糖尿病
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44 巻 , 5 号
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  • 後藤 康生, 森寺 邦三郎, 馬場 泰人, 藤見 忠生, 山谷 利幸, 門脇 誠三, 井上 喜通, 猪俣 純枝, 樫尾 洋一, 筒泉 正春, ...
    2001 年 44 巻 5 号 p. 377-385
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎不全患者において腎不全の進展速度に対するクレメジン経口投与の有用性を検討した. 方法は, 臨床的に糖尿病患者において進行性腎不全と診断された28名の患者を対象に本剤 (1日投与量2.4~6g) を6か月間投与し, 血清クレアチニン (Cr) の変化等を投与前後で比較し, 以下の結果を得た.(1) Cr値上昇の抑制効果は65.4%の患者にみられた.(2) Cr値逆数傾斜の平均は (以下単位; dl/mg・週) 投与前が-0.0043, 投与後が-0.0015であり, 投与後有意にゆるやかになった.(3) 本剤維持量6g群 (n=14) と3g群 (n=14) を比較したところ, 6g群では投与前の傾斜が-0.0050であり投与後-0.0011と有意にゆるやかになり, 3g群ではゆるやかになったが有意ではなかった.(4) インドキシル硫酸を投与前後で比較したところ6g群では投与前0.53±0.50mg/dlから投与後0.34±0.40と有意に低下したが, 3g群では有意な変化がみられなかった. 以上の結果より, クレメジン (6g/日) 投与は糖尿病性腎不全患者において腎不全の進行を緩徐にする効果があると結論できる.
  • 柴崎 智美, 田中 敏己, 永井 正規
    2001 年 44 巻 5 号 p. 387-392
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    長崎県小値賀町で, 1991年と, 1996年の2回, 5年間隔で75グラム経口糖負荷試験を一次スクリーニング検査とした糖尿病検診を実施した. 1991年の受診者1374人のうち776人が1996年の検診にも受診した. 2回とも検診を受診した776人の1991年の耐糖能の判定結果は, 44人が糖尿病, 140人が耐糖能異常, 592人が正常である. このうちの耐糖能が正常であった592人を対象として, 1991年の高収縮期血圧 (H-SBP=SBP<=140), 高拡張期血圧 (HDBP: DBP<=90), 高コレステロール血症 (H-TC: T-Chol<=220), 過体重 (H-BMI: BMI<=24) が, 5年後の耐糖能に変化を及ぼすかどうかを検討した. 年齢以外の耐糖能悪化の要因としては, 過体重 (BMI<=24) のオッズ比が226 (95%信頼区間1.56-3.28), 拡張期高血圧 (DBP<=90) のオッズ比が1.91 (1.08-3.36) と高値を示し, 耐糖能障害の危険因子と考えられた
  • 江藤 隆, 井口 登与志, 嘉川 裕康, 原田 直彦, 垣本 真如子, 今村 美菜子, 青木 剛, 橋本 俊彦, 梅田 文夫, 名和田 新
    2001 年 44 巻 5 号 p. 393-397
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は48歳, 男性. 家族歴に難聴, 網膜色素変性症, 糖尿病なし. 18歳時視野狭窄を指摘され網膜色素変性症の診断, 28歳時感音性難聴を指摘. 35歳時糖尿病を指摘され, 40歳時より経口血糖降下薬の服用開始. 1999年2月より感音性難聴の急激な悪化を認めたため当科入院. 現症では, 白内障, 高度の網膜色素変性で視力は光覚のみ. 聴力右783dB, 左115dBと感音性難聴を示した, HbA1c9. 5%と血糖コントロールは不良, 尿中CPR15μg/日, グルカゴン負荷試験にて△CPR0. 8ng/mlとインスリン分泌能の低下を認めた. ミトコンドリアDNA解析にて3243変異を認めた. 本症例は, 若年発症の網膜色素変性症と進行性の感音性難聴を特徴とするUsher症候群を合併したミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病の稀な症例と考えられた
