糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
62 巻 , 7 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 春日 千加子, 蒲池 桂子, 桝本 悠輔, 時田 佳治, 藍 真澄, 田中 明
    2019 年 62 巻 7 号 p. 373-382
    発行日: 2019/07/30
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル 認証あり

    生活習慣病改善を目的にした食事療法は,適正エネルギーの摂取や栄養素に注目することが多く,具体的な食品摂取による介入研究は少ない.本研究では,中年女性を対象にした生活習慣病改善プログラムにおいて,食品別摂取量の変化が生活習慣病関連因子に及ぼす影響を検討した.介入前後の生活習慣病関連因子の変化量を目的変数とし,各食品摂取量の変化を説明変数として重回帰分析を行った.体脂肪率はきのこ・海藻類,緑黄色野菜と,動脈硬化指数は淡色野菜と有意な負の関連を認めた.さらに,きのこ・海藻類,緑黄色野菜,淡色野菜は栄養素では,いずれも食物繊維と有意な正の関連を認めた.生活習慣病関連因子の改善に食物繊維の多いきのこ・海藻類,緑黄色野菜,淡色野菜の摂取増加の有用性が示された.

症例報告
  • 峠 かきの, 中村 秀俊, 藤澤 玲子, 中川 輝政, 忌部 尚, 柿添 豊, 佐野 寛行, 金綱 規夫, 大西 峰樹, 寺前 純吾, 森 ...
    2019 年 62 巻 7 号 p. 383-388
    発行日: 2019/07/30
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は糖尿病,ネフローゼ症候群,低カリウム血症,高血圧症治療目的で入院した38歳の男性である.X-11年に2型糖尿病と診断され,X-4年には,高血圧は認めず,血清カリウム濃度は正常範囲内であった.X-1年11月,近医にてネフローゼ症候群,低カリウム血症,高血圧症を指摘され,X年5月当科入院となった.入院時,代謝性アルカローシス,血漿レニン活性低値,血漿アルドステロン低値を伴う高血圧を認めた.Liddle症候群を疑い,トリアムテレン内服を開始したところ,高血圧と低カリウム血症は改善した.本症例では高血圧の家族歴はなく,検索した範囲ではアミロライド感受性上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)遺伝子の変異は認めなかったが,尿中セリンプロテアーゼの排泄亢進を認め,セリンプロテアーゼを介したENaC作用亢進の関連が示唆された.本例は,糖尿病腎症にLiddle症候群類似の病態を合併したものと考えられた.

  • 今石 奈緒, 日高 周次, 内田 博喜, 生野 知子, 中村 優佑, 上原 幸, 清水 史明, 後藤 瑞生, 波多野 豊, 田原 康子, 嶋 ...
    2019 年 62 巻 7 号 p. 389-397
    発行日: 2019/07/30
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は74歳,女性.56歳時に2型糖尿病と診断された.X-1年10月中旬,ダパグリフロジンの投与を開始した.X年5月上旬,左臀部痛を自覚し,皮膚科を受診し抗菌薬を処方されたが症状に改善はなかった.5月中旬,倒れているところを発見されて当院に搬送された.体温38.6 ℃,左肛門~左会陰部にかけて発赤を認め,白血球17200 /μL,CRP 29.7 mg/mLと高度の炎症所見を認めた.CTで左会陰部皮下脂肪内にガス像を認め,フルニエ壊疽と診断し大分大学医学部皮膚科に転院した.転院後,緊急切開とデブリードマンを施行し,集学的治療を行い救命し得た.2018年8月,米食品医薬品局はSGLT2阻害薬を服用している患者のフルニエ壊疽のリスク増加を安全性情報として発出した.SGLT2阻害薬服用中にフルニエ壊疽を発症した症例を経験したので,SGLT2阻害薬使用時の注意喚起として報告する.

  • 上田 晃久, 中口 博允, 明坂 和幸, 大野 敬三, 戎井 理, 松浦 文三
    2019 年 62 巻 7 号 p. 398-405
    発行日: 2019/07/30
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル 認証あり

    症例1は69歳男性.骨転移を伴う前立腺癌に対してアビラテロン酢酸エステル・ステロイド併用療法開始.開始直後から高血糖症状を自覚.短期間(1ヶ月以内)にHbA1c8.5 %随時血糖400 mg/dL以上と悪化し入院.症例2は82歳男性.抗アンドロゲン療法無効前立腺癌に対してアビラテロン酢酸エステル・ステロイド併用療法開始.治療中,耐糖能評価されず自覚症状無し.投薬開始後9ヶ月後の検診でケトーシスならびにHbA1c9.5 %を指摘され入院.2症例とも内因性インスリンの著明な低下は認めないが,高血糖是正のためインスリン治療並びにGLP-1受容体作動薬併用を行った.アビラテロン酢酸エステルは日本において2014年から使用可能となった前立腺癌治療薬である.ステロイド併用による悪化が予想されるため注意すべき薬剤である.治療開始後に耐糖能悪化した2症例を経験し,当院の使用状況ならびに文献的考察を加え報告する.

  • 山本 雄太郎, 方波見 卓行, 五十嵐 佳那, 西根 亜実, 村上 万里子, 月山 秀一, 佐々木 要輔, 田中 逸
    2019 年 62 巻 7 号 p. 406-411
    発行日: 2019/07/30
    公開日: 2019/07/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は96歳の女性.2型糖尿病で近医通院中(リナグリプチン,インスリングラルギン投与)に水疱性類天疱瘡を発症し,当院皮膚科を受診した.皮膚科通院中に高血糖を指摘されたが,HbA1cは3.7 %と低値だった.大球性正色素性貧血,間接ビリルビン優位の高ビリルビン血症,網状赤血球数高値,ハプトグロビン低下,尿潜血反応偽陽性から溶血性貧血によるHbA1cの偽低値を疑った.水疱性類天疱瘡治療薬であるジアフェニルスルホン(以下DDSと略す)の関与を考え服薬を中止したところ,速やかに溶血の改善とHbA1cの上昇が得られた.DDSによる溶血性貧血とHbA1c偽低値の報告は稀だが,DDSは我が国で汎用されるDPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬により発症リスクの増す類天疱瘡の治療薬として用いられる可能性がある点,本剤による溶血性貧血が海外の報告よりも低用量で発症する点から,今後十分な注意喚起が必要と考えられる.

地方会記録
feedback
Top