糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
51 巻 , 8 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
  • 浅野 貴子, 川村 光信, 渡辺 孝之, 阿部 麻希子, 陳 里菜, 宮崎 滋, 平田 結喜緒
    2008 年 51 巻 8 号 p. 759-763
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    24時間蓄尿Cペプチド(U-CPR)を空腹時血糖(FPG)で補正(U-CPR/FPG)した尿中Cペプチド補正値(UCC)および血中Cペプチド(S-CPR)をFPGで補正(S-CPR/FPG×100)したC peptide index (CPI)が,2型糖尿病(DM)患者のインスリン要否判定に有用と報告されている.今回,両者の整合性および有用性を比較検討した.【方法】2004年4月から2005年10月までに入院した2型DM患者(398人)で,重篤な合併症を有する患者,観察終了時の2006年10月までに転院したり通院を中断した患者,経口薬治療(O)群や食事療法(D)群で観察期間中HbA1c 8%以上のコントロール不良患者を除外した180人を解析対象とした.観察終了時の治療法によりインスリン治療(I)群,O群,D群に分類,入院時のUCCとCPIを比較検討した.【結果】UCC, CPI共にI群はD群,O群よりも有意(p<0.001)に低値であった.ROC曲線では両者はいずれも尿CPR, 血中CPRよりも有用性が高く,かつ相互の有用性に差はなかった.【結論】UCCとCPIはいずれも,2型DM患者の約2年後のインスリン要否が判定できる有用な指標と言える.
症例報告
  • 櫻井 華奈子, 高橋 昭光, 宮原 尚子, 岩崎 祐子, 鈴木 浩明, 島野 仁, 山田 信博
    2008 年 51 巻 8 号 p. 765-770
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    症例は52歳,男性.11年来の糖尿病があり,歩行時の息切れを主訴に入院.HbA1c 3.9%, 増殖性網膜症,顕性腎症(3B期)とともに,アキレス腱反射消失,下肢振動覚低下の末梢神経障害を認めた.合併する肝硬変,低アルブミン血症による両側胸水はフロセミド投与後消失するも労作時呼吸困難(dyspnea on exertion: DOE)は持続.心電図,心エコー図法では異常を認めず,呼吸機能検査でも軽度閉塞性障害を認めたのみであった.またシェロングテストは立位2分後に55 mmHgの血圧低下を認め陽性,心電図R-R間隔変動(CVR-R)低下を認め,123I-MIBG (123I-metaiodobenzylguanidine)心筋シンチグラフィー,心拍変動パワースペクトル解析でも心臓自律神経の重篤な障害が示唆された.運動負荷試験(平地80 m歩行)で心拍数増加および収縮期血圧上昇を認めなかったが,メチル硫酸アメジニウム投与にて心拍数増加および収縮期血圧上昇を認め,症状の著明な改善を認めた.本例では運動時の心拍数増加不良によりDOEを呈したと考えられた.
  • 安芸 菜奈子, 松下 玲子, 三浦 順之助, 柳沢 慶香, 佐倉 宏, 八辻 賢, 橋本 悦子, 白鳥 敬子, 岩本 安彦
    2008 年 51 巻 8 号 p. 771-776
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    症例は55歳女性.19歳時,下垂体腺腫摘出術を施行.術後,ホルモン補充療法が行われたが,数年後に治療中断.48歳時,糖尿病を指摘されたが放置.55歳時,再度HbA1c 10.8%とコントロール不良の糖尿病を指摘され当科入院.入院時,高脂血症,肝機能障害の合併および,内分泌検査で成長ホルモン分泌不全,中枢性性腺機能低下症,甲状腺機能低下症を認めた.画像診断では,肝の変形,脾腫,脾腎シャントを認めた.肝機能障害の原因は,ウイルス,自己免疫,アルコール性は否定的であり,肝生検を施行し非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis: NASH), 肝硬変と診断した.血糖コントロールは超速効型インスリンの投与で改善した.本症例は下垂体腺腫摘出術後GH分泌不全状態にあったが,長期間にわたりホルモン補充療法が行われなかったため,NASHを発症し,肝硬変まで進展したと推測された.
  • 濱本 純子, 岡内 省三, 瀬分 淑子, 蛭川 英典, 木村 友彦, 辰巳 文則, 菅田 有紀子, 川崎 史子, 柱本 満, 松木 道裕, ...