  • 最上 康生, 東條 靖, 熱田 充香, 久保木 幸司, 多田 久也, 亀山 正明, 井口 利樹
    2001 年 44 巻 5 号 p. 399-403
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    バセドウ病, 1型糖尿病, 多発性硬化症 (MS) の3疾患を合併した極めて稀な1例を報告する. 症例: 35歳女性. 14歳時バセドウ病にて加療, 34歳時1型糖尿病を発症; 抗GAD抗体およびICAを認めた. 1997年12月嚥下障害, 視力低下, 複視呼吸困難が出現し当院入院. 左動眼神経麻痺, 球後視神経炎, 球麻痺を認めた. MRlにて, 中脳, 橋, 延髄に多発性の病巣を認め, 脳脊髄液にてlgGの上昇, ミエリンベーシックプロテインの増力口が認められ, MSと診断した. 直ちにステロイドパルス療法, 血糖コントロールのため持続皮下インスリン注入療法を行い, 神経症状の改善並びに抗GAD抗体価の低下が認められた. 1999年8月血糖コントロール悪化および抗GAD抗体価著増しMS再燃初回入院と同様の治療にて寛解した. 高血糖がバセドウ病の既往を有する1型糖尿病に合併したMSの発症, 再燃の一因となる可能性があり示唆に富む症例と考えられる.
  • 武田 將伸, 菅沼 信也, 鈴木 奈津子, 馬場園 哲也, 岩崎 直子, 新城 孝道, 高崎 健, 岩本 安彦
    2001 年 44 巻 5 号 p. 405-409
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は68歳, 男性. 46歳より糖尿病を認め同時期より下腿に落屑を伴う皮疹, 体重減少が出現. 皮膚科医を転々と受診したが皮疹は軽快せず. 皮疹の増悪, 下腿浮腫および血糖値の不安定などをみたため1998年11月当センターに入院. 検責所見では低蛋白血症と進行性の貧血を認め, 腹部CTにて膵体部に石灰化を伴う腫瘍を認めた. 膵内分泌腫瘍も疑われたため血漿膵グルカゴン (IRG) を測定したところ2360pg/ml と著しい高値を示した. 消化器外科にて膵体尾部, 脾合併切除術を施行し免疫染色にてグルカゴノーマと診断した. 本症例の皮疹は多彩な所見を示した事より診断までに20年近くを要したが, その他の一連の臨床所見はグルカゴノーマ症候群に特徴的なものであった。糖尿病ではさまざまな皮膚症状を合併することが多いが本症例のようにグルカゴノーマの皮膚症状が必ずしも典型的でない場合もある点を考慮して鑑別を行う必要性が改めて認識された
  • 大原 せつ, 堀田 義雄, 児玉 憲一, 小松 良哉, 稲永 隆, 鈴木 正昭, 洪 秀樹, 都島 基夫, 西大條 靖子, 瀧下 修一, 原 ...
    2001 年 44 巻 5 号 p. 411-414
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は46歳の女性. 7歳時に糖尿病と診断されインスリン療法が開始された. 血糖コントロールは不安定で21歳より両側眼底出血のため光凝固術を数回にわたり施行. 1981年8月 (28歳) に結婚, 妊娠を契機にCSII療法を開始した. 以後CSIIと自已血糖測定により血糖コントロールは安定していた、1985年頃より蛋白尿を指摘され, 1989年11月には血清尿素窒素: 26mg/dl血清クレアチニン: 2. 5mg/dlとなり, 蛋白・塩分制限の食事療法開始した. 1993年から1998年にかけては食事療法とCSII管理のもと血清クレアチニンは3. 0~5. 0mg/dl程度で推移し, 網膜症の進行もなく安定していた. 1999年以降血清クレアチニンの上昇を認め, 5月に血清クレアチニン: 7. 6mg/dlと腎不全が進行したため7月6日透析導入となった. 本例は軽度の蛋白制限食とCSII療法による血糖コントロールの管理で, 腎機能を長期に維持でき, 網膜症も安定した状態を保つことができた.
