糖尿病
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47 巻 , 6 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 小林 正, 加来 浩平, 河盛 隆造, 岩本 安彦, 清野 裕
    2004 年 47 巻 6 号 p. 431-437
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    グリメピリドは欧米人2型糖尿病患者において体重増加をきたすことなく血糖コントロールを改善することが報告されている. 国内における前向き観察研究において, 肥満を伴う日本人2型糖尿病患者394例にグリメピリドを6カ月間単独投与し, その有効性や安全性のほか, 体重に及ぼす影響を評価した. その結果, HbA1cはこれまでに糖尿病薬を投与されていない患者群において有意な改善が見られ, 他の経口糖尿病薬単剤投与から切り替えられた患者群でも改善傾向が維持された. 体重増加の中央値は1.00kgで臨床的に問題とされるような変化は認められなかった.HOMAIRに有意な変化は認められなかった. 有害事象では低血糖が20796の患者で発現したが, 重篤なものはなかった, 以上の結果から, グリメピリドは肥満を伴う日本人2型糖尿病患者でも, 臨床的に問題となるような体重増加をきたすことなく血糖コントロールを改善することが示された.
  • 岩井 博司, 大野 恭裕, 伊藤 裕進, 遠藤 達治, 小牧 克守, 石井 秀司, 盛岡 幸恵, 芋縄 啓史, 清川 知美, 原田 剛史, ...
    2004 年 47 巻 6 号 p. 439-445
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は38歳, 男性. 10年前に近医にて糖尿病を指摘され, 5年前からメトホルミンとインスリンによる治療をうけていた. 2002 (平成14) 年8月以降, 当院で2型糖尿病, 糖尿病性腎症 (曲中クレアチニン値0.95mg/dl) と糖尿病性網膜症に対して治療を行っていた, 2003 (平成15) 年4月5日, 自殺目的でメトホルミン105錠 (26.25g) と睡眠薬を多量に内服しアルコールを多飲した. その後, 悪心, 嘔吐, 上腹部痛と意識障害が出現したため受診した. 高乳酸血症 (178.9mg/dl), 血中尿素窒素値 (128mg/dl) と血中クレアチニン値の上昇 (118mg/dl), anbngapの開大 (58.8) および代謝性アシドーシス (pH 7.219) の所見より乳酸アシド-シスおよび急性腎不全と診断し, 持続的血液濾過透析 (continuous hemodialysis filtration: CHDF) を施行した. 糖尿病に対してはインスリン療法を行った. その後, 血中クレアチニン値の低下と血糖値の改善を認め退院となった. 以上, 自殺目的でメトホルミンの多量内服後に乳酸アシドーシスと急性腎不全を発症した2型糖尿病患者の1例を報告した. この症例より, メトホルミンによる乳酸アシドーシスに対する治療には, 循環動態を安定に保てるCHDFを選択すべきであると考えた. また, 自殺目的でメトホルミンを多量に内服することがないように, 服薬状況の確認が必要であると考えた.
  • 日谷光 一郎, 山本 禎子, 竹内 忍, 宮下 洋, 白井 厚治
    2004 年 47 巻 6 号 p. 447-451
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は28歳, 女性. 2002年4月に高血糖を指摘されたが, 眼底写真では網膜症は認めず, 精査後通常インスリン療法が開始された. 4月に15.596であったHbA1c値は, 8月には7.996に減少した. 眼科所見は6月の時点で軽症非増殖網膜症であったが, 9月には中等度増殖網膜症に進行したため汎網膜光凝固を開始し, 強化インスリン療法を開始した. その後のHbA1c値は6~796で経過し, 網膜症は鎮静化した. 血糖是正に際しては, 今回のように急激に網膜症が進行する症例があるので, 血糖是正を開始する時には, 内科と眼科の密接な連携が必要であると思われた. また, 一時的に網膜症が増悪しても, 良好な血糖コントロールを継続し, 適切な時期および方法の眼科的治療を行うことによって網膜症の進行が阻止できると思われる.
  • 村岡 都美江, 吉田 洋子, 羽倉 稜子, 赤沼 安夫, 福田 全克
    2004 年 47 巻 6 号 p. 453-458
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    症例は41歳, 男性, 25歳の時著しい自覚症状を伴い急激に糖尿病を発症し, インスリン治療を開始した. 28歳当院初診し, 臨床像とインスリン分泌の低下から, 1型糖尿病と診断した. 34歳より血沈が促進し, その後3年間炎症反応が持続した. 34歳まで糖尿病網膜症を認めなかったが, 35歳突如として前増殖網膜症が出現し, 2年後にはこく軽度の出血を認める程度に著しく改善した. 39歳の時38℃の発熱, 顔面浮腫が出現し入院, 上肢血圧の左右差 (右136/58mmHg, 左112/76mmHg) と重度の大動脈弁閉鎖不全症に伴う心不全を認め, 大動脈炎症候群と診断し, 大動脈弁置換術を施行した. プレドニゾロン (PSL) 60mg開始後, 炎症反応は速やかに改善した. 網膜症は治療開始2カ月後にやや増悪したが, PSL減量に伴い再び鎮静化した. 本症例の網膜症の特異な経過に, 大動脈炎症候群が関与した可能性が考えられた.
