糖尿病
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48 巻 , 9 号
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特集 糖尿病性腎症の成因と病態
原著
  • 稲田 扇, 西村 周三, 清野 裕, 津田 謹輔
    2005 年 48 巻 9 号 p. 677-684
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    本研究は2型糖尿病患者の外来医療費とその発生に影響を及ぼす要因を調査し, 1回当たり外来医療費と年間外来回数の関係を明らかにすることを目的にした. 京都大学付属病院で治療中の2型糖尿病患者161名の診療報酬明細書 (2002年) を調査したところ, 糖尿病科の1人当たり年間外来医療費および1回あたり外来医療費は, 合併症なしで130,473±104,147 (Mean±SD) 円および13,046±7,568円, 合併症1種類151,431±130,529円および16,206±10,777円, 2種類240,088±148,022円および18,357±10,409円, 3種類263,150±141,754円および23,739±11,068円, 4種類355,343±177,080円および30,822±16,148円であった. 外来医療費の発生要因を重回帰分析したところ, インスリン治療が全体の医療費を大きく引き上げていたことがわかった. 1回当たり外来医療費と年間外来回数の相関分析したところ, 年間外来回数が多いほど1回当たり外来医療費が高い患者が多く存在すること (正の相関) が明らかになった. また, 同じ治療法, 同じ年間外来回数の患者でも医療費には個人差があった. このことは, 糖尿病科には患者の種類が多様で, 個々に合わせた治療が必要であることを示している. したがって医療費削減政策に即して外来回数を減らす薬の長期投与をすれば, 一時的には医療費削減効果が上がるかもしれないが, 年間外来回数の減少によって治療効果を下げ, 長期的にはかえって医療費を引き上げる可能性があり, 慎重な対応が望まれる.
  • 税所 芳史, 丸山 太郎, 今井 孝俊, 島田 朗, 鈴木 裕也
    2005 年 48 巻 9 号 p. 685-691
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    超速効型インスリンとNPHヒトインスリンで強化インスリン療法中の血糖コントロールが不十分な46名の1型糖尿病患者を対象とし, NPHヒトインスリンからインスリングラルギンへ変更後6カ月間の血糖コントロールについて検討した. 平均HbA1cは変更2カ月後より有意な低下を認め, 6カ月後には全体で1.1%の低下を示した (8.6±1.1%→7.5±0.9%, p<0.0001). 変更6カ月後の平均1日総インスリン使用量は有意な増加を認めたが体重増加は認めず, 問診による低血糖の頻度は減少した. 変更後HbA1c 1%以上の改善を認めた改善群とそれ以外の非改善群との比較では, 改善群で変更前HbA1cの高値を認め, 全例での検討では変更前HbA1c値と変更後のHbA1c改善度に有意な正相関を認めた (r=0.679, p<0.0001). 以上より, 日本人1型糖尿病患者においても, 特に血糖コントロールの不十分な患者においてインスリングラルギンの使用は有用と思われた.
症例報告
  • 猿井 宏, 武田 則之, 小島 孝雄
    2005 年 48 巻 9 号 p. 693-697
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は44歳, 女性. 1998 (平成10) 年C型慢性肝炎に対してインターフェロン (以下, IFN) α-2b投与. その後甲状腺機能低下症認められ, チラーヂンS補充開始. 2003 (平成 15) 年4月よりIFNα-2b, リバビリン投与開始. 同年8月末頃より著明な口渇, 全身〓怠感出現. 血糖517mg/dl, HbA1c 6.4%指摘され, 同年9月当科入院. 尿ケトン陽性, 尿中CPR 2.8μg/dayと劇症1型類似の病態を示した. 抗GAD抗体は40,400 U/ml と著明高値. 入院後, IFN, リバビリンの投与中止し強化インスリン治療開始. HLA検査では1型糖尿病および橋本病の関連遺伝子といわれるDR 4, DR 53を認めた. 2回目のIFN開始時からの保存血清での検討では抗GAD抗体は開始前より陽性であったが, 開始4カ月目に糖尿病の発症とともに抗体価が急激に上昇した. 本例は自己免疫性1型糖尿病と考えられるが, 劇症1型の診断基準を満たした. 本邦でのIFNによる1型糖尿病報告例の検討では, 劇症型の診断基準を満たす症例は本例のみであった.
  • 秋山 純子, 根本 泰宏, 瀬戸 洋平, 塩尻 俊明, 松永 高志, 橋本 尚武, 吉田 象二, 樋口 恵理, 永山 博敏, 鈴木 良夫
    2005 年 48 巻 9 号 p. 699-704
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例1は狭心症によるバイパス手術, 胃癌手術, C型肝炎のある73歳の糖尿病男性. 急速な腎機能低下とともに両足趾の黒色化, 疼痛出現. 組織検査にてコレステロール結晶塞栓症と診断した. 症例2は狭心症の多枝病変にて冠動脈形成術の既往のある74歳の糖尿病の男性. 両足趾の疼痛と変色あり. 腎機能低下はなく足背側部組織所見にてコレステロール結晶塞栓症と診断された.
    症例1では血小板数低下がみられ, スタチンとともにプレドニン30 mg/日より使用し, 一時は血小板数, 腎機能の回復がみられたが, 心筋梗塞を再発して死亡した. 症例2ではスタチンにプレドニン15 mg/日併用し, 改善. 外来にてプレドニン漸減できた. 重症度にもよるが, 早期治療の必要な疾患であり, 糖尿病患者に多く合併することが報告されており貴重な症例と考えここに報告した.
  • 赤堀 弘, 西村 泰行
    2005 年 48 巻 9 号 p. 705-709
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    症例は62歳, 男性. 1993年5月に慢性C型活動性肝炎と診断され, インターフェロン (以下, IFNと略す) 療法を施行された. 2回施行後, ブドウ糖負荷テストは正常型であった. 2002年12月よりリバビリン併用IFN療法3回目を開始した. 2003年1月頃より口渇, 体重減少, 全身〓怠感が出現し, 3月に随時血糖値469 mg/dl, HbA1c 6.5%と高血糖を認めた. 抗GAD抗体価は, IFN2回目終了後に陽性となり, 糖尿病発症時に異常高値を示した. 内因性インスリン分泌の低下も認め, 1型糖尿病と診断した. HLA typingでは1型糖尿病に疾患感受性のあるハプロタイプを認めた. HLAなどの遺伝的背景をベースに, 繰り返すIFN治療を契機として自己免疫反応が惹起され, 1型糖尿病の発症に至ったと推察される. IFN治療において抗GAD抗体価を定期的に検査することは1型糖尿病発症の予知, 早期発見に有用である可能性が示唆された.
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