糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
57 巻 , 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 武石 宗一, 伏見 宣俊, 澁谷 高志, 蜂谷 紘基, 湯村 崇之, 大橋 憲嗣, 河合 洋美, 森 昭裕
    2014 年 57 巻 5 号 p. 321-328
    発行日: 2014/05/30
    公開日: 2014/06/10
    ジャーナル フリー
    持効型インスリンは基礎インスリンとして重要であるが効果の詳細は不明な点も多い.インスリンデグルデク(以下D)とインスリングラルギン(以下G)の効果をCGMを用いて比較検討した.2型糖尿病患者16例を,Dより開始し1ヶ月後に同量のGに切り替える群(以下D/G群)と,Gより開始し同量のDに切り替える群(以下G/D群)の2群に8例ずつ無作為に割付け検討した.基礎インスリン投与時間は朝8時とし,食事はテストミールとした.評価は1ヶ月後と2ヶ月後にCGMで行った.0時~8時のM値(90 mg/dl),0時~8時の平均血糖値,0時~8時の標準偏差,朝食前血糖値はDで有意に低値であった(P=0.005,P=0.007,P=0.03,P=0.001).DはGに比べ夜間から朝にかけて平坦で安定した血糖降下作用があることが示された.
社会医学・医療経済学
  • 松村 美穂子, 中谷 祐己, 百目木 希実, 柳 一徳, 池田 志織, 伴場 信之, 森山 俊男, 麻生 好正
    2014 年 57 巻 5 号 p. 329-336
    発行日: 2014/05/30
    公開日: 2014/06/10
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者における自動車運転中の低血糖発作について,実態調査を行った.402名を対象としてアンケート調査を実施し,今後の課題を検討した.1型糖尿病とインスリン治療患者が,運転中の低血糖や低血糖による交通事故が多かった.また,SU薬を含む治療群では,SU薬を含まない治療群より,運転中の低血糖が高率で,低血糖による交通事故も存在した.しかし,運転時の低血糖対策は,52 %でしか励行されていなかった.さらに,主治医からの運転時の低血糖指導は,16 %しか受けていなかった.インスリン治療患者では,運転前に自己血糖測定をしている人は,22 %と低率であった.したがって,糖尿病患者に求められる自動車運転中の低血糖発作に対する注意喚起や予防策への啓発を,今後さらに深める必要性を感じた.また,主治医の積極的な介入余地がまだ有ることも示唆された.徹底した指導が,低血糖発作による交通事故低減へ繋がると考えられた.
症例報告
  • 西井 稚尋, 井端 剛, 津川 有理, 西谷 重紀, 小室 竜太郎, 飯田 さよみ
    2014 年 57 巻 5 号 p. 337-341
    発行日: 2014/05/30
    公開日: 2014/06/10
    ジャーナル フリー
    症例は79歳女性である.71歳でバセドウ病を発症した.77歳時(2010年)随時血糖364 mg/dl,HbA1c(NGSP)9.4 %を示し糖尿病と診断された.グリメピリドおよびビルダグリプチン服用にてHbA1cは7.4 %に改善した.2011年11月から血糖コントロールは悪化し,2012年1月当院に紹介入院した.抗GAD抗体価は110,000 U/mlであり,抗TSHレセプター抗体は陽性であった.グルカゴン負荷後6分Δ血清CPR 0.19 ng/mlであり内因性インスリン分泌能の枯渇を認め,1型糖尿病と診断した.HLA遺伝子型では1型糖尿病疾患感受性ハプロタイプのDRB1*0901-DQB1*0303の保有を認めた.副腎不全はなくバセドウ病から8年後に1型糖尿病を発症した多腺性自己免疫症候群3型と診断した.本例の示した抗GAD抗体価は高齢発症した本疾患報告例の中で最高値であった.
  • 坂本 憲一, 長澤 薫, 石黒 喜美子, 西村 明洋, 大久保 実, 山城 慶子, 小沼 富男, 森 保道
    2014 年 57 巻 5 号 p. 342-348
    発行日: 2014/05/30
    公開日: 2014/06/10
    ジャーナル フリー
    症例63歳男性.8年前に2型糖尿病と診断.前医でアスパルト,リスプロ,ヒトインスリン(ノボリンR®,ヒューマリンR®)を使用して皮疹や肝機能障害を呈した既往があった.2011年5月膵頭部癌(stageIII)が発見され,当院にて膵頭十二指腸切除術施行の方針となった.経口血糖降下薬の内服下でHbA1c 8.5 %(NGSP値),随時血糖355 mg/dlと高値であり,周術期管理にインスリン治療を必須とした.ヒトインスリン特異的IgE抗体,各種インスリンのDLST,皮内反応は陰性であったが,亜鉛のパッチテストが陽性であり,亜鉛アレルギーが疑われた.亜鉛非含有製剤であるグルリジンの投与で皮疹,肝機能障害を認めず,グルリジンのCSIIを用いて周術期の血糖値を良好にコントロールしえた.亜鉛アレルギーを有する糖尿病患者の膵臓癌周術期血糖管理に,グルリジンのCSIIが奏功した1例を経験したので報告する.
  • 河村 由美江, 東谷 紀和子, 落合 華奈, 入村 泉, 大屋 純子, 花井 豪, 柳沢 慶香, 北野 滋彦, 内潟 安子
    2014 年 57 巻 5 号 p. 349-355
    発行日: 2014/05/30
    公開日: 2014/06/10
    ジャーナル フリー
    我々は,劇症1型糖尿病と自己免疫性疾患である原田病を同一患者に発症した2症例を経験した.症例1の女性は33歳時橋本病を発症し,36歳時視力低下を主訴に受診した眼科医により原田病と診断された.1年間のステロイド投与にて視力は回復した.44歳時腹痛・下痢と糖尿病症状に嘔気嘔吐と約5 kg/週の体重減少が出現した.随時血糖756 mg/dl, HbA1c7.3 %(以下HbA1cはNGSP値で表記),内因性インスリン分泌の枯渇から劇症1型糖尿病と診断された.症例2の男性は34歳時感冒様症状で近医を受診し,随時血糖600 mg/dl台,HbA1c 6.0 %で劇症1型糖尿病と診断された.39歳時両眼の視力低下を訴え,網膜剥離,虹彩炎から当センター眼科で原田病と診断された.ステロイドパルス療法にて視力は改善した.経過中眼症状以外は認めていない.劇症1型糖尿病の成因を明らかにする上で示唆に富む2症例と考えた.
編集者への手紙
地方会記録
feedback
Top