糖尿病
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48 巻 , 2 号
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原著
  • 峯 信一郎, 岡田 洋右, 高木 一郎, 田中 綾, 森 博子, 瓜生 康平, 河原 智恵, 森田 恵美子, 田中 良哉
    2005 年 48 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    糖尿病において, インスリン感受性や動脈硬化に対する作用が注目されているアディポネクチンに対するピオグリタゾンの影響を検討する目的で, ピオグリタゾン投与中の2型糖尿病患者の血清アディポネクチンおよびMCP-1濃度を測定した. 対象は, 健常群26名, 糖尿病群109名 (食事療法単独群 : 44名, スルホニル尿素 (SU) 薬単独群 : 42名, SU薬+ピオグリタゾン群 : 18名, SU薬+メトホルミン群 : 5名) であった. 我々の検討では, (1) SU薬とピオグリタゾン併用群は, SU薬単独群やSU薬とメトホルミン併用群に比べ有意 (p<0.01) に血清アディポネクチンが上昇していた. (2) 血清MCP-1濃度は, SU薬単独群やSU薬とメトホルミン併用群に比べ, SU薬とピオグリタゾン併用群で有意 (p<0.05) に低下していた. (3) ピオグリタゾン併用による血清アディポネクチンの上昇は, 投与12カ月以前から認められた. (4) 血清MCP-1濃度は, 血清アディポネクチン濃度と有意な負の相関を示していた. 以上の結果より, ピオグリタゾン併用療法は, アディポネクチン濃度を上昇させる一方でMCP-1濃度を低下させるなど, 血糖コントロール改善効果のみならず血管障害の軽減による動脈硬化予防作用も期待され, より効果的な糖尿病治療につながる可能性が示唆された.
症例報告
  • 戎井 理, 井上 達秀, 三橋 順子, 榎本 哲也, 佐古 伊康
    2005 年 48 巻 2 号 p. 97-101
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は50歳, 男性. 7年前に糖尿病を指摘され, 2週間前に右足に熱傷を受傷, 全身浮腫が出現し受傷部が壊疽化したため入院した. WBC 21000/μl, CRP 20.7mg/dl, Alb 1.5g/dl, BUN 12mg/dl, Cr 0.6mg/dl, 尿中蛋白質12.5g/日とネフローゼ症候群を呈していた. 抗生物質とアルブミン製剤の点滴にて治療し, 炎症所見および浮腫が軽快した後, 右下腿切断術を施行した. 術翌日にABG (経鼻1L O2) : pH 7.50, pCO2 56.2toor, pO2 97.5torr, HCO3- 43.8mmol/l, BE 20.2mmol/l となった. 代謝性アルカローシスと判断し, アミノ酸製剤を投与, アルカローシスと高炭酸ガス血症は次第に軽快した. この症例の代謝性アルカローシスは, 体液量が減少した際に, 相対的にHCO3-が体内に残されたために生じた濃縮性アルカローシスと考えられた.
  • 井上 真理子, 安島 美保, 浜野 久美子, 戸塚 康男
    2005 年 48 巻 2 号 p. 103-107
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は54歳女性. 40歳糖尿病の診断, 47歳インスリン導入. 51歳腎症で蛋白制限食 (50g/day ; 0.8g/kgIBW) 開始. 54歳腎機能低下 (薬剤性) をきたし, 蛋白制限が強化され (30g/day ; 0.5g/kgIBW), 利尿薬も開始された. やがて四肢の感覚障害, 筋肉痛, 筋力低下, 歩行困難, 浮腫が出現. 感覚神経優位の軸索障害型多発神経炎の所見から糖尿病性神経障害と診断され, epalrestatが投与されたが, 症状は増悪, 握力低下でインスリン自己注射も不可能となり入院. 血中ビタミンB1濃度が6.9ng/ml であったことから, 脚気ニューロパシーと診断した. 塩酸thiamine 10mg/dayの開始により自覚症状は徐々に改善し, 心不全も改善した. 過度の蛋白制限および利尿薬投与がビタミンB1欠乏と, それによる神経障害および心不全をきたした症例と考える.
  • 佐々木 修二, 井口 登與志, 大塚 理恵, 孫田 淑代, 坪内 博孝, 佐藤 直市, 江藤 隆, 園田 紀之, 関口 直孝, 小林 邦久, ...
    2005 年 48 巻 2 号 p. 109-114
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    Subclinical Sjögren症候群を合併した1型糖尿病の2症例を報告する. 症例1は53歳女性. 2002年3月に高血糖を初めて指摘され, 3カ月間で徐々に悪化. グルタミン酸脱炭酸酵素抗体 (抗GAD抗体), 膵ラ氏島細胞抗体が陽性, 尿中Cペプチド7.8μg/日と低値で, 1型糖尿病の診断後インスリンを導入した. 抗SS-A抗体陽性でSchirmer試験, Gum試験および唾液腺生検によりSjögren症候群の合併を認めた. 症例2は50歳女性. 44歳時に糖尿病を指摘され4年後よりインスリン治療を開始. 抗GAD抗体持続高値, 尿中Cペプチド10.9μg/日と低下し, 緩徐進行型1型糖尿病 (SPIDDM) と診断. 無症状であったが各種検査所見よりSjögren症候群の合併を認めた. 2例ともに乾燥症状を認めず, 高γグロブリン血症を契機として発見されたsubclinical Sjögren症候群であった. 1型糖尿病の患者では, 無症状であってもSjögren症候群の合併を考慮すべきと考えられた.
