糖尿病
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46 巻 , 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 松本 一成, 世羅 康徳, 安部 恵代, 富永 丹, 三宅 清兵衛
    2003 年 46 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    近年, 動脈硬化性疾患のイベント予知因子として, 高感度C-reactive protein (hs-CRP) の測定が有用であることが報告されている.しかし, CRPが高値を示すことの臨床的意義についてはまだ十分には解明されていない.そこで, われわれはCRPとインスリン抵抗性あるいは血管内皮活性化マーカーとの関連を調査する目的で, 患者対照研究を施行した.45例のhs-CRP高値を示す2型糖尿病患者と, 年齢・性がマッチした45例のhs-CRP低値を示す2型糖尿病患者の合計90例を対象とした.CRP高値群は, CRP低値群と比較して, 有意にBody mass index, 中性脂肪が高値であり, HDLコレステロールが低値であった.インスリン負荷試験のK値 (KITT) で測定したインスリン感受性の結果はCRP高値群の方がCRP低値群と比較して有意にインスリン抵抗性であった (KITT 2.29±0.88vs.2.82±1.11%min, p=0.02), また, 血管内皮活性化のマーカーである可溶性EセレクチンはCRP高値群でCRP低値群よりも有意に上昇していた (70.9±29.8vs.55.4±30.8ng ml, p<0.01).以上のことより, CRP高値は, インスリン抵抗性と血管内皮の活性化を反映していることが示唆された.
  • 石井 角保, 山田 正信, 小澤 厚志, 佐藤 哲郎, 荻原 裕之, 桜井 章吾, 森 昌朋
    2003 年 46 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    患者は43歳, 男性.糖尿病の経過中, 約10日に1度4日間程度, 38℃ 台の発熱と移動性非対称性関節炎が出現した.発熱時血糖値は上昇し, 解熱とともに改善した.全身の関節X線像の典型的石灰化と関節液中のピロリン酸力ルシウム結晶が確認され, 偽痛風と診断した.原因として低マグネシウム (Mg) 血症が認められ, 消化器疾患, 内分泌疾患, 腎疾患, 薬剤使用などがないことから糖尿病に伴う低Mg血症と考えられた.治療として少量Mg製剤および活性型ビタミンD3製剤が著効を示した.本例では糖尿病に伴い低Mg血症が生じ, そのために偽痛風をきたすことが示唆された.さらに, 周期性の発熱および移動性関節炎と血糖コントロールの急激な悪化という, 極めてまれな症状を呈した.
  • 田中 正巳, 宮崎 康, 横井 伯英, 清野 進
    2003 年 46 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は49歳女性.強い全身倦怠感を自覚, その後レイノー現象, 全身に拡がる関節痛, 息切れ, 起座呼吸が出現1近医で高血圧, 高血糖を指摘され, 当院に入院した.血糖値420mg/dl, HbA1c11.1%, 抗GAD抗体6.4U/mlより1型糖尿病と診断した, DNAタイピングで1型糖尿病の感受性アレルを有していたことが判明した.また, 蝶形紅斑, 多発性関節炎, 心膜炎, 白血球, リンパ球減少, 抗DNA抗体, 抗Sm抗体陽性より全身性工リテマトーデス (以下, SLE) と, また, ローズベンガルテスト陽性, シルマーテスト陽性, 抗SS-A抗体, SS-B抗体陽性よりシェーグレン症候群 (以下, SjS) と診断した.1型糖尿病, SLE, SjSを合併した症例報告は少なく, 3疾患が同時期に診断されたのは本例が初めてである.3疾患の合併が単なる偶発でなく, なんらかの共通な免疫学的メ力ニズムで発症した可能性が強く示唆される.
  • 塚本 和久, 森澤 雄司, 深山 正久, 戸辺 一之, 岡田 光正, 河野 匡, 浅野 知一郎, 石橋 俊, 柴崎 芳一, 門脇 孝, 木村 ...
    2003 年 46 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は59歳男性.57歳時血糖値上昇を指摘され, 58歳時より食事・運動療法開始.半年後血尿・盗汗および背部痛が出現し, 超音波検査にて両腎に腫瘍を指摘され当院を受診した.受診時BMI16.1, 体温36.5℃, FBS190mgdl, HbA1c7.996, CRP17.2mg/dl.術前血糖コントロールに1日インスリン37単位を要した.血清IL-6値21.2pg/ml.左腎全摘・右腎部分摘除術を行い, 術後は血糖コントロールに薬剤は不要となった. 摘出した腫瘍の病理組織学的検討で, 左腎腫瘍は異型度がGrade1 (G1) およびGrade 2 (G2) の混在する腎細胞癌であり, 右腎はG2の腎細胞癌であった.左G2部および右G2部にIL-6の発現を免疫染色にて確認した.半年後出現した肺転移に対する手術を施行.その時の血糖コントロールは良好で, 転移巣の異型度はG1であり, 免疫染色でIL-6は陰性であった.その後新たな肺転移巣の出現・増大とともに血中IL-6濃度が上昇し, 血糖コントロールも悪化した.腎細胞癌由来IL-6により糖尿病が増悪したと考えられる症例を経験したので報告する.
  • 早川 みち子, 岩橋 正典, 加藤 順一, 谷崎 俊郎, 池田 善紀, 高田 雅美, 石原 健造, 鹿住 敏
    2003 年 46 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    発作性心房細動 (PAf) は慢性心房糸田動 (CAf) と同様に動脈塞栓症, 脳塞栓症を引き起こすことが報告されている.
