糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
56 巻 , 12 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
特集
見直される糖尿病の食事療法
原著
病態・代謝異常・合併症
  • 松本 一成, 藤島 圭一郎, 尾崎 方子
    2013 年 56 巻 12 号 p. 926-931
    発行日: 2013/12/30
    公開日: 2014/01/15
    ジャーナル フリー
    心血管病の既往がない368例の2型糖尿病患者の平均6年間の追跡調査データを用いて,non HDL-Cの有用性を検証した.6年間で26例が脳イベント,25例が心臓イベントを来たした.Non HDL-Cは,脳イベントの有無で差を認めなかったが,心臓イベントを来たした群では有意に高値であった(167.2±52.1 vs. 134.1±37.4 mg/dl, p<0.01).また,non HDL-Cが1-SD増加した場合の心臓イベントのハザード比は2.02(95 % CI:1.42-2.86)であった.心臓イベントに対するROC曲線は,non HDL-CはLDL-Cよりも曲線下面積が大きかったが有意ではなかった.Kaplan Meier生存曲線では,non HDL-Cが高値(190 mg/dl以上)の患者は有意に早期から心臓イベントを発症した.以上のことから,non HDL-Cは2型糖尿病の心臓イベントの独立した関連因子であるが,脳イベントとの関連は認めなかった.
  • 佐藤 譲, 幸原 伸夫, 浜田 知久馬
    2013 年 56 巻 12 号 p. 932-937
    発行日: 2013/12/30
    公開日: 2014/01/15
    ジャーナル フリー
    改訂トロント臨床神経障害スコア(modified Tronto Clinical Neuropathy Score;以下mTCNSと略す)は,糖尿病性末梢神経障害の臨床症状評価法であり,より早期の神経障害の評価のためにトロント大学のBrilらによって作成された.著者らは原著者であるBrilの了解を得て日本語版mTCNSを作成し,国内の医療機関での信頼性を検討した.評価者間信頼性は級内相関係数とKraemer's Kappa係数を,評価者内信頼性はCohen's Kappa係数を指標とした.結果,合計スコアに対する級内相関係数は0.81, Kraemer's Kappa係数は位置覚を除き0.26~0.50であり,Cohen's Kappa係数は0.44~0.71であった.この結果は原著の英語版での結果と大きな違いはなく,日本語版mTCNSは日本の臨床現場で信頼性のある臨床症状評価法であることが確認された.
症例報告
  • 澤井 喜邦, 加藤 大也, 釜谷 直人, 片田 直幸, 伊藤 光泰
    2013 年 56 巻 12 号 p. 938-942
    発行日: 2013/12/30
    公開日: 2014/01/15
    ジャーナル フリー
    症例はインスリン自己免疫症候群(IAS)と診断された73歳の女性.71歳時に進行直腸癌に対し低位前方切除術を受けた.術後5-FUなどを用いた化学療法を施行した.73歳時に後腹膜再発による回腸浸潤を認め後腹膜転移巣切除と回腸切除を施行した.術後7日目に低血糖昏睡を生じその後毎日低血糖を生じたため術後17日に当科入院となった.低血糖発作時の血糖値は45 mg/dlで血清インスリン305 μIU/ml,インスリン抗体が陽性でScatchard解析の結果k1=0.1135×108 l/mol, b1=1.7×10-8 mol/lと低親和性高結合量の抗体性状を有することからIASと診断した.IgEインスリン抗体も陽性だった.HLA-DRB1*0406, *04051とIAS感受性と抵抗性アリルを併せ持つ稀な型を認めた.低血糖は補食で対応でき約半年で自然軽快した.直腸癌の後腹膜再発・回腸浸潤の手術後にHLA-DRB1*0406, B1*04051に発症したIASは興味深い.本例のIASは回腸手術が誘因の免疫寛容消失が関与した可能性が考えられた.
  • 富田 益臣, 関 洋介, 壁谷 悠介, 川崎 麻紀, 香月 健志, 及川 洋一, 島田 朗, 笠間 和典, 渥美 義仁
    2013 年 56 巻 12 号 p. 943-948
    発行日: 2013/12/30
    公開日: 2014/01/15
    ジャーナル フリー
    症例は37歳,女性.体重165 kg, BMI 62.1 kg/m2. 2型糖尿病,脂質異常症,高血圧を有し,糖尿病細小血管障害の進行,肥満随伴疾患の増悪を認め,2008年10月,腹腔鏡下スリーブバイパス術を施行された.術後より頻回の嘔吐を認め,術後1年目より食後の嘔吐と低血糖症状を訴えた.2011年2月に施行した75 g経口ブドウ糖負荷試験では,負荷後180分の血糖値は77 mg/dlまで低下したが血糖値は正常型を示し低血糖症状は認めなかった.インスリン値は30分後に61.9 μU/mlまで上昇を認め,活性型GLP-1濃度は79.2 pmol/lと著明な上昇を認めた.食後の低血糖症状の原因としては,後期ダンピング症候群や活性型GLP-1濃度の上昇による消化管運動抑制,相対的なインスリン分泌の過剰とグルカゴン分泌の低下が疑われた.内科治療抵抗性の高度肥満2型糖尿病において外科治療の減量効果は良好と報告されているが,長期的効果や安全性には不明な点も多く,術後の経過観察は慎重に行う必要があると考え,今回報告する.
編集者への手紙
feedback
Top