糖尿病
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57 巻 , 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 中川 幸恵, 石川 祐一, 渡辺 啓子, 朝倉比 都美, 西村 一弘, 藤井 文子, 林 進, 今 寿賀子, 井上 小百合, 貴田岡 正史, ...
    2014 年 57 巻 11 号 p. 813-819
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    栄養指導の糖尿病改善効果は指導頻度を高めるほど得られやすいと考えられている一方,糖尿病罹病期間が長くなるほど得られ難くなることも知られている.本研究では,栄養指導の糖尿病改善効果に対する指導頻度の影響が罹病期間に依存するか否かを調査した.281病院に通院する2型糖尿病患者725名を対象とし,管理栄養士による栄養指導の開始時と6ヶ月後の臨床データを収集した.HbA1cは罹病期間が長い者に比べ短い者の方が(P<0.001),指導頻度が低い者に比べ高い者の方が(P<0.001)改善した.指導頻度依存的なHbA1c改善効果は長期罹病患者でも認められた(P<0.05).ロジスティック回帰分析を用いて年齢,性別,糖尿病家族歴,糖尿病薬の変更,HbA1c初期値,罹病期間で補正したところ,指導頻度はHbA1c改善の有意な規定因子になった(P<0.001).高頻度な栄養指導は,糖尿病患者の罹病期間に係わらず病態改善効果を高めることが判明した.
症例報告
  • 小河 秀郎, 八木 勇紀, 中島 敦史, 小橋 修平, 大村 寧, 小山 哲朗, 渋谷 和之, 山田 衆
    2014 年 57 巻 11 号 p. 820-825
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    症例は58歳女性.2003年に初めて糖尿病を指摘.経口薬治療によりHbA1c 7.0 %前後で経過.2011年10月,昼食後に腹痛・頭痛・めまいなどの随伴症状なく,突然嘔吐が出現し,当院受診.頭部・腹部CT上明らかな異常認めず.制吐薬無効であり,急性胃腸炎の診断で消化器内科入院.腹部画像上異常なく,乳酸アシドーシスやケトアシドーシスなどの代謝疾患も否定的であった.第4病日に行った頭部MRIで両側後頭葉中心に血管原性浮腫を認め,画像的にPosterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)と診断.血圧を140/90 mmHg以下に維持した所,第7病日には嘔気・嘔吐消失.第10病日の頭部MRIでPRES所見は消失し,第11病日に軽快退院.軽度高血圧を引き金に嘔吐のみを呈した糖尿病合併PRES症例の報告はなく,重要な症例と考えられた.
  • 内海 さやか, 菅野 武, 大友 正隆
    2014 年 57 巻 11 号 p. 826-829
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)阻害薬は安全性,忍容性に加え,比較的良好な血糖改善効果があり,多剤との併用が可能であることなどから急速に処方が増加している.しかし,重大な副作用として,腸閉塞が報告され,開腹手術や腸閉塞の既往のある患者には慎重投与である.今回我々は,リナグリプチンが関与した可能性のある麻痺性腸閉塞を経験した.本症例では,腹部手術歴はなく,髄膜炎の診断で入院加療中であった.リナグリプチンの投与後,嘔吐,腹痛で発症し,同薬の中止と保存的加療にて腸閉塞は治癒した.既往の脳出血や髄膜炎などの神経疾患の存在や糖尿病性ガストロパレーシスが本症例の腸閉塞発症に関与していた可能性がある.中枢性,末梢性にかかわらず神経疾患が基礎にある症例では,DPP-4阻害薬を使用する際は,たとえ腹部手術歴がなくとも,腸閉塞が起こり得ると念頭に置く必要がある.
  • 小谷 紀子, 税所 芳史, 田中 正巳, 中原 仁, 目黒 周, 入江 潤一郎, 河合 俊英, 伊藤 裕
    2014 年 57 巻 11 号 p. 830-836
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    69歳女性.27歳で2型糖尿病と診断され,入院前はグリクラジド80 mg内服にてHbA1c 7~7.5 %で経過していた.入院7日前から発熱,下痢,嘔吐,歩行障害が出現し緊急入院となった.入院時血糖307 mg/dl, HbA1c 7.3 %,尿ケトン体強陽性,尿中CPR<2 μg/日,膵島関連自己抗体陰性,グルカゴン負荷試験でインスリン依存状態であり,HLA遺伝子タイピングで劇症1型糖尿病の疾患感受性遺伝子DRB1*04:05-DQB1*04:01を認めた.以上より,2型糖尿病治療中に発症した劇症1型糖尿病と診断したが,膵外分泌酵素の上昇は認めなかった.入院時より小脳失調症状を認め,臨床経過および髄液検査所見より無菌性髄膜炎と診断した.2型糖尿病加療中に無菌性髄膜炎と劇症1型糖尿病を同時発症した症例はこれまで報告がなく,劇症1型糖尿病とウイルス感染の関連を考える上で示唆に富む症例であり報告する.
  • 水流添 覚, 山元 章, 平島 義彰, 福田 一起, 梶原 伸宏, 西田 周平, 下田 誠也, 荒木 栄一
    2014 年 57 巻 11 号 p. 837-842
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    症例は65歳の2型糖尿病男性で経口薬・インスリン併用中だが,高血糖,肥満が是正されないためSGLT2阻害薬を導入すべく入院となった.メトホルミン,利尿薬内服を中止の上でイプラグリフロジン50 mg開始.血糖改善は良好で2日目から約10 %のインスリン減量を実施.3日目に全身性皮疹,腎機能障害(Cr 1.6 mg/dl),ケトーシス(3-OHBA 626 μmol/l),軽度代謝性アシドーシス(PH 7.348, HCO3 18.3 mmol/l)に加え高度高K血症(7.3 mEq/l)を来した.症例は高K既往,K高含有食品(昆布)常用,ARB内服など高Kを呈しやすい素地があった.これに利尿薬中止,SGLT2阻害薬開始後の腎機能低下,アシドーシス,インスリン作用不足によるK細胞外シフトが加わり高Kを発症したと推察する.高Kを呈しやすい背景の患者へのSGLT2阻害薬導入ではK値に注意を要する.
  • 阿部 眞理子, 伊藤 裕之, 尾本 貴志, 篠﨑 正浩, 西尾 真也, 安徳 進一, 三船 瑞夫, 当金 美智子, 新海 泰久
    2014 年 57 巻 11 号 p. 843-847
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2014/12/01
    ジャーナル フリー
    症例は71歳女性.40歳で糖尿病と診断され,近医で経口血糖降下薬による治療を受けていたが血糖コントロールは不良で,2014年4月よりイプラグリフロジン50 mgが追加された.以後,強い口渇を自覚し,投与後9日目に小脳・脳幹梗塞を発症して入院した.血糖値は219 mg/dl, HbA1c 9.8 %であり,ヘモグロビン13.4 g/dl(3月には,11.0 g/dl),ヘマトクリット40.6 %(同35.3 %)より,脱水が示唆された.心電図では虚血所見があり,ABIは0.85/0.76と低値で,超音波検査で両側の前脛骨~後脛骨動脈に狭窄・閉塞がみられた.同薬を中止し,エダラボンと濃グリセリンの投与,インスリン治療を行い,軽快退院した.本例は高齢,非肥満,利尿薬併用の糖尿病で,脱水により脳梗塞を発症したと推察された.同薬の投与前に,動脈硬化のスクリーニングを行うことが望ましい.
地方会記録
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