糖尿病
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56 巻 , 3 号
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原著
成因・分類
  • 田中 翠, 呉 斌, 谷野 永和, 福尾 惠介, 鹿住 敏, 吉田 徹
    2013 年 56 巻 3 号 p. 155-164
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/05
    ジャーナル フリー
    FTO遺伝子多型と体脂肪蓄積,糖代謝異常との関連に対して激しい運動と年齢が影響するかどうかを検討した.また,摂取エネルギーに対する影響も検討した.アスリート若年女性と非アスリート若年女性の両者のFTO遺伝子多型のAAホモで体脂肪量は増加した.また,両者の体脂肪の分布に差はなかった.非アスリート若年女性のAAは,1日摂取エネルギーが多く,肥満と空腹時高インスリン血症とも相関を認めた.中年女性ではAAは肥満と内臓脂肪蓄積,空腹時高血糖,軽度の炎症と相関した.これらの相関は,高齢者では全く認めなかった.以上,激しい運動はFTO遺伝子多型による体脂肪蓄積に影響を与えず,また,若年期や中年期で見られたFTO遺伝子多型による体脂肪蓄積と糖代謝への影響は高齢期では消失するものと思われた.
診断・治療(食事・運動・薬物治療)
  • 小森 克俊, 奥口 文宣, 金塚 東, 小林 正, 糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)
    2013 年 56 巻 3 号 p. 165-172
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/05
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病患者1184例にピオグリタゾン(以下PIO)を5年間投与したときの体重推移と増加に影響する因子をレトロスペクティブに検討した.HbA1cはPIO投与前8.0 %から5年後には7.1 %と平均0.9 %低下(p<0.001)し,体重は67.6±13.2(M±SD)kgから70.4±14.5 kgと平均2.8 kgの増加を認めた(p=0.001).体重はPIO投与後12ヶ月まで増加し以降はほぼ不変であった.PIO単独群と比べると,SU薬併用群,SU薬+BG薬併用群では体重増加は有意に大きく,個々の併用糖尿病薬の有無別にみるとSU薬併用では体重増加の助長,αGI薬併用では体重増加の抑制がみとめられた.重回帰分析では,女性,投与前のHbA1cと肥満度,SU薬,αGI薬併用の有無がPIO投与後の体重増加と有意に相関していた.一方,動脈硬化のリスクファクターであるHDL-Cは改善していた.
症例報告
  • 鈴木 吉彦, 島田 朗, 佐野 元昭, 太田 成男
    2013 年 56 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/05
    ジャーナル フリー
    54歳男性.既に3271番位変異ミトコンドリア糖尿病として報告され経過観察していた.GAD抗体陽性時,血糖コントロールは悪化したが,一時的で,その後,陰性化し血糖コントロールも改善した.文献上7名のGAD抗体陽性化したミトコンドリア糖尿病症例が報告されているが,GAD抗体が陰性化し,インスリン非依存状態が持続した症例の報告はない.また母系遺伝の家族歴が濃厚でも,難聴を伴う親族がいなかった点は3243変異をもつミトコンドリア糖尿病と異なっていた.
    その後,インスリン分泌能は経年的に低下し血糖コントロールは悪化した.そのため,シタグリプチン50 mgから開始し100 mgに増量投与したところ,約9ヶ月で血糖コントロールは改善しOGTTでインスリン分泌は亢進し食後高血糖は抑制されていた.本例は3271変異ミトコンドリア糖尿病へのDPP-4阻害薬の有効性を証明した世界で最初の症例であり,貴重な知見と考え報告する.
  • 河野 倫子, 野村 政壽, 阿部 一朗, 松村 祐介, 松田 やよい, 足立 雅広, 河手 久弥, 大中 佳三, 堀内 孝彦, 高栁 涼一
    2013 年 56 巻 3 号 p. 179-184
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/05
    ジャーナル フリー
    症例は74歳男性.63歳時に関節リウマチと診断され,ステロイド内服を開始.69歳時にステロイド糖尿病を指摘され,71歳時にインスリン治療を開始された.しかし血糖コントロールは不良であり,2011年5月に精査加療目的に当科入院となった.入院時,関節リウマチに対してプレドニゾロン(以下PSLと略す)7.5 mg/日内服中であり,糖尿病に対してはインスリンtotal 27単位/日投与下でHbA1c 8.1 %(以下HbA1cはNGSP値で表記)であった.グルカゴン負荷試験にてインスリン分泌能は保たれていたことより,リラグルチド投与を試みた.最終的にリラグルチド0.9 mg/日とグリメピリド3 mg/日の併用によって血糖コントロール良好となり,インスリン治療から離脱した.また,興味深いことに関節リウマチの活動性の指標であるmatrix metalloproteinase-3(MMP-3)の値が入院時356 ng/mlより187 ng/mlへ減少し,PSLも4.0 mg/日に減量された.本症例について文献的考察を加え報告する.
  • 坂東 弘教, 山田 浩幸, 大森 靖弘, 土橋 大輔, 肥後 里実, 西岡 千晴, 北垣 一成
    2013 年 56 巻 3 号 p. 185-191
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/05
    ジャーナル フリー
    糖尿病歴約10年の76歳女性.近医にて経口血糖降下薬内服にて加療されていた.意識障害,高血糖のために当院紹介となった.来院時JCS II-10~30であり,感覚性失語を呈していた.また,脱水所見を認め,採血上,随時血糖が330 mg/dl,HbA1c(NGSP)は12.8 %であった.頭部MRI/MRVの所見から左横静脈洞血栓症との診断に至り,抗凝固療法を行うとともに,高血糖・脱水に対し補液・インスリン投与を行った.第3病日朝に感覚性失語は改善し,以後再発無く経過している.本症例の原因としては慢性的な高血糖による脱水や凝固系の異常が発症の誘因と考えられた.後の画像検査では左横静脈洞の低形成が認められ,その部位に血栓が形成したものと考えられた.コントロール不良な糖尿病症例で何らかの精神神経症状を呈した場合,本症の発症を鑑別に入れる必要が有るものと考えられる.
地方会記録
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