糖尿病
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原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
病態・代謝異常・合併症
  • 早川 哲雄, 寺村 千里
    2019 年 62 巻 9 号 p. 501-507
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/09/30
    ジャーナル 認証あり

    2型糖尿病90例にSGLT2阻害薬ダパグリフロジンを6ヶ月間投与し尿細管間質障害のマーカーである尿中L-FABPと糸球体障害のマーカーである尿中アルブミン(ACR)を用いて腎保護効果の可能性を検討した.全例(90例)では尿中L-FABPは低下したが,ACR,eGFRは変化がなかった.正常アルブミン尿群(63例)では尿中L-FABPは低下したがACR,eGFRは変化がなかった.微量アルブミン尿群(14例)では尿中L-FABP,ACRは低下したがeGFRは変化がなかった.顕性アルブミン尿群(13例)ではeGFRは低下したが尿中L-FABP,ACRは変化がなかった.尿中L-FABP,ACR,eGFRの投与前からの変化量は各々相関を認めなかった.SGLT2阻害薬の腎保護効果には糸球体過剰濾過の是正に加えて早期よりの尿細管間質障害の改善も関与している可能性が考えられた.

症例報告
  • 迫 佐央理, 金子 千束, 濱口 えりか, 西村 泰行
    2019 年 62 巻 9 号 p. 508-513
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/09/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は67歳男性.50歳時に2型糖尿病と診断され加療を開始しDPP-4阻害薬とインスリン療法でHbA1c 7 %台を推移していた.67歳時に腰部脊柱管狭窄症に対して硬膜管除圧術を施行した2日後に,両肩・肘・手関節,手指,右膝関節の疼痛と,両手背・足背の圧痕性浮腫が出現した.筋痛なし.CRP 16.4 mg/dL,抗核抗体やRF定性は陰性で,単純X線では骨破壊像を認めなかった.以上よりRS3PE症候群を疑い,プレドニゾロン 15 mgの内服を開始した.開始数日で浮腫は著明に改善し,関節痛や炎症反応は軽快した.プレドニゾロンを漸減し,DPP-4阻害薬を中止した.RS3PE症候群の発症には血中VEGF濃度上昇が関与していると推測されている.VEGFの基礎値を上昇させうるインスリンやDPP-4阻害薬内服下では,手術侵襲によりRS3PE症候群を引き起こす可能性がある.

  • 千田 愛, 高橋 義彦, 中川 理友紀, 長澤 幹, 川島 智美, 佐藤 まりの, 瀬川 利恵, 高橋 和眞, 石垣 泰
    2019 年 62 巻 9 号 p. 514-519
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/09/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は62歳女性.30歳で早期卵巣機能不全症の診断を受けた.X-4年に糖尿病ケトアシドーシスを発症し,インスリン分泌能の低下から急性発症1型糖尿病と診断された.X年に入院した際には抗GAD抗体,抗IA-2抗体,抗ZnT8抗体,抗インスリン抗体はすべて陰性であった.甲状腺ホルモンは基準範囲内であったが,TPO抗体16 IU/mLと弱陽性で自己免疫性甲状腺疾患が疑われた.さらに低血圧と口唇・四肢・爪床に色素沈着を認め,ACTH 654 pg/mLと異常高値,副腎皮質抗体陽性からアジソン病を合併した多腺性自己免疫症候群(APS)2型と診断した.HLAはDRB1*15:01-DQB1*06:02と1型糖尿病疾患抵抗性ハプロタイプを有していた.国内からのAPS2型の報告は少なく,APSにおけるHLAハプロタイプの影響や膵島関連自己抗体の意味を考察するうえで貴重な1例と考えられた.

  • 中川 朋子, 永井 義夫, 河津 梢, 清水 紗智, 福田 尚志, 石井 聡, 田中 逸
    2019 年 62 巻 9 号 p. 520-526
    発行日: 2019/09/30
    公開日: 2019/09/30
    ジャーナル 認証あり

    57歳男性,タクシー運転手.血糖コントロール不十分なため教育入院となる.入院時BMI 33 kg/m2.HbA1c 9.1 %,尿ケトン-,GAD抗体-.22 kcal/標準体重の食事療法および入院前から服用していたカナグリフロジンを継続し退院した.翌日より職場の呼気アルコール検知器で陽性反応が持続するため受診した.血糖113 mg/dL,尿糖4+,尿ケトン2+,血中総ケトン体2350 μmol/L,血中アルコールは感度未満であった.アシドーシスなく,正常血糖ケトーシスと診断した.カナグリフロジン中止したところ,3日後に検知器は陰性となり,その後外来で尿ケトン陰性を確認した.簡易アルコール検知器はケトン体により偽陽性となり得る.SGLT2阻害薬服用者のアルコール検知器反応陽性は,ケトーシスの早期発見のきっかけになる一方,乗務者には酒気帯び誤認トラブルになる可能性があり注意を要す.

地方会記録
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