糖尿病
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原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 望月 美恵, 武者 育麻, 小林 浩司, 鈴木 滋, 小林 基章, 菊池 信行, 横田 一郎, 川村 智行, 浦上 達彦, 菊池 透, 杉原 ...
    2020 年 63 巻 11 号 p. 733-739
    発行日: 2020/11/30
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル 認証あり

    小児インスリン治療研究会におけるヘモグロビンA1c(以下HbA1cと略す)とグリコアルブミン(以下GAと略す)の精度管理状況を,臨床4検体の集中測定機関値と施設値の相対絶対誤差により評価した.HbA1cとGAの測定が,施設内測定か否かと施設内での測定法を調査した.GA測定では,各施設での測定検体数と既成のcalibratorによる精度管理頻度を調査した.HbA1cは施設内測定98 %(HPLC法86 %)だった.GAは施設内測定78 %,精度管理頻度1.9(0~6)回/月だった.GAの相対絶対誤差は2.65 %とHbA1c 1.91 %に比べ有意に高く,検体数と精度管理頻度が少ない施設で高い傾向を示した.HbA1c,GA共に良好に精度管理がなされていたが,GAにおいては内部精度頻度を確保することが重要と考えられた.臨床実検体の集中測定機関値と施設値の測定により継続的外部精度管理が行えた.

  • 古賀 正史, 稲田 慎也, 上田 晋一郎, 中村 裕子, 石橋 みどり
    2020 年 63 巻 11 号 p. 740-745
    発行日: 2020/11/30
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル 認証あり

    施設外で測定した免疫法によるHbA1c(IA-HbA1c)値に及ぼす採血管の影響を検討した.異常ヘモグロビン例を除外した市立川西病院に通院中の34例を対象にして,2012年~2019年に同一検体を用いて施設外のIA-HbA1c値と施設内のHPLC法で測定したHbA1c(HPLC-HbA1c)値を比較した.当院では当初はEDTA入り採血管(EDTA管)を用いており,EDTA管で採血した検体の両者のHbA1cは概ね一致した.2015年9月よりフッ化Na入り採血管(血糖管)に変更したところ,血糖管で採血した検体のIA-HbA1cはHPLC-HbA1cに比し有意に低値を示した.以上の結果より血糖管で採血した検体を施設外で測定したIA-HbA1cは低値をきたすことが判明した.したがって,施設外のIA-HbA1c測定は血糖管ではなく,EDTA管を用いるべきである.

症例報告
  • 石野 瑛子, 米田 千裕, 吉本 芽生, 須田 博之, 平野 紗智子, 片峰 亜季, 荻野 淳, 大沼 裕, 黄 英哲, 関根 康雄, 橋本 ...
    2020 年 63 巻 11 号 p. 746-753
    発行日: 2020/11/30
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル 認証あり

    65歳男性.3年前にHbA1c 10.6 %であり糖尿病と診断,食事運動療法でHbA1c 6 %台に改善した.肺癌に対し手術・化学療法を施行するも縦隔リンパ節腫脹が残存し,抗PD-1抗体ペムブロリズマブを投与した.2か月後に気管支喘息の疑いでステロイドを使用し,翌日糖尿病ケトアシドーシス(DKA)で入院,GAD抗体9.7 U/mLであった.前月のHbA1cは6.7 %,随時血糖121 mg/dL,血中CPR 1.9 ng/mLであった.抗PD-1抗体投与前の残血清で測定したGAD抗体,抗サイログロブリン抗体,抗TPO抗体はいずれも陽性であった.当症例は緩徐進行1型糖尿病と橋本病を合併し,抗PD-1抗体投与後に1型糖尿病の急性増悪と一過性の甲状腺中毒症をほぼ同時期に認めた.DKAの早期診断,治療の重要性の注意喚起のためここに報告する.

  • 松田 大輔, 阿部 咲子, 田近 武伸, 猪股 美結, 菅原 健, 高橋 佳之, 伊藤 満衣, 藤原 崇史, 奥山 慎, 粟崎 博
    2020 年 63 巻 11 号 p. 754-761
    発行日: 2020/11/30
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は78歳女性.35歳時より2型糖尿病として治療していたが,72歳時GADAb陽性であり緩徐進行1型糖尿病と診断した.78歳時に食欲低下,下痢,嘔吐,意識低下し,pH 6.711,血糖1636 mg/dL,尿ケトン体(+)であり糖尿病ケトアシドーシスと診断して緊急入院した.TPOAb陽性,TgAb陽性,抗内因子抗体陽性であり自己免疫性多内分泌腺症候群(APS)3型と診断し,下部消化管内視鏡と組織診から潰瘍性大腸炎(UC)と診断した.UCと1型糖尿病(T1D)の合併は31例の報告があるのみであった.そのうち10例がAPS3型であった.本例はHLAの特徴を有し,APS3型を来しやすいとされるDR4陽性と,自己免疫性疾患の合併が多いとされるT1Dおよび高齢発症UCが多いとされるDR9陽性であった.T1DとUCの合併例は稀であると推測されるが,DKAのリスクに留意すべきと考える.

