79歳女性. 尿糖陽性を指摘され受診. アカルボース300mg/dayの投与でHbA
1cは6.7%から5.6%6へ改善したが, FPGの改善はみられず. FIRI 11μU/m
l, 血中遊離脂肪酸 (以下NEFAと略す) 1.4mEq/
lと高値であり, インスリン抵抗性の存在を疑いピオグリタゾン15mg/dayの投与を開始した.投与前FPG153mg/d
l, HOMA-R4.0, 尿中CPR80μg/day, NEFA 1.4mEq/
l, 腫瘍壊死性因子α (以下TNF-α と略す) 7pg/m
lであったが, 4カ月投与後, FPG 129mg/d
l, HOMA-R1.9, 尿中CPR70μg/day, NEFA1.0mEq/
l, TNF-α4pg/m
lと低下. 脂質代謝, インスリン分泌パターンも改善. Euglycemic insulin clampでM値は5.0mg/kg/minから10.8mg/kg/minと増加. 腹部臍高CT像で内臓脂肪の減少, 皮下脂肪の増加を認めた. ピオグリタゾンのインスリン抵抗性改善作用にNEFAの低下, 体脂肪分布の変化が関与している可能性が示唆された.
抄録全体を表示