糖尿病
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62 巻 , 2 号
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原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 武内 哲史郎, 田中 剛史, 渡邉 麻衣子, 井田 紗矢香, 奥田 昌也, 後藤 浩之
    2019 年 62 巻 2 号 p. 69-75
    発行日: 2019/02/28
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル 認証あり

    Sodium-glucose cotransporter 2(以下SGLT2と略す)阻害薬は,近年の大規模臨床試験から糖尿病性腎症進行抑制が認められている.一方,SGLT2阻害薬投与によりHematocrit(以下Hctと略す)上昇はしばしば認められるが,これはErythropoietin(以下Epoと略す)が上昇するためとの報告もある.またSGLT2阻害薬が尿細管に及ぼす影響については十分に検証されていない.本研究では,SGLT2阻害薬を2型糖尿病患者に投与し,経時的にEpoと尿細管マーカーの測定を行った.SGLT2阻害薬投与により,Hctは有意に上昇したがBUN/Cr比に変化は無く,それに対し,Epoは有意に上昇しており,Epo上昇による造血作用が関与していると考えられた.尿細管間質障害の検討も行ったが,尿中L型脂肪酸結合蛋白は投与前後で変化なく,Epo上昇との関連は認めなかった.

患者心理・行動科学
  • 田中 夏誉子, 清水 美香, 菊地 実, 加藤 弥生, 田中 可苗, 中里 理恵, 沼田 美雪, 川上 美穂, 神戸 香織, 竹内 淳
    2019 年 62 巻 2 号 p. 76-83
    発行日: 2019/02/28
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル 認証あり

    インスリン治療中の糖尿病患者が繰り返し同一部位に注射を行うことで皮下腫瘤が形成される.看護師が視触診に加え超音波検査診断装置を用い注射部位の皮下変化の有無を確認し指導介入を行った.59症例中,13例(22.0 %)において皮下腫瘤が触知され,超音波検査でも皮下変化が確認された(以下“触知群”).皮下腫瘤は触知されず超音波検査で皮下変化を有するものは11例(18.6 %,以下“非触知群”)であった.皮下腫瘤は触知されず皮下変化も無いものは35例(59.3 %,以下“陰性群”)であった.“非触知群”と“陰性群”にHbA1cと総インスリン量の有意差はなかった.インスリン以外の血糖降下薬に変更がない47例で指導介入6ヶ月後のHbA1cが“触知群”(10例)と“非触知群”(10例)で有意に低下した.看護師が自己注射指導時に超音波検査を用いることは皮下変化の早期発見と血糖コントロールの改善に有用であった.

症例報告
  • 鈴木 亨, 伊藤 南, 名木野 匡, 和田 敏弘, 星川 仁人, 大竹 浩也, 五十嵐 雅彦
    2019 年 62 巻 2 号 p. 84-93
    発行日: 2019/02/28
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル 認証あり

    83歳男性.38歳時に2型糖尿病と診断された.81歳時に不明熱と下腿紫斑,肺門部リンパ節腫脹,甲状腺機能低下症で入院したが確定診断には至らず,その後軽快し退院した.外来では経口血糖降下薬でHbA1c(NGSP値)は6 %台であったが,2ヶ月前より急激な血糖コントロール悪化(HbA1c 9.6 %)を認め,精査加療目的に入院した.赤血球連銭形成とγ-グロブリン高値,内因性インスリン分泌能低下に加え,肺門部リンパ節腫脹,膵臓のびまん性腫大,間質性肺炎,腎腫大を認め,血清IgG4は高値であった.肺門部リンパ節・腎生検でリンパ球とIgG4陽性形質細胞の浸潤像を認めIgG4関連疾患と診断された.ステロイド治療が奏功し,血清IgG4値の低下と共に肺門部リンパ節腫脹や膵・腎腫大は縮小し,その後2年間のステロイド治療でインスリン分泌能も改善した.IgG4関連疾患の正確な診断と適切な治療が重要と考えられた.

  • 竹本 有里, 藤井 浩平, 髙田 真実, 永田 慎平, 秦 誠倫, 山本 裕一, 入江 陽子, 狭間 洋至, 安田 哲行
    2019 年 62 巻 2 号 p. 94-100
    発行日: 2019/02/28
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル 認証あり

    症例は71歳女性.40歳頃に糖尿病を指摘され薬物治療が行われていた.入院1ヶ月前よりカナグリフロジン100 mgが追加投与された.入院2日前の夕食後から右上腹部痛が出現し食事摂取も困難となったが,同薬は継続内服された.入院当日,急性胆嚢炎の診断のもと,緊急で腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われたが周術期はグルコース非含有輸液が行われ,血糖コントロールも良好なためインスリン投与も行われなかった.術翌日の検査では血糖値は125 mg/dLと正常値に近い状態であったが,血中3-ヒドロキシ酪酸は5464 μM/Lと急激な上昇を認め,PH 7.253,HCO3 13.8 mM/Lより正常血糖糖尿病ケトアシドーシスと診断した.外科手術はSGLT2阻害薬に関連した正常血糖糖尿病ケトアシドーシスを発症させうる種々の因子が潜在的に潜んだ状況であるため,発症予防のための適切な治療と幅広い注意喚起が重要と考える.

  • 牛腸 直樹, 青木 絵麻, 森 友実, 田邊谷 徹也, 平嶋 勇士, 鈴木 奈津子, 大森 安恵
    2019 年 62 巻 2 号 p. 101-107
    発行日: 2019/02/28
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル 認証あり

    症例は76歳女性.2型糖尿病で経口血糖降下剤を多剤(SU剤,ビグアナイド剤,DPP4阻害薬)内服も肥満のため血糖コントロール不良であった.入院7日前より右上肢全体の疼痛が出現し4日前に近医整形外科を受診し鎮痛剤を処方された.同日夜より右上肢の紅色皮疹が出現し当院救急外来受診.薬疹を疑われ鎮痛剤を中止され帰宅.しかし入院3日前より倦怠感,水様下痢が出現,入院当日に立位不能となり,顔面,体幹にも皮疹が出現し救急要請.汎発性帯状疱疹と診断し,アシクロビル経静脈投与で加療を行った.入院時より右上肢の強い疼痛と筋力低下を認め,疼痛は帯状疱疹の軽快に伴い徐々に改善したが,右上肢の筋力低下は残存した.帯状疱疹は高齢糖尿病患者に好発するcommon diseaseであるが,稀に本症例のように汎発性帯状疱疹や運動麻痺などの重篤な合併症を伴うことがあり,日常診療で留意すべきと考え報告する.

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