52歳男性.38歳頃より糖尿病を指摘され治療開始,48歳時にインスリン導入となったが,2010年6月から通院を自己中断していた.2012年6月13日救急搬送.血糖566 mg/d
l,HbA1c 14.4 %で肺膿瘍・肝膿瘍・眼内炎を認め,全身に播種した多発感染症と診断した.培養検査から,Hypermucoviscosity phenotypeの
Klebsiella pneumoniaeが検出された.呼吸・循環管理や大量補液とインスリン持続投与を行い,感染症に対して,抗菌薬の投与やドレナージを施行し,全身状態の改善を得た.Genotypeを検索したところ,
rmpA陽性が確認された.Hypermucoviscosity phenotypeの
Klebsiella pneumoniaeによる重症多発感染症の報告はまだ少なく,日常の糖尿病診療に注意喚起を促す事ができる貴重な症例と考え報告する.
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