糖尿病
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58 巻 , 4 号
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特集
糖尿病合併症の早期診断と進展予防
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 宮内 雅晃, 豊田 雅夫, 宮武 範, 田中 栄太郎, 山本 直之, 木村 守次, 梅園 朋也, 鈴木 大輔, 深川 雅史
    2015 年 58 巻 4 号 p. 257-264
    発行日: 2015/04/30
    公開日: 2015/05/20
    ジャーナル フリー
    【目的】糖尿病教育入院が退院後5年間の血糖コントロールに与える効果と,その効果に影響する因子について検討した.【対象と方法】教育入院退院後5年以上通院した180例の2型糖尿病患者を対象とし血糖コントロール・体重の推移などを検討した.また退院後5年間の平均HbA1c値が6.9 %未満であった良好群と非良好群に分け,各種臨床検査値ならびに合併症の有無などを比較し,ロジスティック回帰分析を用いて平均HbA1c値への影響因子の検討を行った.さらに通院を中断した17例についての検討も行った.【結果】良好群は全体の約44 %であった.良好群を従属変数としてロジスティック回帰分析を行った結果,ナイーブ症例であることが独立して寄与する因子であったが,通院中断群においてもナイーブ症例が多かった.【考察】ナイーブ症例は長期的効果が高い反面,通院中断例が少なからず存在するため継続的注意が必要である.
  • 荒川 聡美, 渡邉 智之, 曽根 博仁, 小林 正, 河盛 隆造, 渥美 義仁, 押田 芳治, 田中 史朗, 鈴木 進, 牧田 茂, 大澤 ...
    2015 年 58 巻 4 号 p. 265-278
    発行日: 2015/04/30
    公開日: 2015/05/20
    ジャーナル フリー
    わが国の糖尿病診療における食事療法・運動療法の現状を調査した.協力が得られた全国各地の医療施設糖尿病外来通院中の糖尿病患者5,100名に対し,質問紙調査を実施した.そのうち,同意が得られた4,176名を解析対象とした.日常診療における食事療法・運動療法の指導状況に関して,指導頻度は食事療法と比較し運動療法が有意に低かった.運動療法継続のために必要なもの,運動療法を実施していない理由は「時間」が最も多い回答であった.また,日常生活における身体活動量とHbA1cの関係について検討を加え,身体活動量が多い群でHbA1c低値が多かった.以上,今回の調査成績から,糖尿病患者からみた現在の運動療法指導体制は不十分であり,食事療法と比較して「較差」が認められることが判明した.運動療法の実施に必要なものは「時間」であり,個々の症例に応じた運動療法指導や身体活動量を増加させる必要性があると考えられた.
  • 水野 達央, 小川 健人, 服部 麗, 八木 崇志, 大川内 幸代, 赤尾 雅也, 林 良成
    2015 年 58 巻 4 号 p. 279-285
    発行日: 2015/04/30
    公開日: 2015/05/20
    ジャーナル フリー
    混合型インスリン3回注射法(3回法)で治療中の2型糖尿病患者の,強化インスリン療法(強化療法)へ切り替えの有用性について検討した.強化療法に切り替える際,医師主導でインスリン調節を行う医師主導群と患者主導でインスリン量を調節するセルフタイトレーション(ST)群に割り付け,同時に使用するインスリンの組み合わせをグラルギン(Gla)+グルリジン(Glu)群とデテミル(Det)+アスパルト(Asp)群に割りつけた.3回法から強化療法への切り替え24週後において,HbA1c値は8.46 %から7.81 %へ改善した(p<0.001).調節法別では,ST群でより改善傾向が見られ,製剤別では,Gla+Glu群がより改善していた.切り替え前後で治療満足度アンケートを実施し,スコアの悪化を認めなかった.3回法から強化療法への切り替えは有用と考えられた.
症例報告
  • 森 博子, 岡田 洋右, 川口 真悠子, 日浦 政明, 阿部 慎太郎, 柴 瑛介, 島尻 正平, 原田 大, 田中 良哉
    2015 年 58 巻 4 号 p. 286-292
    発行日: 2015/04/30
    公開日: 2015/05/20
    ジャーナル フリー
    イプラグリフロジンは,SLGT2(selective inhibitor of sodium glucose co-transporter 2)阻害薬のひとつであり,標的細胞は腎臓でインスリンを介さずに血糖降下作用を発現する.SGLT2阻害薬は,体重減少,降圧,脂質代謝改善,内臓脂肪減少などの副次効果が報告されており,脂肪肝など脂肪蓄積病態の改善効果も期待される.今回,食事療法と運動療法およびイプラグリフロジンによる総括的治療により,減量に伴い,血糖のみならず非アルコール性脂肪肝炎(NASH)による肝機能障害の改善も認められた症例を経験したので報告する.
  • 津川 有理, 小室 竜太郎, 西谷 重紀, 高群 美和, 中島 和広, 成田 登紀, 秀嶋 絵理子, 井端 剛, 飯田 さよみ
    2015 年 58 巻 4 号 p. 293-299
    発行日: 2015/04/30
    公開日: 2015/05/20
    ジャーナル フリー
    症例は81歳女性.65歳時に2型糖尿病と診断された.当院受診半年前より治療を自己中断し,その後出現した右上肢不随意運動は1週間前より顕著になった.近医を受診し随時血糖498 mg/dl,HbA1c 14.1 %の高血糖を指摘され当院に紹介入院した.入院時右上肢に舞踏運動を認め,非ケトン性高血糖で浸透圧は軽度高値を呈した.頭部MRI T1強調画像で左被殻に高信号を示し,T2,T2*および拡散強調画像で異常信号はなかった.脳出血や急性期梗塞を否定し糖尿病性片側舞踏病と診断した.MRSで左被殻にN-アセチルアスパラギン酸/クレアチン比の低下を認め,神経細胞障害が示唆された.入院後インスリン療法で血糖コントロールは改善し舞踏運動は消失した.111日後頭部MRI T1強調画像で左被殻の高信号は減弱した.本例は高血糖高浸透圧血症により最終的に左被殻の神経細胞障害が惹起され舞踏病を発症したと推察される.
  • 木村 友香, 鈴木 貴博, 高橋 健二, 合田 悟, 和田 美輝, 中井 志保, 和田 侑子, 志伊 真和, 藤原 大介, 武川 郷, 松岡 ...
    2015 年 58 巻 4 号 p. 300-306
    発行日: 2015/04/30
    公開日: 2015/05/20
    ジャーナル フリー
    46歳の主婦が血糖コントロール不良のため当科に入院した.患者には肥満歴と過体重児の出産歴があり,36歳時に高血糖とGAD抗体陽性で1型糖尿病と診断され,3カ月後に強化インスリン療法が開始された.入院時検査でインスリン分泌能は低下していたがなお残存し,グルカゴン負荷に対する血中C-ペプチド濃度は維持されていた.家族は2型と考えられる糖尿病の集積家系であり,HLA class II serotypeはDR15のhomozygote,DR-DQ genotypeは日本人1型糖尿病疾患抵抗性haplotypeのheterozygoteと判明した.本例は,2型糖尿病の臨床的表現型と濃厚な糖尿病家族歴を持つにもかかわらず膵島自己免疫を示し,同時にHLA DR-DQ領域に1型糖尿病への強いprotective haplotypeをもつまれな糖尿病例であり,その病態と遺伝的背景が興味深い.
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