    2008 年 51 巻 8 号 p. 777-781
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    症例は83歳女性.発作性心房細動(paroxysmal atrial fibrillation: Paf)に対して,2007年9月から塩酸ピルジカイニドをコハク酸シベンゾリン(CZ) 300 mg, 塩酸ベラパミルを投与され,11月下旬から嘔気・嘔吐,食欲不振,全身倦怠感のため近医を受診した.血糖値25mg/dlと低血糖を認め入院した.入院翌日から,CZによる低血糖を考えて同剤を中止した.5%ブドウ糖液を持続点滴静注したが,血糖値30∼70 mg/dlの遷延性低血糖を示した.低血糖の原因を検索する目的で12月上旬に当科に入院した.低血糖発症時に内因性インスリンの分泌亢進があり,当科入院後に行った絶食試験は陰性で,画像所見でも異常所見なく,インスリン抗体も陰性であった.低血糖時のCZ血中濃度は1,868 ng/mlと著明な高値を示し,CZによる低血糖と診断した.本症例は軽度の腎機能低下にもかかわらず,利尿剤内服および食事摂取不良に伴う脱水がさらなる腎機能悪化を惹起させ,CZ血中濃度の異常上昇を認めた高齢者であり,CZ血中濃度の経時的変化と臨床経過の詳細が確認できた興味深い症例と考え報告した.
  • 菅野 尚, 澤田 真知, 土山 芳徳, 三宅 晋, 大澤 春彦, 牧野 英一, 深田 順一
    2008 年 51 巻 8 号 p. 783-790
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    症例は17歳の女性.生来,健康であったが,10歳前後より顔,四肢,体幹の脂肪組織量が減少しはじめた.本院初診時,インスリン抵抗性,皮下脂肪組織の著しい減少,脂肪肝,高脂血症,基礎代謝亢進に加え,白髪を混じた頭髪,過度に角化した皮膚,くも状指などを随伴し,後天性全身性脂肪萎縮性糖尿病と診断した.in vitroでEBウイルスにより不死化した患者リンパ球のインスリン結合能は正常コントロールの約1/2であった.経過中,患者はインスリン分泌の低下とともに1,000単位/日以上のインスリンによっても血糖が低下せず著明なインスリン抵抗性を認め,血糖コントロールに困難を極めた.一方ピオグリタゾン投与に伴って血糖コントロールの改善とともに体脂肪率の増加,血中レプチン・アディポネクチン濃度の上昇を認め,同時に肝臓の溶積増加,両側腋窩への脂肪腫の出現を伴った.
  • 山田 麻紀, 藤本 啓, 吉原 理恵, 坂本 敬子, 西村 理明, 根本 昌実, 内潟 安子, 田嶼 尚子
    2008 年 51 巻 8 号 p. 791-796
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    症例は64歳の男性.32歳時に高血糖を指摘されたが放置していた.44歳時に2型糖尿病と診断され経口血糖降下薬を開始,63歳時にHbA1c 8%台へ増悪し,強化インスリン療法を開始した.その後HbA1c 6.2%まで改善したが,2006年6月(64歳)頃から血糖が不安定となり入院した.24時間持続血糖測定(continuous glucose monitoring, 以下CGM)を施行し,日中の高血糖と早朝の低血糖を認めた.内因性インスリン分泌低下と抗GAD抗体陽性から,1型糖尿病と診断した.低血糖時に総インスリン量1,500 μU/ml, インスリン抗体結合率84%と高値であることから,インスリン製剤に対する抗体が血糖不安定性の原因と考えられた.スキャッチャード解析では抗体は親和性が低く,結合能が高いIAS(Insulin Autoimmune Syndrome, 以下IAS)と類似の性質をもつ抗体であった.この抗体は,ヒトインスリン,インスリンアナログ製剤いずれにも親和性を認めた.インスリン治療中に生じたインスリン抗体が血糖不安定性の原因と考えられ,CGMにより血糖の日内変動を把握し,超速効型インスリンアスパルトの2回注射とVogliboseにより血糖コントロールの改善を観察しえた1例を経験したので報告する.
コメディカルコーナー・原著
  • 多崎 恵子, 稲垣 美智子, 松井 希代子, 村角 直子
    2008 年 51 巻 8 号 p. 797-802
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/05/20
    ジャーナル フリー
    糖尿病教育における看護師のチーム連携の意識や実践意欲の実態を教育スタイル別に明らかにし比較することを目的に,質問紙による全国調査を行い1,096通の有効回答を得た.その結果,看護師のチーム連携の意識や自信・意欲は「心に密着し生活心情がみえているスタイル」で最も高く,次いで「冷静で距離をおく生活心情がみえているスタイル」であった.最も低かったのは「一般的知識を提供するスタイル」であり,このスタイルの看護師に対し,チーム連携の意識や自信・意欲が持てるよう何らかの支援が必要と考えられた.また3スタイルとも,他職種から信頼されている手応えは比較的低い傾向であり,現行の患者教育への満足感も低い結果であった.看護師の他職種とのチーム連携の意識を高めるとともに,各職種が医療チームとして連携できるシステム整備の重要性が示唆された.
feedback
Top