糖尿病
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45 巻 , 7 号
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  • 紀田 康雄
    2002 年 45 巻 7 号 p. 457-464
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    自律神経障害に伴うQT延長は糖尿病患者の心臓突然死の一因として注目されてきた. しかし, その際Bazettの補正式にて求めたQTc (以下BQTc) の問題点が近年議論されている. RR12で除したBQTcはRR間隔と逆相関することから, Framingham heart studyでは直線回帰式による新たな補正式を提唱している. 迷走神経機能の低下は心拍増加を伴う傾向にある (RRは短縮する) ことから, 自律神経障害を有する症例にBQTcを用いると過度に評価される可能性がある. 著者は, Framingham heart studyで述べられているような直線回帰式に基づく補正式でQTcを測定してきた (以下NQTc: QT+ [1-RR]×143). 今回はRRとQT, BQTc, NQTcの関係を2型糖尿病 (D群) と年齢マッチした非糖尿病者 (N群) で比較するとともに, BQTcの心臓自律神経障害のマーカーとしての問題点を検討した. 1) QTとRRのデータ分布は直線的であり両群において有意な正相関を認めた, 逆にBQTcは, RRと両群において有意な負の相関を示した. しかし, NQTcは両群とも心拍に依存せず適切に補正されていた (60bpm時のQTを反映する), 2) NQTcはD群>N群, また女性>男性であった. 3) D群では心拍数とRR間隔変動係数 (CV) や起立時収縮期血圧低下度 (△SBP) が有意に相関するため, 自律神経機能のBQTcに及ぼす影響は心拍数で補正すると減弱した, 一方, NQTcは年齢, 性別, 心拍で補正後も恒常性を持ってこれら自律神経指標と相関した. 以上より, 従来報告されてきた自律神経障害患者におけるBazettのQTc延長は, 少なくとも部分的には短縮したRRに伴うQTcの過大評価の結果である可能性が示唆された. 簡便な直線回帰式に基づく補正によるNQTcは, 糖尿病患者の心臓自律神経障害によるQT延長の評価により有用と考えられた.
  • 小川 吉司, 松井 淳, 後藤 尚, 玉澤 直樹, 丹藤 雄介, 工藤 貴徳, 須田 俊宏
    2002 年 45 巻 7 号 p. 465-469
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    グリメピリドが脂質代謝に及ぼす影響をグリベンクラミドと比較検討した. とくにインスリン抵抗性や動脈硬化に関与するLDL粒子サイズについても検討した. グリベンクラミドからグリメピリドに薬剤変更した2型糖尿病患者21名において, 変更2カ月後の血中IRIは有意に低下し (9.1±57 to 6.3±3.2, p<0.05), 薬剤変更前にsmall dense LDLを有した7名の比較では, Rf値が有意に低下しており (Rf値: 0.40±0.02 to O32±OD5, p<0.01), LDL粒子サイズの増加が示されたことから, グリメピリドは脂質代謝を質的に改善し, 動脈硬化を予防する可能性が示唆された.
  • 坂本 敬子, 阪本 要一, 丸山 道彦, 鶴岡 明, 内潟 安子, 田嶼 尚子
    2002 年 45 巻 7 号 p. 471-476
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は38歳の女性. 1997年3月ケトーシス状態を呈し, 糖尿病の診断のもとにヒトインスリンによる治療が開始された. 血糖コントロール状態は一時安定していたが, 1998年2月頃から日中の高血糖と夜間の低血糖発作が頻発したため1999年3月入院. 1251Iインスリン結合率83%とインスリン抗体高値を認め, 総IRIは1, 700μU/mlと高値であった. インスリン抗体のScatchard解析では, high affinity siteの親和性は0.18×108M-1と低く, かつ結合能は10×108Mと高く, インスリン自己免疫症候群の抗体と類似した抗体と考えられた. さらに, 低血糖時には高血糖時に比し結合能の減少が認められ, 高血糖時に結合した大量のインスリンが徐々に遊離したために低血糖が生じた可能性が示唆された. 本症例は, ヒトインスリン治療中に生じたインスリン抗体がインスリン自己免疫症候群の抗体と類似した性質を持ち, 血糖コントロール不安定の要因に関与した稀な症例と考えられ報告する.