  • 竹内 康雄, 伊藤 直人, 黒田 陽平, 横山 建二, 松山 辰男
    2005 年 48 巻 2 号 p. 115-121
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は16歳男性. 身長178cm, 体重100kg. 1カ月程前より, 口渇, 全身〓怠感, 多飲, 多尿を認めた. 近医受診時に脱水を注意され, スポーツドリンクをさらに大量に飲用し, 翌朝意識レベルが低下していたため, 当院に救急搬送された. 動脈血ガスpH 7.051, HCO3- 4.3mmol/l, 血糖1182mg/dl, 尿ケトン体 (+) より糖尿病性ケトアシドーシスと診断され入院, 集中治療室にて輸液およびインスリン治療を開始された. しかし, 大量輸液後も循環動態は安定せず, 第2病日に脳浮腫をきたした. また血液尿検査, CT所見から重症膵炎の合併も診断され, 補液, 蛋白分解酵素阻害薬, 好中球エラスターゼ阻害薬, 抗生物質を含む全身管理がなされた. 経過中症状は改善し, インスリン投与は不要となった. 退院時, 糖負荷試験では境界型を呈した. 本症例は, 清涼飲料水ケトーシスに引き続き脳浮腫, 重症膵炎を発症しており, 若年肥満者の清涼飲料水ケトーシスに著明な脱水, 高浸透圧状態を伴って起こりうる病態のひとつとして注意する必要がある.
  • 大〓 昌孝, 粟田 卓也, 犬飼 浩一, 中島 洋平, 渡邉 昌樹, 大久保 智子, 栗原 進, 根田 保, 澤 貴広, 片山 茂裕, 土田 ...
    2005 年 48 巻 2 号 p. 123-129
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    色素性痒疹は掻痒の強い紅色丘疹を発作性に生じ, そのあとに粗大な網目状の色素沈着を残す炎症性皮膚疾患であるが, 糖尿病の合併の報告が散見される. 今回, 色素性痒疹を合併した1型糖尿病を2例経験した. 症例は, 28歳, 31歳の女性. ともに糖尿病の発症時に高度のケトーシスと紅色痒疹が出現した. 第1例ではミノサイクリンを投与したが, 第2例では投与せず, インスリン治療開始後に両者の紅色痒疹は軽快した. 抗GAD抗体は第1例のみ陽性であったが, 抗IA-2抗体はともに高抗体価で陽性であった. HLAでは, 第1例は1型糖尿病感受性のタイプであったが, 第2例は感受性のタイプではなかった. 色素性痒疹の発症には高ケトン血症の関与が提唱されているが, 抗IA-2抗体と関連する自己免疫的な交叉反応が1型糖尿病と色素性痒疹の発症に関与する可能性も考えられる. 今後の症例の蓄積と免疫学的な検討が必要である.
  • 徳山 芳治, 石塚 俊治, 金塚 東
    2005 年 48 巻 2 号 p. 131-134
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は45歳女性. 巨大児出産歴あり. 父親が糖尿病. 職場検診で尿糖陽性を指摘され来院. トレーランG®を用いた経口糖負荷試験 (OGTT) では負荷後の血糖の上昇が全くみられなかったが, ブドウ糖を用いた試験では正常反応, マルトースを用いた試験では遅延反応を示した. 経静脈糖負荷 (IVGTT) によるインスリン分泌能とミニマルモデル解析では耐糖能異常を示した. 本症例では, 多糖類の分解吸収障害のために, トレーランG®負荷では吸収が遅延し, ブドウ糖負荷と乖離したと考えられた. OGTTでは異常なくても, IVGTTを用いた解析では異常を示す場合があり, 耐糖能障害が疑われる場合はIVGTTがその診断に有用であろう.
コメディカルコーナー・原著
  • 武井 司, 平松 慶子, 森 瞳, 藤原 恵子, 西村 一弘, 酒井 雅司, 貴田岡 正史
    2005 年 48 巻 2 号 p. 135-137
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    【目的】訪問栄養食事指導の高齢糖尿病者への治療効果を検討する. 【方法】実践栄養指導勉強会の管理栄養士に訪問栄養食事指導の実績調査を行い, 訪問栄養食事指導を6カ月以上継続した要介護認定高齢糖尿病症例について前後の血糖管理状況を比較した. 【成績】訪問栄養食事指導の応需は管理栄養士7名 (約10%), 4医療機関 (約9%) のみ. 継続的訪問栄養食事指導在宅症例は計14例 (男5, 女9). 薬物療法推移は, 減量8例 (sign test, p<0.05), 増減なし5例, 増量1例. HbA1cは, 開始前7.7±1.5%, 3カ月後6.9±1.0% (paired t-test, p<0.05), 6カ月後6.6±1.0% (p<0.01) に改善していた. 【総括】訪問栄養食事指導が要介護認定高齢糖尿病者の血糖管理改善に寄与し, 薬物療法の減量につながることを明らかとした. しかし, 訪問栄養食事指導を行う機関・管理栄養士はまだ少ない.
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