糖尿病
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56 巻 , 2 号
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原著
診断・治療(食事・運動・薬物治療)
  • 西 重生, 福永 康智, 東 信之
    2013 年 56 巻 2 号 p. 69-74
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/07
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者における抑うつの頻度と,抗うつ薬であるパロキセチンの介入効果を検討した.抑うつは,2質問法とツングの自己評価式うつ性評価尺度(Self-rating Depression Scale:以下SDSと略す)で評価した.糖尿病患者107例のうち,2質問法の陽性は14例(13.1 %),SDSスコアの平均は38.4点であった.不眠,食欲・体重の変化がみられる患者,腎症を有する男性,冠動脈疾患の既往を有する患者でSDSスコアが有意に高い結果であった.うつ病・うつ状態と認められた患者に対し,パロキセチンの投与を12週間行った.SDSスコアは,投与前の51.0±2点から,投与12週の42.0±5点へ有意な減少が認められ,HbA1c(JDS値)の有意な減少も認められた.糖尿病に伴う抑うつの早期発見と適切な介入が,血糖コントロールの面でも有用である可能性が示唆された.
病態・代謝異常・合併症
  • 秋山 孝輝, 池谷 章, 大山 貴子, 西川 健一郎, 奥村 弘史, 柳川 達生
    2013 年 56 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/07
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者では末梢動脈疾患(PAD)の頻度が高い.またPADは予後不良であることが知られており,その一因として,冠動脈疾患(CAD)との合併が高率であるためと考えられている.本邦では下肢虚血症状の強いPAD患者でCADを血管造影による診断で高率に合併するという報告はあるが,無症候性PADでCADを血管造影で診断した調査はみあたらない.今回,下肢虚血症状のない外来糖尿病患者を対象にPADとCADの合併頻度を調査した.本院内科外来通院中で心血管疾患の既往のない糖尿病患者228名(男119名;年齢65.9±10.7歳;HbA1c 7.6±1.0 %:NGSP値)を対象に全例で血圧脈波検査(ABI)を実施した.ABI≤0.9の患者に下肢造影CTを施行し,同意の得られた患者に下肢動脈造影と冠動脈造影を実施した.ABI≤0.9の者は23名(10.2 %)であった.血管造影検査に同意した22名のうち18名をPADと診断し(7.9 %),8名はPADと有意狭窄病変を伴うCADを合併していた(3.5 %).無症候性の糖尿病患者にはPADが少なくとも7.9 %,PADとCADの合併者が少なくとも3.5 %存在し,ABI検査にて早期治療介入が期待できると考えられた.
症例報告
  • 徳山 芳治, 柳沢 葉子, 石塚 俊治
    2013 年 56 巻 2 号 p. 81-86
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/07
    ジャーナル フリー
    59歳男性.強化インスリン療法により良好なコントロールが得られていた.連続血糖測定システムにて血糖推移を観察しつつインスリンからエキセナチドへの変更を行ったところ,初回のエキセナチド投与後,急速な血糖低下が出現した.その後数日間はエキセナチド投与直後の低血糖とその後の高血糖を繰り返したがエキセナチド開始後5日目からは低血糖は消失した.エキセナチドの単独投与では低血糖は起こりにくいとされているが本症例のように良好なコントロールが得られている場合は低血糖が起こる危険性があるので注意が必要である.
  • 的場 ゆか, 岡本 佳那子, 榊 裕佳, 西藤 亮子, 小河 淳
    2013 年 56 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/07
    ジャーナル フリー
    症例は75歳男性,血液透析下の2型糖尿病患者.2011年3月,右第1趾の発赤腫脹,潰瘍形成のため当院紹介受診.4月6日当科入院し,局所処置,抗生剤投与により,改善傾向となった.創部および血液培養ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌陽性であった.入院2日目,足病変の増悪を認めないにも関わらず,発熱,呼吸循環動態の悪化を認め,敗血症の状態となった.心エコー上感染性心内膜炎の所見は無く,感染巣検索目的でcomputed tomography(CT)検査を施行,右冠動脈に径約6 cmの動脈瘤を認めた.経過から感染性動脈瘤が感染巣となっていることが強く疑われたが,全身状態不良のため外科的切除の適応外と考えられ,保存的治療を継続した.感染コントロール困難であり,5月6日永眠.病理解剖では動脈瘤内に多数のグラム陽性球菌を伴う膿瘍を認めた.MRSA感染症による感染性仮性動脈瘤と考えられた.
  • 伊藤 聡, 内丸 亮子, 渡部 真実, 長倉 芳樹, 金崎 章, 岩崎 直子, 内潟 安子, 山本 俊至, 佐藤 直之, 中山 智祥, 青木 ...
    2013 年 56 巻 2 号 p. 93-101
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/07
    ジャーナル フリー
    飲水を好み清涼飲料水の多飲が常習化していた若年男性が糖尿病ケトアシドーシス(DKA)として急性発症しながら,代謝性アルカローシスも合併し,結果としてアルカリ血症だった症例を経験した.低血圧で低K血症,低Mg血症があり,尿中Cl再吸収試験にてGitelman又は3型Bartter症候群と同様の尿細管機能異常を認めたが,両者の原因遺伝子に異常を認めなかった.高血糖解除後も内因性インスリン分泌は低下しており,腹部CTにて膵体尾部欠損および左腎盂の拡大を認め,Maturity onset diabetes of the young(MODY)5を疑い遺伝子検索したところ17番染色体のHepatocyte nuclear factor-1β(HNF-1β)遺伝子を含む約1.3 MB領域の片アリル欠損を認めた.糖尿病および腎・泌尿器系疾患の家族歴はなくMODY 5の孤発例と診断した.HNF-1β遺伝子は尿細管の発生に関与し,変異によりMODY 5以外に低K血症,低Mg血症,低Ca尿症をきたす症例はあるが,清涼飲料水多飲の病歴があり,発症時にアルカリ血症を伴うDKAであったMODY 5症例は既報告がなく,報告する.
編集者への手紙
地方会記録
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