本稿はアメリカ公立図書館史,図書館情報学教育に関心を持つクリスティン・ポーリーの図書館史研究の全体像を明らかにすることを目的とする。本稿ではポーリーの研究成果を,プリント・カルチャーと公立図書館の歴史的研究,研究方法論,図書館情報学の批判的研究という3つの領域に分けて検討した。ポーリーの図書館研究は,プリント・カルチャーを射程に入れることで図書館史研究の領域を拡張し,図書館に対する批判的視点を図書館情報学および図書館学教育に照射することで浮かび上がる論点を中心課題にしていることが明らかになった。
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