当論では,目録法の概念に検討を加えるとともに,この用語をcatalogingの訳語とすることの可否を検討した。その結果,目録法の概念には,これを目録作成方法ととらえる立場と,目録作成にかかわる規則の総体ととらえる立場があることが明らかになった。筆者は,これらに対して,目録法を学問分野にするのであれば,これを目録作成の方法論ととらえるべきことを主張した。一方,catalogingについては,これは,目録法と訳されるべきではなく,目録作成(や目録作業)と訳されるべきことを明らかにした。目録法の英語がcatalogingでないことから,目録法の英語について調査した結果,英語圏には,これに相当する概念のないことが分かった。
神戸女学院において図書館学講習会が行われたのは,昭和11・12両年度であった。本稿は,この講習会の立案者であり神戸女学院図書館の初代館長であった横川四十八と,彼が招請した森清をはじめとする講師たちについて述べることにより,図書館員養成と女性図書館員,あるいはまた戦前期の時代の様相を反映する読書の自由,開架制等をめぐる横川の図書館観について考察するものである。
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