糖尿病
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63 巻, 7 号
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特集
糖尿病と肥満度~全ての糖尿病患者がBMI 22を目指すべきなのか~
症例報告
  • 井筒 琢磨, 伊藤 裕之, 草野 英司, 松本 涼子, 安徳 進一, 森 俊子
    2020 年 63 巻 7 号 p. 445-450
    発行日: 2020/07/30
    公開日: 2020/07/30
    ジャーナル フリー

    症例は68歳男性,左下肢の発赤・腫脹を認め外来を受診した.蜂窩織炎の診断で抗生剤投与を行い症状は改善したが,その後も同部位の蜂窩織炎を再発し,入院加療を要した.入院時の随時血糖値が341 mg/dLと高値であったが,イオン交換高速液体クロマトグラフィ(High performance liquid chromatography,以下HPLC)法による自動ヘモグロビン分析でHbA1cは4.3 %と乖離を認めた.遺伝子解析により異常ヘモグロビンHbE-Saskatoon[β22 Glu(GAA)→Lys(AAA)]と同定され,HPLC法の測定でHbA1cが偽低値を示していると考えた.以後グリコアルブミン値・血糖値を指標に糖尿病治療を行い,現在も経過良好である.血糖値とHbA1c値の乖離から本邦では稀なHbE-Saskatoonを同定し得た.適切な血糖コントロールを行うことで,感染症治療に対し良好な転帰を得ることが出来た症例を経験したため報告する.

  • 乾 遼子, 花岡 希, 向井 うらら, 池田 彩美, 魚田 晃史, 谷川 和子, 橋本 久仁彦
    2020 年 63 巻 7 号 p. 451-457
    発行日: 2020/07/30
    公開日: 2020/07/30
    ジャーナル フリー

    53歳女性.46歳時に全身性エリテマトーデスに対して免疫抑制療法,52歳時にDPP4阻害薬が開始された.53歳時,CNSループスの診断で入院となりステロイドを増量し,インスリン皮下注射も開始した.当初抵抗性が主たる病態(CPR 8.1 ng/mL)だったが,その後サイトメガロウイルス(CMV)再活性化を認め,膵外分泌酵素上昇と内分泌機能低下(Amy 1796 U/L,CPR 2.6 ng/mL)とともにCTで膵腫大を認めた.改善していた血糖が再上昇しインスリン持続静注に変更した.抗ウイルス薬を開始し,ステロイド投与は継続した.CMVの沈静化とともに,外分泌酵素は低下し内分泌機能も回復した(Amy 179 U/L,CPR 7.4 ng/mL).CMV再活性化による炎症は膵外分泌腺・内分泌腺にも波及したが,抗ウイルス薬と継続していたステロイド投与が膵局所においても炎症の終息に寄与した可能性が示唆された.

地方会記録
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