糖尿病
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58 巻 , 8 号
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特集
糖尿病を合併する見逃せない難治性代謝性疾患
原著
病態・代謝異常・合併症
  • 杉本 一博, 佐久間 貞典, 星野 武彦, 田村 明, 矢部 隆治, 山崎 俊朗, 鈴木 進
    2015 年 58 巻 8 号 p. 540-548
    発行日: 2015/08/30
    公開日: 2015/08/30
    ジャーナル フリー
    2型糖尿病患者193名を対象とし,患者の開眼片足立ち時間,全身反応時間,脚伸展力および最大酸素摂取量を測定した.神経伝導および心拍変動低下の独立危険因子を同定するため,測定した身体能力のパラメーターとともに潜在的な神経障害の危険因子を共変動因子としてステップワイズ法による重回帰分析を行った.開眼片足立ち時間は腓腹感覚神経伝導速度,感覚神経活動電位,脛骨運動神経伝導速度およびF波最小潜時と独立した関連性を示した.また,脚伸展力(kg)はF波最小潜時延長と脚骨格筋質(脚伸展力(kg)/脚骨格筋量(kg))は腓腹感覚神経および脛骨運動神経伝導速度と関連性を示した.更に,全身反応時間は安静時および深呼吸時心拍変動と関連していた.開眼片足立ち時間の短縮,脚伸展力の低下および全身反応時間の遅延によって示される身体能力の低下は2型糖尿病患者の末梢神経機能低下の独立した危険因子であった.
患者心理・行動科学
  • 西村 亜希子, 原島 伸一, 本田 育美, 細田 公則, 稲垣 暢也
    2015 年 58 巻 8 号 p. 549-557
    発行日: 2015/08/30
    公開日: 2015/08/30
    ジャーナル フリー
    インスリン治療中の2型糖尿病患者を対象にカラーコードを用いた血糖自己測定(SMBG)の効果を検証したColor IMPACT studyにおいて,測定器画面にカラーコードを用いて測定結果の高低を示した52名のHbA1c変化量をもとに改善群と非改善群の二群に分け,血糖改善に及ぼす効果に関して事後解析を行った.二群間で,年齢,性別,糖尿病罹病期間,SMBG頻度,開始時のHbA1cに差を認めなかった.改善群では,非改善群に比べ運動療法スコアとサポート活用力スコアが有意に改善していた.多重ロジスティック回帰分析では,運動療法スコア変化量とサポート活用力スコア変化量の2項目がHbA1c改善と有意な関連を認めた.SMBG画面にカラーコードで測定結果を表示した場合,測定回数を増やすことなく,患者は運動の機会を増やすが,さらに周囲からのサポートを活用することでHbA1cが改善しやすいことが示された.
症例報告
  • 鈴木 和代, 原島 伸一, 大島 綾子, 陳 豊史, 伊達 洋至, 稲垣 暢也
    2015 年 58 巻 8 号 p. 558-563
    発行日: 2015/08/30
    公開日: 2015/08/30
    ジャーナル フリー
    症例は24歳,女性.17歳時に急性骨髄性白血病を発症し非血縁者間骨髄移植を施行され寛解した.21歳時に全身性に皮膚GVHD(graft-versus-host disease)を発症しタクロリムス,ステロイドを開始された.24歳時に肺GVHDに対して生体肺移植術を施行され拒絶反応に対するステロイドパルス療法後に高血糖となりインスリン療法が必要となったが,皮膚GVHDのため頻回皮下注射の導入は容易ではなかった.大腿内側部に1日2回の皮下注射と経口血糖降下薬を併用且つ消毒範囲を小さくし皮下注射の継続が可能となった.移植後長期生存例の増加とともに慢性GVHDは増加しているが,皮膚GVHDに対するインスリン皮下注射に関する報告は少ない.本症例は,注射回数,注射部位,スキンケアを工夫することでインスリン療法が継続でき,患者の精神的な負担も軽減させ,治療意欲の向上にも寄与した貴重な症例であり報告する.
短報
  • 今村 友裕, 岩田 慎平, 加藤 奈緒香, 大重 たまみ, 賀来 寛雄, 中山 ひとみ, 田尻 祐司, 山田 研太郎
    2015 年 58 巻 8 号 p. 564-567
    発行日: 2015/08/30
    公開日: 2015/08/30
    ジャーナル フリー
    糖尿病自律神経障害に伴う胃排出障害は,不快な腹部症状をきたすだけでなく,血糖コントロール不安定化の要因ともなる.糖尿病に伴う胃排出低下には,副交感神経終末からのアセチルコリン分泌低下が関与していると推定される.そこで,糖尿病自律神経障害を有する糖尿病患者3例に経口アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であるアコチアミド100 mgを1日3回食前に投与したところ,腹部症状の改善と呼気法による胃排出速度の促進が認められた.アコチアミドは糖尿病患者の胃排出障害の治療選択肢の一つとなりうると考えられる.
委員会報告
  • 糖尿病運動療法・運動処方確立のための学術調査研究委員会, 佐藤 祐造, 曽根 博仁, 小林 正, 河盛 隆造, 渥美 義仁, 押田 芳治, ...
    2015 年 58 巻 8 号 p. 568-575
    発行日: 2015/08/30
    公開日: 2015/08/30
    ジャーナル フリー
    わが国における糖尿病運動療法の現状を把握することを目的に,糖尿病運動療法の実施状況に関して,医師側に質問紙調査を行った.糖尿病専門医(以下,専門医),専門医以外の内科医(以下,一般内科医)各600名を対象に,日本医師会との共同企画により,運動療法の実施状況に関して質問紙調査を行い,合計403名(33.6 %)より回答を得た.その結果,専門医,一般内科医いずれも食事療法に関しては,ほとんど全ての初診患者に対し,指導を行っているが,運動療法に関しては40 %前後にとどまっていた.また,専門医でも,運動指導専任スタッフは少なく,一般内科医では,実質的な指導がほとんど行われていないことが判明した.多くの専門医,一般内科医より糖尿病患者指導に用いるための適切な運動指導テキストのないことが指摘された.以上,糖尿病運動療法の指導体制は不十分であり,食事療法と比較して「較差」が認められることが判明した.
地方会記録
撤回のお知らせ
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