腎症の罹患率を比較した, 各年度群間で, 性, 年齢, 糖尿病罹病期間に差は無く, さらに他医からの紹介率は56-65%であった. 糖尿病性腎症の罹患率は, 1980年4.3%, 1985年4.4%, 1990年7.3%, 1995年7.6%と近年になるに従い有意に増加した (X2trend=8.2, p<0.01). これは罹病期間5年以上の群で顕著であった.以上より, 近年の糖尿病透析者数の増加に, 糖尿病性腎症の罹患率増加が関与している可能性が示唆された
  • 勝又 一夫, 古田 雄彦, 大磯 ユタカ, 北川 元二, 中村 二郎, 清水 学, 神谷 吉宣, 加藤 活大, 大野 恒夫, 今村 修治, ...
    2001 年 44 巻 11 号 p. 879-885
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    愛知県の糖尿病専門医の集団である糖尿病ケアシステム愛知では, 愛知県医師会および愛知県病院協会と協力して診療所では医師会加入の全施設に無記名アンケート, 病院では県内全病院に記名アンケートを1999年12月および2000年3月に施行し, 激増する糖尿病に対応する糖尿病地域医療の実態を調査した. 診療所では内科, ついで外科等が多くの糖尿病患者をcommon diseaseとして診ていた. 境界型糖尿病は病院より診療所で多く診ているとの結果であった.
    病院では大学病院, 旧総合病院で合併症の増加とともに多数の患者が診療されていた. 一方, 中小病院でも内科を中心とする病院で多くの患者が診療されていた, また, 糖尿病学会認定医がいたり, 研修指定施設であると, それらがないところより患者数が明白に増加する事実を認めた. また厚生省の調査で推定されている境界型糖尿病の患者数に比して, 今回の調査で報告された管理されている境界型糖尿病患者数は極端に少なかった.今後は地域医療における糖尿病予備軍の管理体制の強化が激増する糖尿病対策の重要課題と考えられた.
  • 紀田 康雄, 村田 佳子, 田原 将行, 坂口 正芳, 上古 真理, 鹿野 勉, 柏木 厚典, 吉川 隆一
    2001 年 44 巻 11 号 p. 887-894
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    うっ血性心不全 (以下CHF) は, 糖尿病患者においてはしばしば経験され, 心血管死の原因としても重要であるが, その頻度や八イリスク群の臨床像など十分には検討されていない, われわれは, 1.451例の2型糖尿病患者を対象に, CHFの臨床像, 危険因子と予後を調べた. 心不全の頻度は6.7%(97例) で, 女性は男性より2.5倍高頻度に見られた (4.1%vs10.5%), CHF症例は高齢でmicroangiopathyやmacroangiopathyの合併例が多かった, さらに, 虚血性心疾患, 腎障害や尿アルブミン値はCHFの独立した危険因子であった.心エコー検査ではCHF症例は左房拡大, 左室心筋肥大と左室収縮能および拡張能の低下が特徴的であった. Cox比例八ザードモデルでは加齢, 虚血性心疾患, 性差で補正してもCHFの合併は独立した糖尿病患者の予後決定因子であることが示唆された.
  • 武田 智美, 藤本 新平, 津浦 佳之, 田中 紘一, 藤田 士朗, 山田 祐一郎, 清野 裕
    2001 年 44 巻 11 号 p. 895-899
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 生体肝移植後に免疫抑制剤の一種であるタクロリムスを使用し, インスリン依存状態となった症例を経験した. 症例は50歳, 男性, 1990年頃, 検診において尿糖を指摘され, その後放置していた, 1998年3月, 近医にてHb A1cは7.3%, 食後血中C-peptideは5.6ng/mlであり, 2型糖尿病と診断され, 内服加療を開始された. 1999年3月, 全身倦怠感, 黄疸が出現し, 慢性B型肝炎急性増悪と診断され, 同年5月4日当院において生体肝移植術が施行された. 移植後, タクロリムスの使用により, 高度の内因性インスリン分泌低下 (食前血中C-peptide0.16ng/ml, 尿中C-peptide6.0mg/day) を認め, インスリン依存状態となった. タクロリムスは以前より, インスリン分泌障害をきたし, 耐糖能異常をきたすことが知られている. しかし, 既に糖尿病状態にある患者では, 本剤が高度の内因性インスリン分泌欠乏状態を惹起する可能性を十分留意して使用する必要がある.