  • 川瀬 徹也, 原 賢太, 木村 友香, 小川 雅史, 石田 育大, 山田 克己, 西山 勝人, 安友 佳朗, 横野 浩一
    2020 年 63 巻 11 号 p. 762-769
    発行日: 2020/11/30
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル 認証あり

    92歳男性.X-2年に意識障害で当院へ救急搬送され,高インスリン血症を伴う低血糖症が疑われ当科に入院となった.肝・腎機能や内分泌機能に異常は認めず,インスリン抗体は陰性であった.腹部造影CTで膵尾部に早期相で濃染する14 mm大の腫瘤影を認め,インスリノーマを疑った.明らかな肝転移やリンパ節腫大は認めず,胸部CTで悪性腫瘍を疑う病変は認めなかった.手術治療を勧めたが希望なく内科的治療の方針となった.ジアゾキシド250 mg/日の内服を開始し,血糖推移をみながら調整を行い75 mg/日まで減量しても低血糖なく経過し第23病日に自宅退院となった.以降X年まで腹部CT検査では膵尾部腫瘤は増大なく,低血糖発作も再発することなく経過している.インスリノーマに対し,超高齢者においてもジアゾキシドは長期にわたって低血糖をおこさず,良好なQOLを維持することができる有効な治療選択であると考えられた.

  • 高橋 順子, 本多 寛之, 浜原 潤, 梶谷 展生, 安藤 晋一郎, 出口 章子, 出口 健太郎
    2020 年 63 巻 11 号 p. 770-775
    発行日: 2020/11/30
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル 認証あり

    免疫グロブリン製剤を使用して一過性に抗GAD抗体陽性を示した糖尿病症例を2例経験した.症例1は76歳男性,慢性炎症性脱髄性多発神経炎に対し使用し,投与開始11日後にELISA法で測定した抗GAD抗体は33.7 U/mLを示した.投与471日後には陰性化し,再投与開始後11日目に11.4 U/mLと上昇したが36日後に陰性化した.症例2は33歳男性,ギラン・バレー症候群に対し使用し,投与直前の抗GAD抗体は陰性であったが投与開始3日後に抗GAD抗体32.4 U/mLと高値を示した.投与後21日目に再投与,同日の抗GAD抗体は8.5 U/mLと低下し,再投与後127日目には陰性化していた.ELISA法においては免疫グロブリン製剤投与により一時的に抗GAD抗体が陽性を示す可能性があり,糖尿病の病型分類時には抗GAD抗体の測定前に免疫グロブリン製剤が投与されていたかの確認が必要であると考えられた.

委員会報告
  • 浦上 達彦, 内潟 安子, 楢崎 晃史, 南 昌江, 小川 洋平, 菊池 信行, 中村 慶子, 坂本 辰蔵
    2020 年 63 巻 11 号 p. 776-783
    発行日: 2020/11/30
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル 認証あり

    日本小児内分泌学会評議員を対象に1型糖尿病の移行期医療現状のアンケート調査を実施した(回答率44.2 %).1型糖尿病症例数は0-19名が最多で65.1 %,その内20歳以上の数は0-9名が最多で83.3 %であった.過去5年間に移行した患者数は0-9名が最多で81.0 %であった.移行時期はいつと考えるかの回答は,高校卒業時が最多で58.3 %であった.紹介する医療機関を知っているかの回答は,70.2 %の施設が自施設内にあると回答し,71.4 %が同都道府県内に知っていると回答した.今後移行する予定はあるかの回答は,はいが85.7 %,いいえが14.3 %であり,移行を積極的に行なわない理由は何かの回答は,本人が希望しないが最多で58.1 %,合併症以外の診療は小児科主体で行うのが好ましいが次に多く11.6 %であった.この結果から早期から移行期医療の重要性につき患者教育を行う必要があると考えられた.

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