糖尿病
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62 巻 , 3 号
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原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 本郷 涼子, 堀江 一郎, 金高 賢悟, 安井 佳世, 古谷 順也, 廣佐 古裕子, 高島 美和, 花田 浩和, 冨永 玲子, 野崎 彩, ...
    2019 年 62 巻 3 号 p. 143-154
    発行日: 2019/03/30
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル 認証あり

    背景:高度肥満症に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(LSG)後の長期減量効果の維持には,栄養学的問題点に対する適切な介入が重要である.目的:LSG後の栄養管理上の問題点を明らかにする.方法:2型糖尿病合併高度肥満症6名(BMI 41.2±3.3 kg/m2)に対して,LSG前後に簡易型自記式食事歴法質問票による食事調査を実施した.結果:術後18ヶ月のエネルギー摂取量は術前より28.1±22.6 %減少し,超過体重減少率は75.1±26.8 %であった.全摂取エネルギーに対する3大栄養素の摂取比率では,たんぱく質は術後6,12ヶ月,脂質は術後6ヶ月で有意に増加し,炭水化物は術後6,12ヶ月で有意に減少した.食品では米・パン・麺類,油脂類,野菜類摂取量は術後に有意に減少していたが,菓子類は術前後で差を認めなかった.結語:LSG後の患者において術前の偏った嗜好が残存している可能性が示された.

症例報告
  • 小宮 朋子, 山岡 紅, 生井 一之, 伴 政明
    2019 年 62 巻 3 号 p. 155-161
    発行日: 2019/03/30
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は33歳の妊娠女性,定期健診での尿検査で尿糖を認めず,母児ともに問題なく経過していた.30週4日に下腹部痛と胎動減少を認め,当院を来院した.胎児心拍数モニタリング上,高度遅発一過性徐脈を認め,緊急入院となった.血糖601 mg/dL,HbA1c 5.5 %,尿ケトン4+,尿中CPR <1.1 μg/日,pH 7.238,BE-16.7 mmol/Lであった.発症3日前より感冒症状.来院2日前より口渇,多飲,多尿を認め,劇症1型糖尿病による糖尿病性ケトアシドーシスと診断した.生理食塩水による大量補液とインスリン持続静注を行い,アシドーシスは改善し,胎動も良好となった.インスリン療法を継続し,38週2日に正常分娩に至った.妊娠中に劇症1型糖尿病を発症すると,胎児予後は極めて不良であるといわれている.本症例はインスリン加療を行い,正常分娩に至った極めて貴重な症例である.

  • 阿部 智絵, 竹田 安孝, 別所 瞭一, 酒井 健太郎, 中村 知伸, 柳町 剛司, 坂上 英充, 藤田 征弘, 安孫子 亜津子, 滝山 由 ...
    2019 年 62 巻 3 号 p. 162-169
    発行日: 2019/03/30
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は43歳女性.若年時より難聴あり.頭痛と嘔気を主訴に前医を受診.糖尿病ケトアシドーシスの診断で,当院紹介入院となった.インスリン分泌能は著明に低下し,強化インスリン療法を要した.母系の糖尿病家族歴に感音性難聴を伴い,白血球におけるm.3243A>G変異を認め,ミトコンドリア糖尿病(mitochondrial diabetes mellitus:MDM)と診断.細小血管症は認められなかったが,中枢神経病変を合併していた.41歳の妹にも難聴あり.34歳時に糖尿病の診断となり,経口薬で加療中であったが,姉の診断を契機に当院紹介.姉と同様にm.3243A>G変異を認め,MDMと診断した.姉とは異なり,腎障害と心筋症を合併していた.ミトコンドリア病では正常と異常ミトコンドリアDNAのヘテロプラスミーの程度により症状は多彩となる.臨床経過及び,合併症が異なるMDMの同胞例を経験したので報告する.

  • 田矢 直大, 加藤 研, 種田 灯子, 光井 絵理, 瀧 秀樹
    2019 年 62 巻 3 号 p. 170-177
    発行日: 2019/03/30
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は77歳女性.62歳時糖尿病と診断され短期間ヒトインスリン使用後経口血糖降下薬を開始.74歳時高血糖で入院,インスリン抗体結合率90 %以上と高値もインスリングラルギンを開始した.75歳時より空腹時低血糖が増え,インスリンを漸減し2年後中止.3ヶ月後血中CPR 26.2 ng/mLと高値で精査入院とし,空腹時低血糖の頻発が判明.インスリン抗体結合率は84 %と高く,前回入院時と今回のScatchard解析の比較で親和性低下(0.320→0.000314×108 L/mol),結合能上昇(8.34→701×10-8 mol/L)を認め,抗体の性質変化が低血糖の要因と推察した.ステロイド内服,血漿交換を行い低血糖は消失し退院,以降低血糖なく経過した.インスリン抗体陽性糖尿病ではインスリンアナログ使用で抗体の性質が変化する可能性があると考えられた.

報告
  • 平木 幸治, 河野 健一, 松本 大輔, 森 耕平, 林 久恵, 河辺 信秀, 井垣 誠, 野村 卓生
    2019 年 62 巻 3 号 p. 178-185
    発行日: 2019/03/30
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル 認証あり

    日本糖尿病理学療法学会員(4,680名)を対象に,糖尿病腎症(腎症)に対する理学療法士の関わりについて実態を調査した(回収率30.3 %).腎症に対して理学療法を行っていると回答した割合は39.4 %(当学会員の11.5 %)であった.腎症に関わりを持っていない理由は,医師からの処方が出ない,腎症の患者がいない,の回答が多かった.これまで腎症は運動が推奨されてこなかった背景もあるため,医師から運動療法の処方箋が少ない可能性が示唆された.また,腎症に関わりを持っている理学療法士のうち,糖尿病透析予防指導管理料にも参画していると回答した者はわずか24名であった.このうち2016年度に新設された運動指導による腎不全期患者指導加算も算定していると回答した者は7名であった.今回の結果より,透析予防のチーム医療に参画できる機会を増やすためには,腎症に対する理学療法のエビデンスを構築する必要があると考えられた.

地方会記録
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