糖尿病
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58 巻 , 2 号
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原著
病態・代謝異常・合併症
  • 川井 紘一, 横山 宏樹, 平尾 紘一, 南 昌江, 岡田 朗, 大石 まり子, 小林 正, 山﨑 勝也, 柏木 厚典, 糖尿病データマネジ ...
    2015 年 58 巻 2 号 p. 87-93
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2015/03/05
    ジャーナル フリー
    20歳未満に発症した1型および2型糖尿病患者の成人後の臨床像を,CoDiC®利用36施設での最終来院時年齢が20歳以上であった1型586名,2型385名の入力データを用い検討した(最終来院時年齢は各々30.8±0.4歳,34.8±0.8歳,平均罹病期間は両群とも19年).1型に比べ2型では,初診後1年未満の治療中断が高率であり,BMIが高く,収縮期血圧,non-HDLコレステロールも高値であった.最終来院時,HbA1cは各々8.2, 8.1 %,網膜症保有率は約30 %,腎症保有率は約20 %であった.罹病期間5年,10年,15年,20年での断面調査を行うと,1型では罹病期間が長くなるに伴いHbA1cが9.0 %より8.2 %へと徐々に低下したのに対し,2型では8.4 %より8.9 %へと上昇した.細小血管障害保有率は両群とも罹病期間が長くなるに伴い増加したが,腎症保有率の増加は2型で高かった.
患者心理・行動科学
  • 石井 彩, 武元 麻紀子, 飯田 沙織, 金塚 東
    2015 年 58 巻 2 号 p. 94-99
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2015/03/05
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病患者におけるインスリン同一部位注射による腹部硬結の存在とHbA1cおよび空腹時血糖の日差変動幅との関連,インスリン注射部位再指導の効果を検討した.2型糖尿病患者67名に対し,腹部硬結の有無および過去3ヶ月間の空腹時血糖の日差変動幅,HbA1cを調査した.硬結を認めた患者には注射部位を指導し指導後3ヶ月の空腹時血糖の日差変動幅と比較した.また,HbA1cの変化を介入前後で比較した.硬結のある群(20名)とない群(47名)を比較すると,空腹時血糖の日差変動幅は硬結のある群が有意に大きかった(p<0.01).硬結のある群の注射部位指導前後の空腹時血糖変動幅とHbA1cはいずれも有意に改善し(各p<0.01, p<0.05),硬結がない群のHbA1cの変化と比較して硬結のある群の指導後のHbA1cの改善は有意であった(p<0.05).
社会医学・医療経済学
  • 田中 麻理, 伊藤 裕之, 根本 暁子, 池田 望美, 尾本 貴志, 篠崎 正浩, 西尾 真也, 阿部 眞理子, 安徳 進一, 三船 瑞夫, ...
    2015 年 58 巻 2 号 p. 100-108
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2015/03/05
    ジャーナル フリー
    594例の2型糖尿病患者を対象に治療中断の既往についてのアンケート調査を行い,糖尿病に伴う血管合併症との関係を調査した.治療中断の既往を有する例は78例(13 %)にみられた.治療中断の既往を有する群では,中断歴のない群に比して男性(79 %対59 %)と一人暮らしの例(30 %対18 %)が有意に高頻度であった.糖尿病の診断年齢,治療開始年齢はいずれも若年で,診断より治療開始までの期間と糖尿病の罹病年数は長期間であった.また,網膜症と腎症が治療中断の既往を有する群で高頻度にみられ,多変量ロジスティック回帰分析でも,治療中断の既往(オッズ比=1.97,95 %信頼区間=1.14-3.36,P=0.02)は腎症の有意な説明因子であった.治療中断への対策としては,網膜症や腎症など重症合併症に関する教育をより重視することや行政・医療機関などの第三者からの治療継続支援が必要と考えられた.
