糖尿病
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54 巻, 3 号
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特集 糖・脂質代謝異常の新たな治療戦略
原著
  • 川合 弘太郎, 森田 浩, 望月 晴子, 平原 直子, 久吉 未希子, 井村 満男, 近藤 真言, 佐々木 茂和, 沖 隆, 中村 浩淑
    2011 年54 巻3 号 p. 175-182
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/22
    ジャーナル フリー
    糖尿病は冠動脈疾患のrisk factorであることが明らかであり,特に他の動脈硬化病変を有する患者は冠動脈疾患を合併する確率が高いとされている.近年冠動脈の評価方法として冠動脈Multidetector Computed Tomography(MDCT)が実用化された.今回我々は教育入院中の2型糖尿病患者140名に64列冠動脈MDCTおよび頸動脈エコーを行い,頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(intima-media thickness, IMT)肥厚などの頸動脈病変と冠動脈病変の関連および冠動脈MDCTの有用性やその適応について検討を行った.64列冠動脈MDCTで冠動脈異常を認めた患者が71名(50.7%)と高率に認められ,全員が無症状であった.11年以上の罹病期間を持つ群や高血圧を有する群,brachial-ankle pulse wave velocity(baPWV)が1600 m/sを超える群,max IMTが0.9 mm以上の群,頸動脈エコーでプラークを認めた群はそうでない群に比べ冠動脈異常を認めた患者が多かった.冠動脈異常を認めた群は異常を認めなかった群と比べmax IMTは有意に肥厚していた(0.909±0.222 mm vs 0.775±0.246 mm, p<0.01).2型糖尿病患者は無症候であっても,冠動脈MDCTで異常を呈する患者が高率に存在することが示唆された.特にmaxIMTが肥厚している患者では異常を呈する率が高く,冠動脈MDCTはスクリーニングに有用であると考えられた.
症例報告
  • 工藤 忠睦, 明比 祐子, 蘆田 健二, 竹之下 博正, 永石 綾子, 目連 順子, 橋本 陽子, 永迫 久裕, 寺脇 悠一, 柳瀬 敏彦
    2011 年54 巻3 号 p. 183-186
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/22
    ジャーナル フリー
    症例は59歳の男性.8年前に糖尿病を指摘され治療をしていたが自己中断していた.6ヶ月前より咳嗽が出現し始め,体重減少,全身倦怠感,発熱も認めた.症状が軽快しなかったため当院を受診した.HbA1c 10.5%(以下HbA1cはJDS値で表記(糖尿病53:450-467, 2010)),空腹時血糖252 mg/dlと血糖コントロール不良のため入院となった.胆道系酵素の上昇を認め,腹部造影CTを施行したところ,肝臓S7, S8領域に分葉状の膿瘍形成を認めた.経皮経肝肝膿瘍ドレナージを施行したところ排液からY. Pseudotuberculosisが同定された.同菌の成人発症例は少なく,さらに多発性肝膿瘍の合併報告例は文献的にも過去2例の報告を見るのみであり,貴重な症例を経験した.
  • 佐々木 衛, 東 宏一郎, 小澤 裕理, 森本 二郎, 鈴木 裕也, 丸山 太郎
    2011 年54 巻3 号 p. 187-191
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/22
    ジャーナル フリー
    症例は診断時58歳,男性.1988年,体重減少を主訴に近医を受診し糖尿病と診断された.当院に教育入院し,SU薬で良好なコントロールを得たが,1990年より血糖コントロール不良となり,1991年にインスリンを導入された.1990年の保存血清でGAD抗体が1.112(cut off値:0.02)と陽性であることが判明し,緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)と診断された.2007年にはインスリン分泌が枯渇状態となり,GAD抗体は14.9 U/mlと減少した.同年に大腸癌が発見され,手術時に患者,家族の承諾を得て膵生検を施行した.膵組織所見は,膵島面積が減少し,正常膵島はほとんど認められなかった.β細胞はほとんど消失し,明らかな膵島炎を認めず,1型糖尿病長期経過例の膵組織所見と類似していた.過去に報告されたGAD抗体陽性の膵組織所見と比較すると,高抗体価の場合には臨床的,組織学的に1型糖尿病と類似する点が多かった.
コメディカルコーナー・原著
  • 遠藤 美智子, 松岡 孝
    2011 年54 巻3 号 p. 192-199
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/22
    ジャーナル フリー
    食酢は食後血糖値の上昇を抑制すると言われている.一方,食後血糖曲線は同一食品をほぼ同一条件で摂取しても個人差が非常に大きい.そこで健常な21歳の女子大学生13名を対象に,糖質を50 gに統一した検査食に食酢を組合せ,簡易型自己血糖測定器で食後の血糖値を経時的に測定し,個人別に食酢の食後血糖上昇抑制効果を検討した.炭水化物単独で摂取するより食酢を組み合わせた方が,食後血糖値の上昇は抑制された.米飯摂取後の血糖上昇曲線下面積で順位づけし,2分割とした下位の群を血糖低上昇群,上位の群を血糖高上昇群に分け検討した.血糖低上昇群では食酢の効果は軽度であったが,血糖高上昇群では食酢摂取後の血糖値は有意に低下した.また,食酢の食後血糖上昇抑制効果は10 mlでも認められるが,20 mlの方がより効果的であった.血糖高上昇群に食酢の効果が認められたことから,耐糖能異常に対して食酢が有効である可能性が示唆された.
地方会記録
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