神戸大学附属図書館では,被災地にある総合大学図書館の責務との認識から,阪神・淡路大震災関係資料を網羅的に収集する「震災文庫」を1995年に開設した。また,インターネットにより情報発信する「震災デジタルアーカイブ」事業も行っている。災害記録の収集・保存・提供は,他の報告で示される直接的な災害対応に比べれば「後衛」に位置するが,図書館という専門家組織の能力を被災地で生かしていく社会的活動のーつの姿と考えている。10年目を迎えた「震災文庫」の活動と,その活動から見えてきたことについて報告する。
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