  • 菊地 悦子, 谷亀 光則, 堺 秀人
    2001 年 44 巻 5 号 p. 415-421
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病患者が病気によって感じる負担感について, 重大な合併症がなく, 診断前とほぼ同程度の勤労をしているか, 勤労可能な糖尿病患者234名のアンケート調査の結果を検討した. 負担感に関与している因子として, 基本属性, 治療法, HbA1c値, 合併症, 症状, 日常のつき合い, 食事療法, 運動療法, 薬物療法, 社会的因子, 性格傾向など85因子をとりあげた. 負担感への関与が明らかであったのは, 「糖尿病と共に生きていくことや合併症を起こす不安」「食事療法」「糖尿病のために他人から受ける嫌な思い」「HbA1c値が高いこと」「インスリンを他人に隠すこと」「手足のしびれ」であった. 今後の人生や合併症への不安は, HbA1c値や血糖値の自己評価などと関係がみられた. 職業上の役職がない人, 女性, 年齢が低い人が, 糖尿病のために他人から嫌な思いを受けたと感じやすく, 社会の中で療養を行っていく上での負担感が強いことが明らかになった.
  • 朝倉 俊成, 清野 弘明, 野崎 征支郎, 阿部 隆三
    2001 年 44 巻 5 号 p. 423-427
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者が外食時にインスリン自己注射を行うことに関して, 飲食店はどのように捕らえているのかを調べるために太田西ノ内病院から半径約5km以内に位置する飲食店150店舗を対象にアンケート調査を実施した. 回収は89件 (59. 3%) であった. その結果, 料理の提供時間は最短で7. 1±9. 5分 (M±SD), 最長は20. 1±15. 0分であった. インスリン注射を患者自身が行なっていることは68. 5%が知っており, 店内でインスリン注射を見たことがあるとの回答は15.7%であった. 料理の量や提供時間などの客からの要望に対しては80%以上が対応できると答えた. また75. 0%がインスリン注射についての情報を知りたいと答えていた. インスリン療法に関する情報提供などを通じ, 患者のインスリン注射の環境改善に薬剤師が貢献できると考えた
  • 2001 年 44 巻 5 号 p. 429-465
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 堺 秀人, 吉川 隆一, 赤沼 安夫, 磯貝 庄, 金澤 康徳, 矢島 義忠, 荒川 正昭, 富野 康日己, 槙野 博史, 黒川 清
    2001 年 44 巻 5 号 p. 467-472
    発行日: 2001/05/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病ならびに糖尿病性腎症患者数は急増しており, 特に新規透析導入患者における原因疾患として糖尿病性腎症が第一位を占めている. 現在では微量アルブミン尿の出現を臨床的な糖尿病性腎症としているが, 尿中アルブミン濃度の測定方法の統一化ならびに健常者の正常値については明らかでないことも多く, 日本糖尿病学会と日本腎臓学会は合同委員会を設け, 我が国における糖尿病性腎症の診断指針の作成を目的に, 微量アルブミン尿測定の全国統一基準の作成を試みた. 測定方法の検討では免疫比濁法と免疫比ろう法は双方同等度の正規性を保っているが, より正規性が高くより汎用されている免疫比濁法を健常者の測定に用いることとした, 健常者の測定では31~60歳の間では年代差や性差は認められなかった. 健常者では尿中アルブミン濃度238mg/l以下, 尿中アルブミン排泄率18.6mg/g・Cr以下が正常値と考えられた. 特に早朝尿では, 尿中アルブミン濃度16.5mg/l以下, 尿中アルブミン排泄率10. 8mg/g・Cr以下であり, また随時尿では, 尿中アルブミン29.3mg/l以下, 尿中アルブミン排泄率24.6mg/g・Cr以下が正常値と, 早朝尿と随時尿では約2倍の差となった. 今回は健常者の正常値の検討であり, この数値が糖尿病患者の糖尿病性腎症の予知因子あるいは他の合併症や死亡率などとの関連についての有用性については今後の検討が必要である.
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