戦後教育改革において,文部省は学校図書館を教育課程に組み込む実験学校の指定を行った。東京学芸大学附属小学校(世田谷校)が最初の図書館教育モデルを提示したことを確認した上で,東京都港区立氷川小学校,川崎市立富士見中学校,栃木県立栃木女子高等学校の3校の実験内容を検討した。その結果,図書館教育自体の困難さに引き換え短期間で成果を挙げることが要請されたこと,校種によって教育課程において生じている事情があったことや学校図書館専属の教職員が置けなかったことなどの理由で,図書館教育を継続させることは困難であったことを明らかにした。
本研究の目的は,質問紙調査の実施により,第一に,公立・大学の各図書館と専門図書館,専門図書館と他館種(公立・大学の各図書館)との連携・協力の実施状況を明らかにすること,第二に,実施状況を踏まえて,専門図書館と他館種との連携・協力のあり方を,特に図書館協力ネットワークに焦点を当てて検討することである。調査の結果,(1)連携・協力の実施状況(内容,相手先,形態),(2)連携・協力を行うメリット,(3)連携・協力の課題,(4)今後実施したい連携・協力の内容を明らかにできた。これらをもとに,既存の地域や主題を単位に組織された図書館協会やネットワークを活用し,それらに専門図書館が加盟することで連携・協力が促進されることを示した。
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