糖尿病
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56 巻 , 6 号
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原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 岡本 真由美, 江頭 富士子, 滝 雅史, 中島 裕美, 荻原 典和, 高村 宏, 吉川 彰一, 林 洋一, 石原 寿光
    2013 年 56 巻 6 号 p. 343-349
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/09
    ジャーナル フリー
    糖尿病性多発神経障害の進行度を検討するために「糖尿病性神経障害を考える会」が提唱した「糖尿病性多発神経障害の病期分類」が活用されるようなった.この病期分類における早期の神経障害を定量的に評価する目的で,知覚痛覚定量分析装置Pain Vision®PS-2001(以下PVと略す)を用いた電流知覚閾値(Current Perception Threshold以下CPTと略す)を,2型糖尿病患者において測定した.その結果,下肢で測定したCPT値が「糖尿病性多発神経障害の病期分類」のI期からIII期への進行に伴って有意に増加することが明らかとなった.また,CPT値はタッチテストによる圧触覚の評価結果と強く相関した.本法は,神経伝導速度測定などの従来の方法と比べ,簡便である点と痛みを与えない点で優れており,感覚神経障害の定量的検査法として,さらには早期の糖尿病性多発神経障害の評価法として有用であると考えられる.
  • 片岡 弘明, 田中 聡, 北山 奈緒美, 村尾 敏
    2013 年 56 巻 6 号 p. 350-356
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/09
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病患者の骨格筋量の低下に影響を及ぼす因子を検討した.対象は2型糖尿病患者111名(男性58名,女性53名)で生体電気インピーダンス方式体組成計を用いて上下肢筋量を測定し,糖尿病に関連する因子との関係について男女別に検討した.上肢筋量および下肢筋量を従属変数としたステップワイズ重回帰分析の結果,男性の上肢ではHbA1c,下肢筋量では糖尿病神経障害とHbA1c,女性の下肢筋量では,糖尿病神経障害,LDLコレステロール/HDLコレステロール(L/H)比が有意な独立変数として選択された.本研究の結果から2型糖尿病患者の骨格筋量の低下には,男性では糖尿病神経障害とHbA1c,女性では糖尿病神経障害とL/H比が関与していた.2型糖尿病患者の骨格筋量低下に関連する因子は複数存在しており,さらにこれには性差が存在していることが明らかとなった.
病態・代謝異常・合併症
  • 荒木 理沙, 丸山 千寿子, 鈴木 裕也, 丸山 太郎
    2013 年 56 巻 6 号 p. 357-367
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/09
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病(DM)患者は非糖尿病者に比べ血中ホモシステイン(Hcy)濃度が高いとされている.そこで40~70歳2型DM患者149名の血中Hcy,ビタミン濃度と食品摂取状況の関連を検討した.Hcy濃度は7.6±3.6(Mean±SD)nmol/mlと正常で,葉酸,ビタミンB12濃度は比較的高く男女差がみられたが,5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素遺伝子多型の関与は低かった.男性は女性より海藻・きのこ(p<0.001),野菜,果物(いずれもp<0.01),大豆・大豆製品,魚(いずれもp<0.05)の摂取頻度とこれらを組み合わせた日本食パターンスコア(p<0.001)が高く,このスコアは対象全体でlog Hcy濃度と負,log葉酸,ビタミンB12濃度と正の相関(いずれもp<0.01)を示した.2型DM患者の高Hcy血症予防において,これらの食品の摂取頻度を高めることの有用性が示唆された.
症例報告
  • 中野 優子, 赤澤 昭一, 中村 聡江, 當時久保 正之, 内田 優介, 中村 弘毅, 牛島 知之, 高木 浩史
    2013 年 56 巻 6 号 p. 368-373
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/09
    ジャーナル フリー
    症例は78歳男性.平成2年に2型糖尿病を発症しメトフォルミンにて内服加療を開始した.平成21年10月頃より,HbA1cの上昇を認め,α-GI投与を開始し,1年後より,腹部膨満感,放屁,軟便と便秘を繰り返すようになった.平成23年3月に臍上部の激痛のため,当院受診した.腹部単純X線検査で大腸の拡張を,腹部CT検査で樹枝状陰影を示す門脈ガスを認めた.α-GI投与による門脈ガス血症(HPVG)と診断し,ボグリボースの内服中止・絶食とし保存的治療を行い,2日後の腹部CT検査で門脈ガスは完全に消失した.本症例ではα-GIの中止によりすみやかにHPVGは消退したが,腸管壊死を伴う場合死亡率はきわめて高率である.HPVGは,腸管粘膜に何らかの損傷があり,ガスなどの貯留などにより腸管内圧が上昇し発症すると考えられる.α-GIの副作用と類似した消化器症状が再出現し,繰り返す場合は,HPVGも念頭に置き,注意深い観察が必要である.
委員会報告
  • 春日 雅人, 植木 浩二郎, 田嶼 尚子, 野田 光彦, 大橋 健, 能登 洋, 後藤 温, 小川 渉, 堺 隆一, 津金 昌一郎, 浜島 ...
    2013 年 56 巻 6 号 p. 374-390
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/09
    ジャーナル フリー
    •近年,糖尿病と癌罹患リスクとの関連が明らかになってきており,糖尿病と癌との関連について,日本糖尿病学会と日本癌学会の専門家による合同委員会を設立することとなった.•わが国の疫学データでは,糖尿病は全癌,大腸癌,肝臓癌,膵臓癌のリスク増加と関連していた.•糖尿病による癌発生促進のメカニズムとしてはインスリン抵抗性とそれに伴う高インスリン血症,高血糖,炎症などが想定されている.•2型糖尿病と癌に共通の危険因子としては加齢,男性,肥満,低身体活動量,不適切な食事(赤肉・加工肉の摂取過剰,野菜・果物・食物繊維の摂取不足など),過剰飲酒や喫煙が挙げられる.•不適切な食事,運動不足,喫煙,過剰飲酒は糖尿病と癌罹患の共通の危険因子であるので,糖尿病患者における食事療法,運動療法,禁煙,節酒は癌リスク減少につながる可能性がある.•特定の糖尿病治療薬が癌罹患リスクに影響を及ぼすか否かについてのエビデンスは現時点では限定的である.
地方会記録
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