糖尿病
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57 巻 , 10 号
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会長講演
受賞講演
原著
社会医学・医療経済学
  • 日高 秀樹, 徳本 久美子, 堀 陽子, 本間 静, 井上 千恵
    2014 年 57 巻 10 号 p. 774-782
    発行日: 2014/10/30
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    2012年度の調剤レセプト24万件を用いて専門医による血糖降下薬処方と診療を一般医と比較した.医師名・所属がともに専門医名簿と一致したものを専門医処方とした.専門医はインスリン単独,ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬単独,一般医ではDPP4阻害薬単独,スルホニル尿素薬単独,およびこれら2剤併用が多かった.2型糖尿病へのインスリンとビグアナイド(BG)薬の処方率は,専門医でそれぞれ19 %と54 %,一般医で6 %と29 %と,ともに専門医で高かった(p<0.01).健診成績の空腹時血糖値には差を認めなかったが,収縮期血圧・LDLコレステロール値は専門医で低かった.また,グリコアルブミンや尿中アルブミン測定・眼底検査の実施率は専門医で高かった.一般医のインスリン・BG薬の処方や合併症の評価は少なく,適切な糖尿病治療に関する情報提供と専門医と一般医の連携が重要と思われる.
症例報告
  • 村瀬 正敏, 山田 努, 田實 麻智子, 福井 彩子, 永井 純子, 梅村 臣吾, 山川 文子, 山家 由子, 村瀬 孝司, 田中 優作, ...
    2014 年 57 巻 10 号 p. 783-790
    発行日: 2014/10/30
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    症例は46歳男性.1ヶ月前より腰痛,2日前より心窩部の違和感が出現し,入院当日朝よりコーヒー残渣様の嘔吐を繰り返したため当院救急搬送.上部消化管内視鏡検査で急性壊死性食道炎と診断し入院加療.採血でHbA1c 13.3 %と未治療の糖尿病を認めた.発熱,炎症反応上昇を認め抗菌薬治療を開始.入院後の検査でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)敗血症,感染性心内膜炎,化膿性椎体炎と硬膜外膿瘍が判明した.入院経過中に多尿,高Na血症,低張尿を認め意識レベルが低下,下垂体MRI T1強調像で後葉高信号の消失を認め,中枢性尿崩症の診断でデスモプレシン投与により尿量は安定.MRSA感染症は抗菌薬治療で軽快し退院となった.脱水・高Na血症が感染症の増悪因子であることが報告されており,本症例では中枢性尿崩症による脱水・高Na血症が未治療の糖尿病と相まって,各種感染症治療を難渋させた可能性が示唆された.
  • 大久保 佳昭, 稲石 淳, 金子 松五, 伊藤 新, 近藤 健, 武井 泉
    2014 年 57 巻 10 号 p. 791-796
    発行日: 2014/10/30
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    65歳男性.1987年検診にて血糖高値を指摘され当院初診,インスリン非依存糖尿病としてSU薬が開始された.1996年入院時の蓄尿中CPRは52 μg/日であった.2007年GAD抗体陽性が判明し,緩徐進行1型糖尿病と診断のうえインスリン強化療法が開始された際の蓄尿中CPRは23.6 μg/日であった.2012年11月,嘔気,下痢の出現4日後の意識障害にて救急搬送された.来院時血糖861 mg/dl, HbA1c 7.5 %,尿ケトン陽性,代謝性アシドーシスを認め,糖尿病ケトアシドーシスにて入院となった.本症例は症状発現後1週間以内のケトアシドーシス,血糖値に比しHbA1c上昇が軽度,発症時の内因性インスリン分泌枯渇という劇症1型糖尿病診断基準を満たし,参考所見である膵外分泌酵素上昇および前駆の消化器症状も認めていた.緩徐進行1型糖尿病に劇症1型糖尿病の合併が疑われた症例を経験したので報告する.
  • 村井 大毅, 山本 恒彦, 東 大介, 光井 絵理, 林 功, 橋本 光司, 久保田 稔
    2014 年 57 巻 10 号 p. 797-804
    発行日: 2014/10/30
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    症例は74歳女性.1990年より慢性甲状腺炎に対してレボチロキシン,2008年に1型糖尿病を発症し強化インスリン療法を施行していた.2011年8月,全身倦怠感・食思不振を自覚し,近医を受診し,高度の貧血を認めたため当院内科に緊急入院となった.大球性貧血,Vit.B12測定感度以下,抗内因子抗体陽性,高度の萎縮性胃炎を認めた.骨髄所見では,大型の赤芽球系細胞の過形成を認め,悪性貧血と診断した.Vit.B12筋注により,1ヶ月で貧血は顕著に改善した.慢性甲状腺炎に1型糖尿病を併発する自己免疫性多内分泌腺症候群(autoimmune polyglandular syndrome;APS)3型は珍しくないが,経過中に悪性貧血を合併した症例は非常に稀である.また,本例のHLA class IIが日本人1型糖尿病の疾患抵抗性ハプロタイプを有していた点も興味深く,文献的考察を加え報告する.
委員会報告
  • 女性糖尿病医をpromoteする委員会, 田嶼 尚子, 安孫子 亜津子, 川浪 大治, 川畑 由美子, 成瀬 桂子, 南 昌江, 山本 弥生 ...
    2014 年 57 巻 10 号 p. 805-811
    発行日: 2014/10/30
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    わが国の糖尿病患者は一千万人近くに増加し,早期からの介入とその継続を必要としている.女性糖尿病医においては女性特有のライフステージにおける様々なイベントが,そのキャリア形成に支障をきたすことが多く,医師としての研鑽を積むべき時期に女性医師の就業率が減少している.ワークライフバランスを育みながらも,その専門性を維持する女性糖尿病医が増加すれば,男性糖尿病医の過重負担を軽減し,わが国の糖尿病学の発展にも寄与するものと考えられる.日本糖尿病学会はこのような社会的背景を鑑み,「女性糖尿病医をpromoteする委員会」を設立し,女性糖尿病医を取り巻く現状を把握し,課題を抽出した.本委員会では,それらの改善のために「専門医について」「学術集会について」「役職・クオータ制について」「キャリア支援について」の4つの側面から提言をまとめ,日本糖尿病学会理事会に提出し,2014年5月に承認を得た.提言に至った背景と現状,および提言内容を報告する.
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