糖尿病
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53 巻 , 12 号
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原著
  • 鈴木 浩, 藤田 浩, 西村 滋子, 加藤 みよ子, 水田 陽子, 安田 睦子, 寺山 義泰, 長澤 薫, 下条 正子, 木下 博之, 薬師 ...
    2010 年 53 巻 12 号 p. 823-828
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/17
    ジャーナル フリー
    [目的]Hct補正機能を有する簡易血糖測定器(BS機器)の精度を評価する際にHctを人工的に調整した検体を使用することの妥当性について検討した.[方法]Hctを人工的に調整した検体と多血を含む臨床検体の全血血糖をGOD電極型BS機器で測定するともに,それらの検体の血漿血糖を全自動分析装置で測定し両者の乖離を検討した.[結果]臨床検体の測定値はBS機器と全自動分析装置での結果に乖離は無かったが,Hctを人工的に調整した検体ではHctの上昇に従いBS機器で測定した全血血糖は全自動分析装置で測定した血漿血糖より低値となった.[結論]人工的Hct調整検体はBS機器の精度評価には不適切であり,BS機器の精度評価は臨床検体で行うことが必要と考えられた.
症例報告
  • 小林 寛和, 安田 尚史, 河野 泰博, 明嵜 太一, 森山 啓明, 原 賢太, 櫻井 孝, 永田 正男, 横野 浩一
    2010 年 53 巻 12 号 p. 829-833
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/17
    ジャーナル フリー
    症例は72歳男性.53歳時より尋常性白斑を認め,55歳時に1型糖尿病と診断され,以後通院加療中であった.68歳時より胸部不快感があり,胸部CTにて食道拡張を認めたため,精査加療目的にて入院となった.血液検査にてHbA1c 8.9%(以下HbA1cはJDS値で表記(糖尿病53:450-467,2010)),抗GAD抗体8679.3 U/mlと高抗体価,FT3,FT4,TSHは正常範囲内であったが,抗Tg抗体陽性,抗TPO抗体陽性であり,1型糖尿病,自己免疫性甲状腺疾患,尋常性白斑の合併を認めることより多腺性自己免疫症候群3C型と診断した.また,上部消化管内視鏡検査および食道内圧モニタリングにて食道アカラシアと診断した.本症例のように多腺性自己免疫症候群を呈した抗GAD抗体強陽性1型糖尿病に食道アカラシアを合併した報告は稀である.最近,食道アカラシアに抗GAD抗体陽性率が高いとの報告がなされており,食道アカラシア発症に自己免疫機序の関与も示唆される点でも興味深かった.
  • 橋本 佳明, 三神 昌樹, 松本 壮一, 井上 富夫, 熊坂 一成
    2010 年 53 巻 12 号 p. 834-838
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/17
    ジャーナル フリー
    症例は軽度の僧帽弁逸脱症と空腹時血糖高値を指摘されていた71歳の男性.約2ヵ月間持続する38℃台の発熱を主訴に当院外来を受診し,感染性心内膜炎の疑いで入院となった.体温37.9℃,BMI 29.2 kg/m2で,心尖部に最強点を有するLevine 2度の高調収縮期雑音が聴取された.白血球 8000/μl,CRP 7.56 mg/dl,HbA1c 7.6%(以下HbA1cはJDS値で表記(糖尿病53:450-467,2010))で,静脈血培養からstreptococcus mutansが検出されたが経食道心超音波検査で疣腫を認めず菌血症と診断した.感染性心内膜炎で生じる塞栓症検索を目的に行った腹部CT検査で偶然に直腸腫瘤が発見され,内視鏡検査と生検により2型直腸癌と診断した.菌血症に対して4週間の抗菌薬治療を行い,その後開腹手術により直腸癌を切除した.糖尿病患者では菌血症や大腸癌の発症率が高く,まれには両疾患が独立して合併しうると考えられるが,本症例では直腸癌がstreptococcus mutansの侵入門戸であった可能性もある.因果関係の有無については今後の症例報告の蓄積を待ちたい.
  • 大場 健司, 森田 浩, 川合 弘太郎, 釣谷 大輔, 佐々木 茂和, 沖 隆, 中村 浩淑
    2010 年 53 巻 12 号 p. 839-844
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/17
    ジャーナル フリー
    症例は58歳男性. 1988年に前医で2型糖尿病と診断されペンフィル®N注を開始された.2001年に当科を紹介受診したが2002年に通院を自己中断した.2004年7月,白内障にて当院眼科を受診.随時血糖296 mg/dl,HbA1c 15.4%(JDS値)より当科へ紹介入院した.ノボリン®R注,N注による強化療法を開始.血糖値は改善したが3週間でAST 409 IU/l,ALT 498 IU/l,ALP 458 IU/lと肝機能が悪化.併用薬はなく,DDW-J2004薬物性肝障害ワークショップのスコアリングは10点(5点以上:可能性が高い)に該当し,薬物性肝障害が強く疑われた.インスリンアナログ製剤であるヒューマログ®注とランタス®注を併用し,高血糖と肝障害は改善した.インスリン製剤による薬物性肝障害は稀である.本症例はヒトインスリンからインスリンアナログ製剤への変更により肝障害が消失し,興味深い症例と考えられた.
  • 中村 武寛, 高井 智子, 山下 修司, 片山 聡, 武部 礼子, 中川 智広, 城 洋志彦, 臼杵 則朗
    2010 年 53 巻 12 号 p. 845-849
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/17
    ジャーナル フリー
    症例は33歳男性.2型糖尿病で外来通院中であったが,血糖コントロール不良で腎症第4期など合併症が進行していた.糖尿病神経障害によると思われる起立性低血圧を繰り返すため,降圧剤を中止し昇圧剤を投与したところ,血圧の急激な上昇とともに意識レベルが低下し,痙攣を生じた.頭部MRIの所見および経過により,可逆性後頭葉白質脳症(Reversible posterior leukoencephalopathy syndrome;以下RPLS)と診断した.昇圧剤投与による急激な血圧上昇,進行した腎症,腎性貧血に対するエリスロポイエチン製剤投与,自律神経障害などの複数の要因が発症に関与したと考えられた.糖尿病合併症の進行した高血圧患者において,起立性低血圧に対して昇圧剤を投与する際には,RPLS発症の危険があり,十分な注意が必要である.
コメディカルコーナー・原著
  • 松本 信子, 柴田 敏朗, 川嶋 修司, 熊田 瑛子, 坂野 敦子, 棚橋 忍
    2010 年 53 巻 12 号 p. 850-853
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/17
    ジャーナル フリー
    インスリンを使用している患者のほとんどは血糖自己測定機器(SMBG機器)を使用し,血糖コントロールに役立てている.毎年冬季になるたびにSMBG機器に不具合が生じるとの患者の声を少なからず聞き,その詳細を調査するとともに,国内で販売されている5機種を用いて低温環境の測定値への影響について検討を行った.その結果,機種によって測定値が高めにでるものや低めにでるものなど,また試料の濃度によって大きく影響されることが判明した.寒冷地で使用されるSMBG機器は,それぞれの機器の特性を理解した上で測定環境温度条件が低く設定されているものを選択することが重要であり,使用環境も考慮した指導が必要である.
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