本研究はフィンランドの作家と図書館のための公的支援システムに焦点を当てて,公共図書館と関連づけられた(1)図書館助成金制度(2)貸与補償制度(著作権補償制度)(3)資料購入・購読補助制度を,フィンランド文化政策全体を射程に入れて検討した。分析の結果,これらの助成制度の意義として,創作者側の文化創造を保障することで文芸の幅と厚みを担保し受取側の多様な文化へのアクセスを保障する基盤を創出していること,少数話者言語であるフィンランド語の文芸を活性化し保護する役割を担っていることの2点を導出した。
2013年に始まった三重県の高校生ビブリオバトル大会を事例として,その参加者(高校生)と運営協力者(大学生)の両方の立場を経験した者と,大会実施の初期から普及活動を進めてきた者(大学教員)の視点を交えながら関係者が大会形式によるビブリオバトルの開催経緯と実態を報告する。実施にあたりどのように目的を設定し,相互に協働することで実現に至ったのか,その要因を考察する。その上で,大会形式によるビブリオバトルを教育目的で実施することの意義や,継続的かつ安定期に運営する際の課題を指摘する。
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