  • 松久 宗英, 黒田 暁生, 大歳 健太郎, 河盛 段, 五郎川 伸一, 梶本 佳孝, 高原 史郎, 弓場 健義, 伊藤 壽記, 山崎 義光, ...
    2001 年 44 巻 11 号 p. 901-905
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    臓器移植法制定後初の膵腎同時移植症例を経験した. 症例は30歳男性. 1983年に1型糖尿病を発症. 1996年糖尿病性腎症のため透析導入. 1999年に膵腎同時移植適応評価を申請し, 適応と判定された. 2000年4月25日くも膜下出血による脳死ドナーからの膵腎同時移植目的に同日入院. 右腸骨窩に膵臓が, 左腸骨窩に腎臓が移植され, 膵液は膀胱にドレナージされた. 術直後血糖値は80mg/dlであったが, ステロイドパルス療法により上昇したため, 人工膵島を用いて血糖モニターとインスリン持続静注が行われた. 免疫抑制剤減量と共にインスリン必要量は減少し, 術後27病日にインスリンを離脱, グルカゴン負荷時のCペプチドの上昇は術後6病日の0.6ng/mlから, 術後84病日には2.4ng/mlと改善した.移植腎機能は, 術直後より自尿が出現し, 血清クレアチニン値が退院時には1.4mg/dlまで改善した.
  • 太田 一樹, 高元 俊彦, 和泉 宏幸, 吉田 哲矢, 石原 八州司, 平田 結喜緒
    2001 年 44 巻 11 号 p. 907-912
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は61歳, 女性, メキシレチンによるhypersensitivity syndromeに対するステロイド治療中に正常血糖 (79mg/dl) からわずか4日間で糖尿病性ケトアシドーシス (血糖700mg/dl) を発症し, 完全にインスリン依存状態に陥った, 発症時のHb A1c6.6%で, 抗GAD抗体, IA-2抗体, islet cell antibodyはいすれも陰性であった. hypersensitivity syndromeは肝機能障害などの臓器障害を伴うことの多い全身性の重症型薬疹であり, ヒトヘルペスウイルス6型 (HHV6) の再活性化が関与していると考えられている.本症例で極めて興味深いのは, hypersensitivity syndromeによる肝機能障害のピークに完全に一致して急激に1型糖尿病を発症していることであり, 再活性化されたHHV6により膵β細胞が障害された可能性も考えられた.劇症1型糖尿病の病因を考える上で示唆に富む症例と考えられ報告した.
  • 田中 正巳, 宮崎 康
    2001 年 44 巻 11 号 p. 913-916
    発行日: 2001/11/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は36歳の男性. 約1カ月前から全身倦怠感が出現, 2週間前から口渇が強く, ペットボトル清涼飲料水を多飲, 次第に動けなくなり, 意識が混濁した. 糖尿病性ケトアシドーシス (DKA) と診断, 大量輸液, インスリン持続投与を開始した. カルシウムは11.8mg/dl, 中性脂肪 (TG) は777mg/dlであった. アシドーシスが改善し, 意識清明となった後も高血糖は持続した. アミラーゼ, エラスターゼ-1, リパーゼの高値およびCT上膵腫大を認め, 急性膵炎の合併が判明したが, 腹痛は認めなかった. 膵炎の治癒に伴い血糖コントロールは改善, 入院時15.1%であったHbA1cは退院時9.3%まで低下した, 糖尿病性網膜症は認めず, 抗GAD抗体は陰性であった. 清涼飲料水多飲を契機に発症, 無痛性膵炎を合併した2型糖尿病のDKAであり, 高TG血症と高カルシウム血症が急性膵炎発症に関与した可能性がある点, 合併した膵炎が無痛性であった点, 急性膵炎が蛋白質合成酵素阻害薬を使用せずに治癒した点などより, 興味深い症例と考えられた.
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