観光学評論
Online ISSN : 2434-0154
Print ISSN : 2187-6649
1 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 観光学の確立をめざして
    2013 年 1 巻 1 号 p. 3-4
    発行日: 2013年
    公開日: 2019/07/06
    ジャーナル オープンアクセス
  • 現状と展望
    大橋 昭一
    2013 年 1 巻 1 号 p. 5-17
    発行日: 2013年
    公開日: 2019/07/06
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    In recent years, a methodological problem in tourism studies is the lack of a shared paradigm, that is, a framework underlying most theories and a methodology accepted by the majority of researchers (Aramberri, 2010). This paper argues that tourism originates with human beings who traveled with basic necessities and subsequently brought about extensive development in tourism as a result of their mobility. It addresses afresh certain key issues in tourism studies from a theoretical and systematic viewpoint. While the new era in tourism studies began with “hopeful tourism” advocated by Pritchard et al., a new version of “alternative tourism” presented by Wearing et al. may provide a new category of tourism, enabling the transformation of tourism studies because it is rooted in human nature. In recent years, a methodological problem in tourism studies is the lack of a shared paradigm, that is, a framework underlying most theories and a methodology accepted by the majority of researchers (Aramberri, 2010). This paper argues that tourism originates with human beings who traveled with basic necessities and subsequently brought about extensive development in tourism as a result of their mobility. It addresses afresh certain key issues in tourism studies from a theoretical and systematic viewpoint. While the new era in tourism studies began with “hopeful tourism” advocated by Pritchard et al., a new version of “alternative tourism” presented by Wearing et al. may provide a new category of tourism, enabling the transformation of tourism studies because it is rooted in human nature. In recent years, a methodological problem in tourism studies is the lack of a shared paradigm, that is, a framework underlying most theories and a methodology accepted by the majority of researchers (Aramberri, 2010). This paper argues that tourism originates with human beings who traveled with basic necessities and subsequently brought about extensive development in tourism as a result of their mobility. It addresses afresh certain key issues in tourism studies from a theoretical and systematic viewpoint. While the new era in tourism studies began with “hopeful tourism” advocated by Pritchard et al., a new version of “alternative tourism” presented by Wearing et al. may provide a new category of tourism, enabling the transformation of tourism studies because it is rooted in human nature.
  • なぜ、いま「観光経験」なのか
    橋本 和也
    2013 年 1 巻 1 号 p. 19-34
    発行日: 2013年
    公開日: 2019/07/06
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    観光現象は多岐にわたる。それ故、各分野の観光研究者がひとつの場に集まって議論を交わし、研究成果を集積することは急務である。その場がこの新たな「観光学」を追求する観光学術学会である。しかしここで、用語も研究方法も異なる多様な専門分野の研究をどのように「観光学」として統合できるであろうか。本論では、研究者各自の学問分野でテーマとすべき細部の差異に徹底的にこだわりつつ、その差異が次々に連接されてひとつの「現実」に行き着くようなイメージをもつ、「部分的連接」によるアプローチの有効性を提案する。そしてその具体例として、筆者が専門とする観光人類学の分野から「観光学」への展望を拓くための方法を検討する。とくにこれまで研究対象とならなかった、圧倒的多数を占める大衆観光者(=「通過型観光者」)にとっての「観光経験」に焦点をあて、個別で「部分的」な観光経験の「細部」に徹底的にこだわりつつ、部分的連接を繰り返して、いかに全体像となる「観光の現実」に連接していくのかをイメージしようと思う。
  • 安村 克己
