糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
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60 巻, 9 号
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特集
GLP-1受容体作動薬の基礎的・臨床的新知見
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 森 俊子, 松本 涼子, 尾本 貴志, 篠崎 正浩, 西尾 真也, 安徳 進一, 阿部 真理子, 三舩 瑞夫, 新海 泰久, 成高 平治, ...
    2017 年60 巻9 号 p. 582-589
    発行日: 2017/09/30
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    脳卒中後の亜急性期における糖尿病未診断患者の耐糖能異常について検討した.回復期リハビリテーション病棟に入院した糖尿病未診断の132名に75 gブドウ糖負荷試験を行った結果は,糖尿病型19.7 %,境界型44.7 %,正常型35.6 %であり,新規診断糖尿病と非糖尿病では血糖指標以外の検査項目ではほとんど差がなく,高血圧・脂質異常合併率,Homeostasis Model Assessment for Insulin Resistance,血清C-peptide immunoreactivity,Hb値,頸動脈Plaque面積でのみ差があった.空腹時血糖値101 mg/dL以上,食後2時間血糖値124 mg/dL以上,HbA1c 6.1 %以上で糖負荷試験を行えば未診断糖尿病の掘り起しに有用で,脳卒中二次予防や血管疾患合併予防に重要と考える.

社会医学・医療経済学
  • 大野 涼, 宇都宮 励子, 上田 真意子, 村瀬 明世, 結城 由恵, 廣田 憲威
    2017 年60 巻9 号 p. 590-595
    発行日: 2017/09/30
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    あおぞら薬局において一部負担金割合と2型糖尿病患者の治療実態について調査した.生活保護以外で一部負担金の減免や無料の扱いを受けている患者(無低群n=60)とそれ以外(無低以外群n=931)で比較したところ,HbA1c(%)(無低群:7.5±1.5,無低以外群:7.0±1.0,p<0.05)とBMI(Kg/m2)(無低群:26.8±4.8,無低以外群:25.0±4.7,p<0.05)で有意な差が見られ,インスリンまたはGLP1受容体作動薬の使用が無低群で有意に高い結果となった(オッズ比4.3,p<0.001).これより無低群は血糖コントロール不良のため高度な治療を導入せざるを得ない病状にある.背景には経済的困窮があると考えられ,生活習慣の改善にまで目を向けられない状況が示唆された.薬局薬剤師は糖尿病の服薬支援や薬学的管理を行う場合,患者の社会経済的環境にも十分に考慮して対応する必要がある.

症例報告
  • 中村 圭吾, 香川 朋, 吉田 淳
    2017 年60 巻9 号 p. 596-604
    発行日: 2017/09/30
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    侵襲性副鼻腔真菌症は免疫機能が低下した患者に発症する重症の感染症で,しばしば眼窩先端症候群を伴う.原因菌はAspergillus属が多い.症例は84歳の男性.60歳から2型糖尿病にて内服治療中でHbA1c8.4 %と高値であった.右の視力低下と頭痛があり,造影MRIで右眼窩先端症候群と診断した.内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行され,摘出組織よりAspergillus fumigatusが培養同定された.ボリコナゾールの投与を開始し,インスリンで血糖管理は良好であったが,左眼窩先端症候群を併発し,発症約10か月後に心不全で死亡した.剖検では菌糸は視交叉部に浸潤し,副鼻腔や頭蓋底の骨破壊,隣接する脳底動脈および大脳への直接浸潤を認めた.眼窩先端症候群を来した侵襲性副鼻腔真菌症の予後は極めて不良であり,コントロール不良の糖尿病患者が視力低下や頭痛を訴える時には鑑別疾患として挙げ,早期の治療も考慮すべきである.

地方会記録
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