糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
60 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 結城 由恵, 村瀬 明世, 上田 真意子, 香西 夏子, 中村 賢治, 廣田 憲威, 山﨑 義光
    2017 年 60 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2017/01/30
    ジャーナル フリー

    インスリンないし経口血糖降下剤治療あるいは併用治療中の日本人2型糖尿病患者34名に,GLP-1受容体作動薬リラグルチド0.9 mg/日投与し,投与前後のグルカゴン負荷試験を用いた内因性インスリン分泌能(ΔCPR)とCPI(空腹時Cペプチド分泌指標)を計測した.また24カ月までの血糖管理指標との関連性を検討した.HbA1cは3ヵ月後に有意に低下し,その後の変化は少なかった.導入前のΔCPRと24カ月後のHbA1c変化量に負の相関を認めた.導入後12カ月のCPIは有意に改善し,ΔCPRは導入前に比し有意に低下を認めた.これらの結果から,日本人2型糖尿病患者に対するGLP-1受容体作動薬導入前のグルカゴン負荷を用いた内因性インスリン分泌能検索は,リラグルチド有効症例の事前判別に有効である可能性を示した.またリラグルチド投与により,空腹時内因性インスリン分泌の増加が示唆された.

  • 中井 一彰, 山田 耕司
    2017 年 60 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2017/01/30
    ジャーナル フリー

    SGLT2阻害薬をインスリン療法と併用する場合,低血糖発現に注意しインスリンを減量することが推奨されている.我々は以前,併用を行った患者を後ろ向きに検討し,インスリン総投与量の平均15 %減量が有効で安全性も高く,持効型製剤の減量がHbA1cをより大きく低下させる結果を見出した.これを検証する目的でHbA1c 7 %以上の患者27名を,超速効型製剤のみ15 %減量し追加する群(速減量群),および持効型製剤のみ15 %減量する群(持減量群)に無作為に割り付け前向きに検討した.2か月後のHbA1cは速減量群で-0.3 %,持減量群で-0.5 %と両群とも有意に低下したが,有意な群間差は無く両製剤減量の治療効果への影響は同等であった.重篤な副作用は認められなかった.SGLT2阻害薬併用時のインスリン総投与量15 %減量は有効で安全性が高く,製剤別調節は特別に考慮しなくてもよいと考えた.

症例報告
  • 稲葉 惟子, 谷本 啓爾, 辻 明里, 戎野 朋子, 葛谷 実和, 酒井 聡至, 宍倉 佳名子, 三柴 裕子, 寺前 純吾, 花房 俊昭
    2017 年 60 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2017/01/30
    ジャーナル フリー

    症例は67歳男性.内因性インスリン分泌能が枯渇した1型糖尿病のため,強化インスリン療法で通院加療中であった.通院中に,アドレナリン優位型褐色細胞腫を指摘され,腹腔鏡下左副腎摘除術を施行した.手術1日前と手術7日後に24時間,持続血糖モニター(CGM)を装着し,血糖変動を比較した.術前は平均血糖177.1 mg/dL,M値36.6,MAGE 167 mg/dL,J-index 55.8であったが術後7日目は平均血糖131.5 mg/dL,M値22.9,MAGE 116 mg/dL,J-index 37.0へ改善を認め,血糖変動の改善がみられた.一日総インスリン量は術前21単位より術後7日目16単位へ減量となった.本例の臨床経過から,1型糖尿病患者において,腫瘍切除によるカテコラミンの減少は,インスリン抵抗性を低下させることで糖代謝の改善をもたらす可能性が示唆された.

  • 中村 晋, 井手 均, 中村 宇大, 北園 孝成
    2017 年 60 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2017/01/30
    ジャーナル フリー

    症例は53歳女性.2002年関節リウマチを発症.2004年3月高血糖を指摘,8月空腹時血糖238 mg/dL,HbA1c13.1 %のため当院受診.抗GAD抗体,抗IA-2抗体陽性のため緩徐進行1型糖尿病と診断し,インスリン治療を開始.2006年2月レフルノミド開始後より23単位/日のインスリン必要量が低下,2007年6月TNFα阻害薬であるインフリキシマブ開始後に低血糖が頻発した.2008年12月インフリキシマブ療法を終了し,メトトレキサートとレフルノミドの併用,2015年4月さらにアダリムマブの併用を追加しているが,インスリン必要量は進行性に減少し,2015年8月11単位/日でHbA1c 5.8 %である.長期にわたりインスリン必要量が低下した要因として早期のインスリン療法やTNFα阻害薬,免疫調整剤等の抗リウマチ薬によるβ細胞保持の可能性が考えられた.

  • 梶川 道子, 原田 万祐子, 前田 ゆき, 阿部 泰尚, 小松 昇平, 田村 太一, 田井 謙太郎, 土田 忍, 上田 佳世, 寺村 一裕, ...
    2017 年 60 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2017/01/30
    ジャーナル フリー

    症例は68歳女性.検診で空腹時低血糖(42 mg/dL)と腹部エコー上膵体部の腫瘤を指摘されたため,精査目的で入院.腹部CTにて造影される膵腫瘤,絶食試験では低血糖とインスリン過剰分泌を認め,インスリノーマと診断したが,体型はやせで,ブドウ糖負荷試験では糖尿病型,持続血糖測定(continuous glucose monitoring system:CGMs)では食後高血糖を認め,非典型的な表現型を示した.選択的動脈内カルシウム注入試験により局在診断し,膵体尾部切除術を施行した.一方,術前の血中グルカゴンが著明に高値で,切除標本の免疫組織化学的検査でインスリンとグルカゴンが染色されたため,グルカゴノーマ合併インスリノーマと最終診断した.手術前後で,耐糖能は糖尿病型から正常型,insulinogenic indexは0.22から0.73へそれぞれ改善し,CGMsでは食後高血糖の改善がみられた.

  • 西谷 里枝, 蘆立 恵子, 川村 光信, 小川 佳宏
    2017 年 60 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2017/01/30
    ジャーナル フリー

    症例は44歳男性.35歳からアルコール性急性膵炎を繰り返していた.44歳時の健診で糖尿病(FPG 285 mg/dL,HbA1c10.8 %)を指摘され当科入院.CEA 8.9 ng/mL,DUPAN-2 209 U/mLと上昇し,CT,MRIで膵頭部に直径3 cm大の境界不明瞭な腫瘤を認め,膵癌が強く疑われたがPETでは集積はみられなかった.鑑別診断のために経皮下組織診と膵液細胞診を行ったところ,病理診断は腫瘤形成性膵炎であった.糖尿病の新規発症は膵癌発見の手がかりとなり,急性発症時には膵癌の検索が必須であるが,腫瘤形成性膵炎は膵癌との鑑別が困難であり,各種画像所見,血清学的所見,病理組織学的所見より総合的に診断することが重要と思われる.

地方会記録
feedback
Top