  • 若崎 久生, 西野 雅之, 濱西 徹, 小林 正人, 古田 浩人, 中尾 大成, 英 肇, 西 理宏, 佐々木 秀行, 南條 輝志男
    2002 年 45 巻 7 号 p. 477-482
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Central pontine myelinoiysis (CPM) は電解質異常を急速に補正した際に発症する脳橋底部の原発性脱髄疾患である. われわれは糖尿病に合併した電解質異常を伴わないCPMを経験した. 症例は51歳男性. 左上肢の振戦, 巧緻運動低下と歩行時のふらつきを主訴に入院. アルコール多飲歴, 糖尿病の既往はない. 神経学的には左軟口蓋下垂, 軽度の構語障害, 左上下肢の軽度の筋力低下と左上肢を投げ出すような不随意運動を認めた. 初診時血糖710mg/dl, HbA1c14.8%, 尿ケトン体陰性, Na133mEq/l, K4.5mEq/lで高血糖を認めるが著明な電解質異常は認めなかった. 頭部MRIではT2強調画像で橋レベルで左右対称性に高信号領域を認めたためCentral pontine myelinolysisと診断した. 急速な輸液は行わずインスリン頻回注射で血糖コントロールを行い神経症状およびMRI所見の改善をみた. 本例では高血糖による高浸透圧状態の持続がCPMの発症に関与したものと考えられた.
  • 渡邉 一臣, 石崎 直人, 井上 衛, 矢野 忠, 山村 義治
    2002 年 45 巻 7 号 p. 483-488
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は52歳男性. 40歳頃尿糖陽性を指摘され1996年には糖尿病と診断されていたが放置していた. 1998年9月, 近医にてインスリン注射および経口血糖降下剤による治療が開始された時期より背部を中心に神経痛様の疼痛が出現し, 消炎鎮痛薬を使用するも症状の改善を認めなかった. さらに2カ月後には両側の下肢痛も出現し次第に増悪したため1999年4月に当科に入院となった. 入院時より行われたARI, ビタミンB12, NSAID, Mexiletineなどの投薬は無効であったため疼痛局所および四肢末梢の経穴部へのTENS治療を試みたところ, 治療開始後から疼痛強度および疼痛領域に改善を認め, TENS治療開始15日目 (治療回数計9回) で退院となった.
  • 山守 育雄, 村本 あき子, 竹藤 聖子, 長谷川 晴彦
    2002 年 45 巻 7 号 p. 489-493
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    75歳女性. 4年前より痴呆. 2年前に2型糖尿病指摘. 8カ月前より某精神科入院中. 意識障害, 痙攣重積, 高血糖のため当院紹介転院. 意識JCS III-300, 振子様眼振あり. 皮膚乾燥, 左上下肢に糖尿病性水疱散在. 顔面, 頸部, 左上肢にミオクローヌス様不随意運動頻発. 血清Na173mEq/l, 随時血糖545mg/dl, HbA1c10.6%, 尿ケトン体陰性, 動脈血pH7.463. 非ケトン性高浸透圧性昏睡 (HONKC) と診断, インスリンと補液で第3病日には血清Na157mEq/lまで下降するも意識回復せず. 第4病日の頭部CTにて広範な脳浮腫あり, 第11病日には左大脳半球に出血を伴う広範な低吸収域出現. 第16病日上矢状洞血栓症と診断. 保存的治療で徐々に脳浮腫は軽減するも広範な脳梗塞を遺して意識の改善なく, 第31病日前医へ転院. これまでHONKCと脳静脈洞血栓症を合併した糖尿病の報告例はない. 慢性的な高血糖と脱水による血液濃縮が発症の誘因と考えられた.
  • 鴨井 久司, 宮腰 将史
    2002 年 45 巻 7 号 p. 495-499
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は51歳女性. 41歳で糖尿病を発症し, 42歳から基礎注入量の変更できないニプロSP-3HQ機器と速効型インスリンでCSllが導入された. 基礎注入量が0.36単位/時間, 追加注入量が朝6単位, 昼5単位, 夕4単位でのHbA1cは8~10%と血糖コントロールは不良であった. 夜間3時の血糖値は35~50mg/dlと低値で早朝は150mg/dl以上のため基礎注入量を変更できるMiniMed507Cポンプを用いて, 基礎注入量は0時から3時まで0.16単位/時間, 3時から7時まで0.44単位/時間, 7時から12時まで0.72単位/時間, 12時から0時まで0.16単位/時間に変動し, 追加注入量は朝9.8単位, 昼3単位, 夕8単位にした, 変更後, 夜間3時の血糖値は100mg/dl前後に, 4日間の平均血糖値は166±100mg/dlから117±66mg/dl, M値も247mg/dlから6.5mg/dl, MAGEも169mg/dlから111mg/dlと改善した. HbA1cも変更3カ月後には7.1%に低下した. CSIIの有効性は確立しているが, 血糖制御の不良が持続し, CSIIの利点が認められないことがある. その要因として本例のように基礎注入量の不適切が存在することから, CSIIでは基礎注入量の変更できる機種の使用が望まれる.
  • 富永 真琴
    2002 年 45 巻 7 号 p. 501
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 春日 雅人, 金澤 康徳
    2002 年 45 巻 7 号 p. 502
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 45 巻 7 号 p. 503-511
    発行日: 2002/07/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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