62歳男性.2型糖尿病に膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)を合併し,膵頭十二指腸切除術(PD)が施行された.術前(Pre)と術後1, 3, 6カ月目(Post1, 3, 6)に75gOGTTとグルカゴン負荷試験を実施し,術前後のインスリン分泌能(I.I., D.I.,
ΔCPR, AUC(ins) /AUC(glu)),インスリン抵抗性(HOMA-IR, Matsuda index),血糖コントロール(HbA1c)を評価した.結果,術前に比べ,インスリン分泌能はPost1で約半減し,Post6まで経時的に減少した.インスリン抵抗性はPost3で一時的に悪化したが,Post6の時点では改善を認めた.HbA1cはPost1, 3, 6いずれの時点においても悪化した.IPMN合併2型糖尿病患者にPDを実施する場合,術後のインスリン分泌能の低下とそれに伴う糖代謝の悪化を想定した対応が必要であると考えられた.
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