    症例は脳梗塞と心筋梗塞の既往があり, 高血圧と2型糖尿病を合併する75歳女性.突然の右前腕より末梢の疼痛, 冷感, 皮膚蒼白, 運動障害のために来院した.動脈造影では橈骨動脈は分枝直後で完全閉塞していた.血栓溶解療法後の動脈造影再検では血流は完全に再開通しており, 橈骨動脈には動脈硬化性変化は認められず, 動脈塞栓症と診断された.入院時のホルター心電図では心房細動は認められなかったが, 退院後のホルター心電図にてPAfが確認され塞栓症の原因と考えられた, 患者はその後, CAfに移行し脳塞栓症を発症し死亡した.
    年齢, 高血圧と糖尿病の合併, 虚血性心疾患の既往はCAfの危険因子であるばかりでなく, PAfの危険因子でもある.したがってこれらの合併症を有する高齢者糖尿病患者では, 安静時の心電図が洞調律であっても動脈塞栓症の予防を考慮し, ホルター心電図を検査する必要がある.
  • 小川 佳宏, 小林 宏正, 海老原 健, 林 達也, 細田 公則, 井上 元, 石原 隆, 倉八 博之, 中尾 一和
    2003 年 46 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    新規のホモ接合型MC4R遺伝子変異を有する高度肥満症を経験し, 変異受容体の機能解析を行った.症例は39歳女性.身長161cm, 体重160kg, BMI62, 出生時体重は3, 360kgで生後10カ月より肥満が認められた.入院時には, 肥満に伴う高インスリン血症を認め, 血中レプチン濃度は58.4ngmlと上昇していた.耐糖能障害は認められなかった.遺伝子解析の結果, MC4R遺伝子のコドン98においてGG A (Gly) →AG A(Arg) のホモ接合体変異 (G98R変異) を認めた.両親および姪のMC4R遺伝子はコドン98のヘテロ接合型であり, 肥満が認められた.この変異MC4Rを発現したHEK293細胞では, α-MSHによるc AMP産生が減少し, α-MSHの結合も著しく低下していた.以上より, 今回新たに同定したG98R変異がMC4Rの機能低下をきたし, 高度肥満症の原因になることが示唆された.
  • 宗宮 基, 金沢 一平, 田中 順子, 越村 邦夫, 加藤 讓
    2003 年 46 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は59歳の男性.56歳時に初めて糖尿病と診断され, 1760kcalの食事療法と1日2回のインスリン治療を開始された.Hb A1cは7~8%を推移していた.血糖コントロールおよび骨髄腫の精査目的で当科に入院した.退院4カ月後より活動性亢進, 食欲亢進, 体重減少を認めるようになった.甲状腺機能は正常.体重の著明な減少とともに血糖は改善し, インスリン注射量を減じた.精神科で躁うつ病 (躁病相) と診断され入院した.入院後にインスリン注射を中止しても血糖コントロールは良好であった.炭酸リチウム治療により症状や体重の改善後も, 食事療法のみでHb A1cは5%台を推移した.躁状態による体重減少を契機に血糖コントロールが改善した興味深い症例と考えられる.
  • 坪内 博孝, 井口 登與志, 孫田 淑代, 許斐 朝子, 今村 美菜子, 江藤 隆, 垣本 真如子, 佐藤 直市, 小林 邦久, 中島 直樹 ...
    2003 年 46 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は13歳女性.6歳時に全身の脱力発作が出現.発作時の血清力リウム (K) 値は1.9mmol lであり, 低K性周期性四肢麻痺と診断された.以後はK剤内服にて経過観察されていたが, 次第に症状増悪し1999年6月に当科第1回目の入院.75g糖負荷試験 (OGTT) において血糖値は正常型を示したが, 30分に頂値を示す特異なインスリン過剰分泌反応を認めたことから, ボグリボース投与を開始し, 発作の軽度改善を認めた.2001年7月に再入院し, アセタゾラミドの併用を開始.インスリン過剰分泌は依然として認めたものの発作は完全に消失した.本症例の原因としてK代謝に関与するチャネルの先天的異常に加え, インスリン過剰分泌反応が重要な役割を果たしていることが推定された.本症例の発作予防にはインスリン過剰分泌を抑制するボグリボースの投与と, 代謝性アシドーシス惹起により細胞内のKの活動を抑制するとされるアセタゾラミドの併用が奏効した.
  • 田中 康富, 岩崎 直子, 土屋 真美, 鶴岡 由美子, 菊地 ひとみ, 富岡 光枝, 児玉 公二, 馬場園 哲也, 岩本 安彦
    2003 年 46 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    HbA1cをHPLC法で測定する際, HbA1c分画の前に#C分画が検出される検体が存在するが, #C分画の検出頻度や背景因子, 分画の有無による血糖コントロール指標としての信頼性などに関しては明らかにされていない.#C分画が検出された検体 (C+群) n=220と検出されない検体 (C-群) n=97を対象として, 臨床検査値および免疫学的方法であるラテックス凝集 (LA) 法HbA1c, グリコアルブミン (GA) を測定し, #C分画とこれらの検査値の関連について検討した. その結果, C+群では透析例が有意に多く含まれ, BUN, クレアチニンが有意に高値で, AST, ALT, アルブミン, ヘモグロビンが有意に低値であった.さらに, C+群ではHbA1c値がLA法よりHPLC法で平均0.5%高値に測定され (p<0.001), 両法によるHbA1c測定値の乖離と関連した因子はBUN, クレアチニンであった.また, C+群ではHPLC法, LA法ともにGAとの相関が弱くなることが認められた.
  • 2003 年 46 巻 1 号 p. 53-60
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2011/03/02
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