糖尿病
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54 巻 , 4 号
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特集 1 型糖尿病治療の新しい知見
原著
  • 長山 浩士, 柿沢 圭亮, 大川 雄太, 森田 浩, 沖 隆, 中村 浩淑
    2011 年 54 巻 4 号 p. 271-276
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/11
    ジャーナル フリー
    2007年4月から2010年3月まで3年間に経口血糖降下薬による低血糖性昏睡で入院加療を要した27名を検討した.平均年齢は79.4±9.4歳と高齢で,HbA1cは平均6.1±0.8%と低値であった.27名中26名でスルフォニルウレア薬(以下SU薬)が使用されており,その内グリメピリドが16例と最も多く,ついでグリベンクラミドが8名,その他SU薬が2名であった.診療を受けている医師は糖尿病専門医が5名で,残りの22名は専門医以外の診療を受けていた.また低血糖を起こした際の体調に,食事摂取不良や嘔吐,下痢などの症状をみたものが19名(71%)と多かった.高齢者にSU薬を投与する場合,低血糖に注意しながら,シックデイの教育が必要であると考えるが,かかりつけ医による診療を受けていることが多く,広く糖尿病診療・教育の啓蒙が必要である.
症例報告
  • 井上 謙太郎, 神崎 資子, 松下 裕一, 寺見 隆宏, 伊勢田 泉, 藤原 慶一, 寺見 桃子, 柏原 宏美, 米井 敏郎, 和田 淳, ...
    2011 年 54 巻 4 号 p. 277-281
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/11
    ジャーナル フリー
    症例は63歳の女性.平成3年近医にて骨盤内腫瘍を指摘され外科的摘出術を施行.平成15年再発が認められ,二度目の摘出手術を施行し,孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor;以下SFTと略す)と診断された.平成17年SFTの再発・多臓器転移を認め,化学療法施行するも抗腫瘍効果は得られなかった.経過中低血糖発作を頻回に繰り返したため,精査を施行.低血糖時高インスリン血症を認めず,各負荷試験でもインスリン分泌は抑制されており,インスリノーマは否定的であった.Western blottingにて通常のインスリン様成長因子(insulin-like growth factor;以下IGFと略す)―IIに比べ高分子量のBig IGF-IIの存在が確認された.低血糖に対してブドウ糖の持続投与で効果は十分でなかったが,ステロイド投与を開始したところ血糖は安定し低血糖から回避され,Big IGF-IIのバンドは減弱した.本症例は腫瘍から産生されたBig IGF-IIの低血糖への関与が示唆され,非β細胞腫瘍性低血糖症(Non-Islet Cell Tumor Hypoglycemia)と診断した.
  • 関 洋介, 笠間 和典, 中神 朋子, 岩本 安彦, 清水 英治, 吉川 絵梨, 中里 哲也, 園田 和子, 根岸 由香, 梅澤 昭子, 黒 ...
    2011 年 54 巻 4 号 p. 282-287
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/11
    ジャーナル フリー
    症例は41歳,男性.体重132 kg, BMI 52.2 kg/m2. 2型糖尿病,脂質異常症,高血圧,高尿酸血症,睡眠時無呼吸症候群を有し,肥満に対し数回の入院を含め18年にわたる内科的治療を行うも奏効しなかった.糖尿病細小血管症の進行,肥満随伴疾患の増悪を認めたため外科的治療目的で当院初診し,腹腔鏡下スリーブバイパス術を施行された.術後より経口血糖降下剤を中止したが,HbA1cは低下,5%台(以下HbA1cはJDS値で表記(糖尿病53: 450, 2010))で経過.術後6ヶ月目に施行した75 g経口ブドウ糖負荷試験では正常型を示した.術前認められた尿蛋白は術後6ヶ月目以降陰性化し,術後1年目には単純網膜症のグレードが低下,肥満随伴疾患も改善,術後14ヶ月目の体重は63.5 kg, BMI 25.8 kg/m2である.内科治療抵抗性高度肥満2型糖尿病において外科治療による減量や代謝異常改善の短期的効果は極めて良好であった.今後,外科治療の長期的効果や安全性を注意深く観察する予定である.
  • 井泉 知仁, 鈴木 亨, 本藏 理恵子, 平井 敏, 松本 雅博, 赤井 裕輝, 安本 明浩, 松村 直樹, 徳村 弘実, 岡 芳知, 片桐 ...
    2011 年 54 巻 4 号 p. 288-293
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/11
    ジャーナル フリー
    症例は21歳男性.これまで糖尿病は指摘されていなかったが,2009年1月初め頃より口渇が出現し,ソフトドリンクを多飲していた.同月末に嘔吐,意識障害を主訴に救急病院を受診,著明な高血糖と尿ケトン体,代謝性アシドーシスの存在から糖尿病性ケトアシドーシスの診断となり当院に転送された.大量補液とインスリン持続投与により,翌日には血糖,アシドーシスともに改善したが,高熱,腹部症状の増悪がみられ,腹部CTにて腸管壊死が疑われた.緊急開腹手術となり壊死腸管を切除するも状態は改善せず,敗血症性ショックから多臓器不全をきたし死亡した.切除標本では動脈硬化や血栓性閉塞の所見は認められず,非閉塞性腸間膜虚血と診断した.若年者において糖尿病性ケトアシドーシスに同疾患を併発した症例報告はこれまで非常に少なく,本症例が世界で4例目,本邦では初の報告である.それぞれの病態から早期診断が難しく,注意が必要と思われる.
地方会記録
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