発症年齢が同じ28歳であった1型糖尿病の親子例を経験した.HLAの検索では,父はA11, A33, B62, B44, DRB1
*0901-DQB1
*0303, DRB1
*1302-DQB1
*0604であった.子はA24, A33, B60, B44, DRB1
*0405-DQB1
*0401, DRB1
*1302-DQB1
*0604であった.親子の発症年齢は共通しているが,疾患感受性HLAは異なり,父は比較的緩徐に進行,一方,子は急速に進行している.父は日本人において疾患感受性と報告があるDPB1
*0201を有していた.DR13の疾患感受性に関してはこれまで中立とされているが,親子発症例ではその頻度が32%であり,日本人における一般的頻度5∼7%に比べ高頻度であった.検索し得た1型糖尿病の親子16家系のHLAについて文献的考察を行った.
抄録全体を表示