症例報告
  • 柴田 みゆき, 中嶋 祥子, 伊藤 真梨子, 竹藤 聖子, 松永 眞章, 草田 典子, 山下 啓介, 中島 康博, 野村 由夫
    2015 年 58 巻 2 号 p. 109-114
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2015/03/05
    ジャーナル フリー
    症例は66歳男性.1991年に糖尿病を指摘され経口血糖降下剤にて加療.2003年当院紹介受診しインスリン導入され,SU剤との併用療法を行っていた.最近のHbA1cは6~7 %.2011年1月,複視,左眼眼痛,左眼眼瞼下垂,眼球運動障害発症.MRIを用いた眼科,脳神経外科の診察を経て糖尿病単神経障害(左動眼神経麻痺)と診断され,ベラプロストの内服開始.その後3か月の経過で動眼神経麻痺による複視,眼瞼下垂,眼球運動障害は回復した.眼痛のみ持続したためプレガバリン,カルマバゼピンの投与にて対処したが,眼痛は増強傾向であった.症状が増悪傾向であったため,5か月後再評価したところ頭部MRAにて海綿静脈洞の描出を認め,頚動脈海綿静脈洞瘻と診断し,血管内治療が行われ,治療後眼痛の軽減を認めた.本症例は糖尿病性単神経障害と鑑別を要した頚動脈海綿静脈洞瘻合併2型糖尿病の稀な1例である.
  • 松下 幸司, 岡田 洋右, 新生 忠司, 近藤 秀臣, 田中 良哉
    2015 年 58 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2015/03/05
    ジャーナル フリー
    62歳女性.2001年2型糖尿病と診断され,2010年5月より治療を自己中断していた.2010年12月左臀部打撲後より徐々に腰痛が悪化し2011年4月当院緊急入院となった.入院時血糖426 mg/dl, HbA1c 11.9 %と血糖コントロール不良であり,CTにて腰椎L1レベルの左傍脊柱筋から骨盤内外の筋にかけて巨大なガス産生性膿瘍を形成し,左仙腸関節と右恥骨の骨破壊を伴っていた.高血糖状態はインスリン療法にて対処し,膿瘍に対して,まず左仙腸関節直上部の皮膚より切開・排膿を行い,閉鎖式持続洗浄療法を2週間施行するとともに抗菌薬投与継続し改善した.血糖コントロール不良な糖尿病患者が腰痛を訴えた時には,糖尿病性神経障害として体幹部の深部痛覚の感覚鈍麻をきたしうることを念頭におき,痛みの程度にとらわれずに診察・検査を進めることが重要である.
  • 清水 彩洋子, 平良 暁子, 畑﨑 聖弘, 馬屋原 豊, 平良 真人, 古賀 正史
    2015 年 58 巻 2 号 p. 121-127
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2015/03/05
    ジャーナル フリー
    HbA1cは血糖コントロール指標として広く用いられているが,貧血や異常ヘモグロビンを有する患者のHbA1cは血糖コントロールを正しく反映しない.今回,HbA1cが偽性高値を示したために,経口血糖降下薬の投与を受けた非糖尿病異常ヘモグロビンの2例を経験した.2例とも高血糖は認めなかったが,免疫法で測定したHbA1cが高値を示した.1例はスルホニルウレア薬の投与で低血糖をきたしたが,他の1例はDPP4阻害薬およびビグアナイド薬の投与のために低血糖は起こさなかった.内服薬中止後に行ったOGTTの結果,1例は境界型,他の1例は正常耐糖能であった.HbA1cと血糖の乖離より異常ヘモグロビンを疑い,グロビン遺伝子解析を行った結果,β鎖のヘテロ変異を認め,Hb Himeji[β140Ala→Asp]と診断した.今回の経験より,糖尿病の診断はHbA1cのみでは行ってはならないことを再認識した.
  • 中村 裕子, 岡野 理江子, 稲田 慎也, 上田 晋一郎, 亀山 智子, 鈴木 俊伸, 陳 瑛超, 谷川 和子, 末盛 晋一郎, 和田 秀穂 ...
    2015 年 58 巻 2 号 p. 128-135
    発行日: 2015/02/28
    公開日: 2015/03/05
    ジャーナル フリー
    我々は不顕性溶血のためにHbA1cが低値を示した2例を経験した.1例は非糖尿病,他の1例は糖尿病合併例であったが,2例ともグリコアルブミンとHbA1cの比は著明高値であった.また,2例ともHPLC法および免疫法で測定したHbA1c値が一致したために異常ヘモグロビンは否定された.2例ともに貧血を認めなかったが,ハプトグロビンの低値,網状赤血球の高値を認めた.また,末梢血の塗末標本および走査電顕にて赤血球の形態異常(1例は楕円赤血球,他の1例は球状赤血球)を認めた.以上の結果より2例のHbA1c低値の原因は楕円赤血球症あるいは球状赤血球症に基づく不顕性溶血と考えられた.不顕性溶血はHbA1cが見かけ上低値を示す疾患として念頭に置くべき疾患である.
地方会記録
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