  • 岩倉 敏夫, 井本 あかね, 池田 香織, 孫 徹, 小林 宏正, 岡田 明彦, 石原 隆
    2004 年 47 巻 6 号 p. 459-464
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は52歳, 女性. 慢性C型肝炎に対しリバビリン・インターフェロン (IFN) 併用療法を行つた.当初, 耐糖能異常及び甲状腺機能異常を認めなかったが, 開始後19週より口渇および体重減少が出現し, 翌週糖尿病性ケトアシドーシスにて緊急入院となった. 入院時HbA1c7.696, ICA陽性, 抗GAD抗体235,000U/ml, 尿中CPR18.9μ/dayであり1型糖尿病と診断し, 強化インスリン療法を行った. また, 慢性甲状腺炎の増悪による原発性甲状腺機能低下症の併発も認め, 甲状腺ホルモンの補充療法を行った. 本症例はIFN治療前の抗GAD抗体140U/mlと陽性で, HLA遺伝子では1型糖尿病に疾患感受性のある八プロタイプが検出された. このような症例はIFN治療中に十分な経過観察が必要である. IFN治療の副作用として1型糖尿病を発症する可能性があることを啓蒙していく必要性があると思われる.
  • 多田 久也
    2004 年 47 巻 6 号 p. 465-468
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Pulse wave velocity (baPWV) に及ぼすグリメピリドの効果を検討した. 対象は1年以上同量のグリベンクラミドを内服している2型糖尿病38例で, そのうち20例はそのままの治療を継続し (対照群), 18例はグリベンクラミドからグリメピリドに変更した (グリメピリド群).検討開始時 (0M), 6カ月後 (6M), 12カ月後G2M) にBMI, 血圧, 脈拍数, HbA1c, 総コレステロール, HDL-コレステロール, 中性脂肪, HOMAモデルインスリン抵抗性指数 (HOMA-IR), baPWV, ankle-brachial pressure index (APDを測定した. 検討期間中, BMI, 血圧, 脈拍数, HbA1c, 血中脂質, APIはいずれの群においても有意な変動はなく, 2群間にも有意差はみられなかった. グリメピリド群において, 12MにHOMA-IRの改善が認められたが, 対照群では変化がみられなかった. baPWVは, 対照群では変化がみられなかったが, グリメピリド群では12Mに有意に低下し, 対照群に比し低値を示した. 以上より, グリメピリドはインスリン抵抗性改善作用を介してbaPWVを改善させることが示唆された.
  • 茂久田 修, 天津 有記子, 酒井 亜以, 木村 亜紀子, 岡崎 亮
    2004 年 47 巻 6 号 p. 469-470
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病者の足の深い膿瘍の治療は切開排膿が原則であるが, 治癒後に足の変形がのこる場合が多い, 私たちは深さ8cmの細長い瘻孔を形成した足壊疽の症例を経験した. 血糖コントロール, 抗菌薬全身投与, 局所の洗浄と消毒では瘻孔の改善がみられなかったため, 1mlツベルクリン用注射器を用いて白糖ポビドンヨード配合剤を奥深く注入する方法を工夫した, この処置により, 足の変形を全くのこさず治癒をみたので報告する.
  • 2004 年 47 巻 6 号 p. 471-480
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 進, 岡 芳知, 門脇 孝, 金塚 東, 葛谷 健, 小林 正, 三家 登喜夫, 清野 裕, 南條 輝志男
    2004 年 47 巻 6 号 p. 481-487
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    糖尿病のサブタイプとして, ミトコンドリアDNA (mtDNA) 3243A-G変異による糖尿病が明らかにされた. 我が国における3243A-G変異糖尿病の臨床像の解明を目的に, 遺伝子異常による糖尿病調歪研究委員会はアンケート法で実態調査を実施した. 3243A-G変異糖尿病患者115例の解析から, 臨床像として, 低身長, やせの体型, 糖尿病診断時年齢は比較的若年であり, 糖尿病の母系遺伝を59.1%に認めた. 診断後平均3年でインスリン治療へ移行するが, GAD抗体は全例陰性であった. 感音性難聴 (92.2%), 心筋症 (30.4%), 心刺激伝導障害 (27.8%), MELAS (14.8%), pigment retinal dystrophy (13.4%) など, ミトコンドリア関連合併症を高頻度に認めた. 末梢神経障害を49.6%に認め, 有痛性末梢神経障害は18.3%と比較的高かった. 26.1%に多彩な自律神経障害を認めた. 網膜症を56.596に, 腎症を49.696に認めた. 罹病期間 (平均12.9年) の割に慢性合併症に進行例が多かった. 本研究により, 日本人3243A-G変異糖尿病患者の特徴的な臨床像が明らかになった.
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