The Japan Diabetes Complication and its Prevention prospective (JDCP)studyは,わが国における近年における糖尿病患者の管理状況を調査し,糖尿病合併症の発症・進展のリスク因子を明らかにすることが目的の大規模観察研究である.対象は2007~2009年に全国の糖尿病を専門とする医療機関に通院中の40~75歳未満の糖尿病患者6,338名で,主要エンドポイントを腎症・網膜症・神経障害・大血管障害・歯周病について設定し,副次エンドポイントを悪性腫瘍および死亡とした.本論文では研究計画および2型糖尿病患者5,944名のベースラインデータを取りまとめた.対象の臨床像は,男性が60.1 %,年齢61.4歳,罹病期間10.8年,家族歴あり52.8 %,BMI24.5 kg/m
2,HbA1c 7.4 %(<7 %達成割合40.6 %),血圧(収縮期/拡張期)129.8/74.8 mmHg,non-HDL-C 137.6 mg/d
lであった.治療内容は,食事療法のみ10.4 %,経口糖尿病薬62.1 %,インスリン療法27.5 %であった.少なくとも5年間にわたり高い追跡率を維持して,信頼性と汎用性に優れたデータベースを構築し,研究成果を糖尿病診療ガイドラインへ反映させる.
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