糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
61 巻 , 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著
疫学
  • 栗田 征一郎, 金森 岳広, 石倉 和秀, 長岡 匡
    2018 年 61 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2018/01/30
    ジャーナル フリー

    【目的】糖尿病足病変患者の実態を調査し,生命予後および生命予後に影響する因子を解明する.【方法】調査1:2008/1~2009/12に糖尿病足病変で当院に入院した患者の実態を調査した.調査2:2014/5時点の調査1の患者の現状を調査した.【結果】調査1から2の間に足病変再発70 %,心疾患や脳卒中での入院を30 %,10 %認めた.1,3,5年生存率,75 %,65 %,55 %であった.死因は,心疾患27 %,敗血症27 %.足病変再発患者と独居患者は,有意に5年生存率(33 % vs 64 %,0 % vs 73 %)が低値であった.さらに多変量解析したところ,生命予後に影響する危険因子は,足病変再発(ハザード比9.3,P=0.03)であった.【考察】糖尿病足病変は,再発率が高く予後不良である.その中でも足病変再発と独居は,さらに生命予後が悪いことを初めて示した.これらの患者は別の厳重な管理が必要と考える.

症例報告
  • 伊藤 弘紀, 戸巻 寛章, 吉田 秀彦, 福澤 正光
    2018 年 61 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2018/01/30
    ジャーナル フリー

    症例は66歳男性.47歳時に体調不良で近医受診し,糖尿病が判明し当院へ紹介.インスリン分泌の保たれた2型糖尿病として経口薬で治療し,HbA1c 6~8 %で推移.その後HbA1c上昇あり,54歳で中間型インスリンを導入.58歳でBasal-Bolus-Therapyに変更.この時抗GAD抗体は陰性.62歳でHbA1c上昇し再入院.その際抗GAD抗体の陽性とインスリン分泌能低下を認め,2型糖尿病の経過中新たに1型糖尿病を発症した可能性が考えられた.尚同時期に,バセドウ病も判明し抗甲状腺薬開始.66歳で再度HbA1c上昇の為入院.抗副腎抗体の陰性とグルカゴン負荷試験で内因性インスリン分泌能の枯渇を確認し,自己免疫性多内分泌腺症候群(APS)3型と診断した.本症例は2型糖尿病の経過中に1型糖尿病とバセドウ病を新規に発症したAPSであり,数少ない例と思われ報告する.

  • 中野 温子, 竹田 章彦, 髙田 絵美, 纐纈 優子, 木股 邦恵, 川口 晴菜, 門澤 秀一, 小松原 隆司, 藤本 康二, 市川 一仁, ...
    2018 年 61 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2018/01/30
    ジャーナル フリー

    症例は29歳,女性,主訴は意識障害.空腹時の意識障害を主訴に来院し,インスリノーマの診断で膵体尾部切除術を受けた.術前後で血清chromogranin A濃度を測定・比較したところ,術直後と術後7.5ヶ月後には術前と比較して高値を認めた.インスリノーマの転移や再発を疑い精査するも,それらを示唆する所見を認めなかった.これまでの報告によると,神経内分泌腫瘍において血清chromogranin A濃度は診断・治療経過のバイオマーカーとなりうるが,インスリノーマはその限りではない.本症例においても同様の結果であり,インスリノーマでは低血糖症状の確認や画像のフォローアップが腫瘍の転移や再発の発見に重要であると考えた.

  • 栗山 恵里沙, 福山 貴大, 内田 あいら, 相良 陽子, 玉井 秀一, 中野 優子, 當時久保 正之, 川﨑 英二
    2018 年 61 巻 1 号 p. 22-27
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2018/01/30
    ジャーナル フリー

    症例は45歳,男性.叔父に2型糖尿病あり.10日前より続く全身倦怠感,口渇,多飲(1 L/日以上の清涼飲料水)を主訴に当院初診.受診時BMI 25.7 kg/m2,血糖1,260 mg/dL,HbA1c 12.4 %,動脈血ガスpH 7.156,尿ケトン3+.DKAの診断で入院し輸液とインスリン静脈内投与を開始した.病歴および肥満の存在よりソフトドリンクケトーシスを合併した2型糖尿病が疑われたが,GAD抗体強陽性,IA-2抗体陽性,IAA陽性にて急性発症1A型糖尿病と診断した.入院時血中CPR 0.37 ng/mLと低下していたが,3ヶ月後には空腹時/食後2時間CPR 1.41/8.39 ng/mLと内因性インスリン分泌の回復を認め,インスリン必要量も1.23→0.37 U/kg/日と減少した.DKAで発症する肥満糖尿病患者の鑑別は困難なことが多く,本症例は1型糖尿病の発症における肥満の役割を考えるうえで貴重な症例と考え報告する.

  • 東 恵理子, 内田 あいら, 福山 貴大, 相良 陽子, 玉井 秀一, 中野 優子, 當時久保 正之, 川﨑 英二
    2018 年 61 巻 1 号 p. 28-33
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2018/01/30
    ジャーナル フリー

    症例1は85歳,男性.大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術後1日目に術前内服していたシタグリプチン50 mgを再開したところ,術後8日目に上腹部痛が出現し,心エコー検査時に門脈内に斑状高エコーを発見され,腹部CTにてHPVGと診断された.直ちにシタグリプチンを中止し,術後9日目の腹部CTでは門脈ガスの消失を認めた.症例2は82歳,男性.労作性狭心症に対する冠動脈バイパス術後2日目にリナグリプチン5 mgを再開したところ腹部膨満感が出現した.術後10日目に撮像した冠動脈CTで門脈ガス像を認めHPVGと診断し,リナグリプチンを中止したところ腹部症状は改善した.術後18日目の腹部CTで門脈ガス像は消失していた.α-GI内服によるHPVGの報告はあるが,DPP-4阻害薬でHPVGを来した報告はない.DPP-4阻害薬の術後早期再開後に腹痛を認めた場合,本疾患の可能性も念頭に置くべきであると考え報告する.

feedback
Top