    2013 年 1 巻 1 号 p. 35-50
    発行日: 2013年
    公開日: 2019/07/06
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    本稿は、社会科学の寄り合い所帯とよばれる観光研究から、観光学が実践の学として成立しうる可能性を考察する。この課題の考察にあたり、まず、現行の観光研究が、高度近代化の現実から形成された経緯と、その現実の研究によって「理論」と「実践」の成果を蓄積してきた足跡とが振り返られる。観光研究は、高度近代化の経済的豊かさから産み出されたマス・ツーリズムの研究を契機に形成され、その後、高度近代化を投影した、観光と社会の諸問題を多様な視点や領域で理論化しながら、さらにマス・ツーリズムの深刻な弊害に対処する持続可能な観光の実践に関与してきた。そうした観光研究の「理論」や「実践」の実績を踏まえ、次に、観光学が「実践の学」としての学際的学問として確立される科学基礎論について、実践論の次元から批判的考察がなされる。観光学は、観光関係者間の「対話」を通して統合的な「実践理論」を構成し、間主観的妥当性が獲得される、実践の学としての学際的基礎を構築できよう。以上の議論から、観光学は、「持続可能な観光と社会」の構想という「実践目標」を掲げ、学際的な「実践の学」として成立する可能性をもつとみなされる。
  • オルタナティブ・ツーリズムとしてのイスラミック・ツーリズムの発展
    安田 慎
    2013 年 1 巻 1 号 p. 51-67
    発行日: 2013年
    公開日: 2019/07/06
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、イスラミック・ツーリズムの発展を、オルタナティブ・ツーリズムの議論を中心とする観光研究の立場から論じる ものであった。 イスラームの理念に立脚したイスラミック・ツーリズムは、2000年代後半になって着目されるようになってきた。しかし、従来の研究の多くがイスラミック・ツーリズムをムスリム観光客の需要から議論してきたため、商品・サービスの供給者となる観光産業がイスラミック・ツーリズム市場に積極的に参画することをためらってきた理由を説明していなかった。 本稿ではイスラミック・ツーリズムの市場環境の整備とその背後にある観光研究上の議論に着目することで、上述のふたつの問題点に対する答えを示そうとしてきた。その結果、イスラミック・ツーリズムは、シャリーア・コンプライアンスという基準が関係者の間に共有され、その基準に基づいて市場環境が整備されたことを明らかにした。このシャリーア・コンプライアンスに基づく市場環境の整備は、イスラームに基づいた倫理や社会的責任を観光活動に普及させる意図も強く持っている。 これは、観光研究で議論されてきたオルタナティブ・ツーリズムの動きと同調するものであることを最後に示した。
  • 1980 年代のロンリー・プラネット
    ミルン ダニエル
    2013 年 1 巻 1 号 p. 69-80
    発行日: 2013年
    公開日: 2019/07/06
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    本論文は、1980年代の英語観光ガイドブック『ロンリー・プラネット( Lonely Planet)』における日本をめぐる言説の変遷について、ポストコロニアリズムの観点から分析するものである。アリ・ベダッドらによると、観光ガイドブックは非西洋社会を表象する際に、その社会の過去に焦点を合わせ、現在を無視し、またそれらの社会を西洋とは対照的なものとして描く点で、オリエンタリズムの枠組みを利用している。本論文は、アジアの先進国である日本に注目、『Lonely Planet Japan』の連続した3つの版を研究対象とし、1980年代の日本をめぐる言説において、重要な変化があったことを指摘する。当時日本をめぐる観光言説は多様化し、従来のオリエンタリスト言説から転換したものの、西洋と東洋を正反対に捉える枠組みは維持され、新たなオリエンタリスト言説が登場したと筆者は考える。本論文は、こうした変化が、出版社内の状況、日本国内および日本と英語圏諸国の関係における政治的、また社会的な変化と関連していることを明らかにする。最後にこのような言説は、他の国の観光的言説においても重要であり、一般に現代の観光メディアにおける、異なる社会に関する言説についての理解を深める上でも意義があることを論じる。
  • 現代京都におけるダークツーリズムの再考
    アンドレア デ・アントーニ
    2013 年 1 巻 1 号 p. 81-93
    発行日: 2013年
    公開日: 2019/07/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文は相互作用に着目しながら、「ダークツーリズム」を検討する。フィールドワークによって収集したデータに基づき、供給と需要間の相互作用を検討し、現代京都でダークツーリズムが構築されていく過程を支えるさまざまな関係性を明らかにする。このとき、幽霊が出現するとされる場所(心霊スポット)を訪れる「京都怪談夜バス」ツアー、および「花山洞」という心霊スポットを検証する。まず事例をダークツーリズムの分野の中で位置づけ、アクターネットワーク論を参照しながら、ツアーとそこに関わる人間やモノ(=アクター)の間で相互的に構築されるネットワークを分析する。このネットワークによって、歴史における人間の死についての記憶も、観光客の体験を方向付けるアクターとして構築されると論じる。特に、その記憶と、ツアーで訪れる場所との関係が戦略的であり、語りをつうじて構築されていることに着目する。これはツアーの成功の理由になるが、同じメカニズムがツアーを中止させてしまったことを明確にする。このとき、死についての記憶と場所との間の「距離」(Latour, 2005)という概念を参照することによって、ダークツーリズムの再考をめざす。
  • 尾家 建生
    2013 年 1 巻 1 号 p. 95-106
    発行日: 2013年
    公開日: 2019/07/06
    ジャーナル オープンアクセス
    観光アトラクションは観光産業の重要な構成要素でありながら、わが国ではほとんど研究されて来られなかった。一方、欧米では1959年に観光アトラクション(tourist attraction)という言葉が使われ始め(オックスフォード辞典による)、ブーアスティンとマキァーネルが観光アトラクションについての理論を展開することにより、ガン、ピアス、リュウ、リーパー、リチャード、ベッケンドルフなどその後の重要な観光研究の基盤となって観光アトラクション論が展開されてきた。本論は、1950年以降の現代観光における大きな変化の要因のひとつともなった観光アトラクションについての研究をそれらの論文により概観するものである。ブーアスティン(1962)の擬似イベント論、マキァーネル(1976)のアトラクション・モデル、リュウ(1987)の観光アトラクションの類型学、リーパー(1990)の観光アトラクション・システム、ベッケンドルフ(2006)のアトラクションのメガトレンドなどの緒論から観光アトラクションの基礎的研究を行うことを目的とする。
  • 様々な「点」をつなぐこと
    岡本 健
    2013 年 1 巻 1 号 p. 107-109
    発行日: 2013年
    公開日: 2019/07/06
    ジャーナル オープンアクセス
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